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バスで窓を勝手に開けるおばさん

僕は冬も比較的薄着で過ごす。電車で暑いのが嫌だからだ。

コートは仕事用と、プライベート用で1個ずつしか持っていない。それもスーツを着なくなったので、着る機会が少なくなっている。

もちろん外で遊ぶ時、冬の卓球の試合等、寒い状況にいるのが分かっていれば、しっかりと温かい格好で行く。


そんな僕が今一番つらいのが、電車やバスで換気の為、窓が開いていることだ。

まず、電車。電車は高い位置で窓が開いている為か、また人もたくさん乗るので、そこまで寒さは感じない。

しかし、いかんせんうるさい。

移動中は常に耳にイヤホンを突っ込んでおり、大きな音では聞かないタイプなので、電車が走ると大好きなハライチのターンが聞こえなくなる。

それでも聞こえるように音量を上げると、駅に止まった時にハライチの声がうるさい。

ちょうど岩井が、オリラジのガチ喧嘩を真似している場面だったりしたら、本当に岩井に切キレられているように感じ、ビクッとしてしまうだろう。

このように電車はうるさいのだが、寒さはまだ我慢できる。

より厳しいのがバスだ。


バスは申し訳なさそうに、全部の窓が少し開けられている。

僕はバスの真ん中よりも後ろの座席に座るのだが、窓は真横に有り、ちょうど顔の位置に当たる。

申し訳無さそうに空いている窓から、冷たい風が吹きつけてくるのだ。

今日は一番後ろの右側の席に座ったのだが、なんだか窓のある右側よりも、左側から冷気を感じる。上を見ると空調らしき物体が、

「は?まさか冬なのに換気のために冷房入れてんじゃねえだろうな!」と思い、そーっと左手を上げて風が来ていないか感じるも、よく分からなかった。

でも、恐らく空調が入っていたのだと思う。

「なんで、バスの中が外よりも寒いんだよ」とブルブル震えながら帰宅したのだった。


ここで、本題。2週間ほど前、21時過ぎだっただろうか。始発駅から帰宅のバスに乗った。乗客は少ない。

僕は一番後ろの席に座る予定でバスに乗った。すると前のおばさんが、後部座席の一番前左側。つまり真ん中のドアに最も近い席に座りつつ、窓をガッと開けるのが見えた。

「あぁこのおばさんもコロナを恐れて勝手に窓を開けるタイプか。風が当たらない位置に行こう。」と思い、一番後ろの右側の席に座った。

その後、乗客が何名か乗ってきて、おばさんの後ろの席に、おしゃべりしている2人が座った。

その時僕は嫌な予感がした。

「このおばさん嫌がるだろうな」と思った瞬間、案の定おばさんは席を立ったのだ。開けた窓を開けっぱなしにしたまま。

「おいおいおい、窓開けっぱなしで席移動すんなよ」と思った2秒後、おばさんは僕の前の席に座り、もちろんガバッと窓を開けたのだ。

「は、ふざけんなよ!ばばぁ!お前が勝手に窓を開けたから、避けてこの席を選んだんだろうが!」と怒りつつ周りの席を見ると、一番後ろの左側の席は既に乗客が座っている。

「前の方の席にわざわざ行くのも面倒だし、そもそもなんで俺がばばぁの影響で席を変えなければいけないんだよ」と怒りながらも座席を移動することはなかった。

バスは出発し、冷たい風にあたりながら、「おばさんが下りたら窓閉めよう」と思っていても、なかなかおばさんは降りない。

結局、僕が降りる一個手前の停留所で降りた。もちろん窓は開けっぱなしで。

僕はなんだか怒る気力も無くし、力が抜け、冷たい風にあたりながら、窓も閉めずに、2分後にバスから降りたのだった。


それからバスに乗る度、窓を開けるおばさんがいないか見張り、僕のこの感覚は正しいのか、それとも正しくないのか、と冷たい風でブルブル震えながら、考えている。




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