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【卓球でビデオ研究は大事】と気付いたはなし~滝二時代のエピソードトーク~

備えあれば憂いなし

準備が大事ということは、日本人であれば誰でも理解していることだと思う。卓球における準備だと、対戦相手が分かっていれば、対策練習やビデオ研究にあたる。

今回は、滝二時代に「あービデオ研究って意味があるんだなー」と実感したエピソードを書きたいと思う。

ここに載っていないエピソードだ。↓

1個目のエピソードはこちら↓


高校1年生の時の話。滝二卓球部は、たまに校内合宿をやった。校内合宿の流れとしては、、、

当時、1コマ目の練習は15時40分位だっただろうか。5時間授業のクラブコース、通称Cコースの生徒は、その時間に間に合うのだが、6時間授業の普通コース、通称Lコースの生徒は、1コマ目の参加が少し遅れていたか、速攻で準備してギリギリだったと思う。僕はLコースだった。

確か、3コマ練習終えると、寮生は寮へ夕食を食べに行く。寮へは学校から下って徒歩10分位だったか。通常は、1コマ1時間か50分だが、校内合宿する時は、3コマ×40分とか短くなっていた気がする。

僕ら自宅生は、夕飯を買いにコンビニまで、下り坂をチャリンコで飛ばすか、鯛中先生が車で送ってくれて、夕飯を買った後、部室で夕飯を食べる。

部室でなく、体育館のマイクがあるような部屋でも食べていた気がする。

夕飯後、寮生が体育館に戻ってきたら、また練習開始だ。20時前位だっただろうか。そこから2コマ練習をする。

練習が終わるのは、21時台。そこからお風呂へ入りに行く。今、書きながら、「何だったかなー」と検索したら出てきた。ここだ。僕らは多満津の湯って呼んでいたような。


お風呂までは、今調べたら3.2㎞。初めの頃は、鯛中先生の車で送ってもらい、乗れない人が走って向かうことになっていたようだが、いつからか皆、毎回走って行っていたように思う。

5コマの練習を終えた後に、結構ガチで競争しながら走っていたので、風呂に着くときは、汗だくでバテバテだ。

お風呂の時間も何分と決まっていて、帰りは鯛中先生が迎えに来てくれ、ピストン輸送してくれる。車で向かうのは、寮の横にある至誠寮と呼ばれる宿泊施設だ。

寮生も門限を過ぎているので、至誠寮に泊まる。風呂もなくただ皆で雑魚寝するだけの施設だ。

そして翌朝、寮生は寮に戻り、寮飯を食べてから、7時半集合の朝練へ。自宅生は、鯛中先生が迎えに来てくれて、コンビニで朝飯を買ってから、朝練に参加。

これが、校内合宿の流れだ。こう書いてみると、鯛中先生の熱量にビビる。


さて、前段が長くなったが、ここで本題に移る。

高校1年生の夏。8月中旬に全日本ジュニア予選を控えていた。兵庫県は登録者が多い為、全国への切符は8枚もある。しかし、予選の組み合わせは16ページと物凄い参加者だ。初日に8名まで決めて、翌日残りをやる流れだ。

会場は全日本ホカバでおなじみ、グリーンアリーナ神戸。15-16ページ目は、サブアリーナで行う。

ジュニア予選前に、何日間か校内合宿があった。お風呂から帰る第一陣がピストン輸送された後、至誠寮1階の入り口近くにあるテレビで、一個上の先輩、上西さんは、ビデオを見ていた。

何を見ていたかというと、2002年大阪オープンジュニアの部、ベスト8決定戦。藤森君(東洋大姫路)VS 森田翔樹君(グランプリジュニア)の試合だ。この試合は、当時中2の森田翔樹君が、3-0で藤森君を吹っ飛ばすのである。

ビデオを見ている当時、藤森君は兵庫県チャンピオンで、夏の近畿総体もベスト4に入り、ジュニア予選でも断トツの優勝候補だった。つまり、滝二で藤森君に勝てる人がいなかったのだ。

つまり、上西さんは藤森君をライバルと思い、勝ってやろうということで、ビデオを見ていたということだ。ちなみに、上西さんは、ペン表裏面使用。森田翔樹君もペン表だ。

そのビデオを上西さんは合宿中毎晩見ていた。見る時間は、お風呂からピストン輸送の第二陣が帰ってくるまでだ。今思うと、ライバルのビデオを見るなんて、とても良いことだと思うが、当時は、テレビを見るのはNGだった。

だから、鯛中先生にばれないように、至誠寮のテレビを使用していたというわけだ。

上西さんは毎晩、藤森君のビデオを見る。僕はその試合を、実際の会場で生で見ている。これでもかとばかりに、森田翔樹君がスマッシュしまくって、藤森君を吹っ飛ばす試合なのだ。つまり全然面白くない。

「おいおい、上西さん今日もこれ見るんかい」と思いつつ、皆と一緒に僕も見る。見ながら、なんか上西さんに、「これこうやんな?」みたいに言われたような気もするが、「毎晩この面白くない試合見るんかい!」と突っ込んでいた記憶しかない。

ここで、「なぜ面白くない試合を一緒に見ていたのか?」という疑問がわく人もいるだろう。それには実に高校生らしい訳がある。

なぜ、見ていたかというと、

藤森君の試合の後に、皆でエロビを見ていたのだ。エロビ、エロビデオ、AVである。もちろんVHSだ。

ずっと藤森君の試合を見ていれば、「鯛中先生!僕たち卓球の研究でテレビを使いたいのです!」と自信を持って言えたかもしれないが、エロビを見たい為、テレビを使っていたのだ。

その為、至誠寮に車の音が近づくと、ビデオを速攻でデッキから出し、布団に潜り込んだ。実に高校生らしいエピソードで微笑ましい。


そして、肝心の全日本ジュニア予選である。これが荒れに荒れた。結果から書くと、8枚ある全国の切符をつかんだのは、滝二からは2人だけだった。

3・4回戦くらいで、インハイ代表の林さんが、当時小5の田中健奨(川西ギャラントム→滝ニ→専修大→リコー)に負けたのだ。これは衝撃で、ここから会場の雰囲気が一気に変わった。

関東の全日学予選に出たことがある人は分かると思うが、関東の全日学予選もプレッシャーが半端なく、一回波乱が起きると、会場の雰囲気が乱れ、連鎖反応のように波乱が続くのだ。まさにそんな予選だった。

そんな波乱の中、上西さんは順調に勝ち進み、2日目の準決勝で、藤森君と対戦した。僕は、春から夏にかけて、どんどん強くなっている藤森君を見ていたので、上西さんが負けると予想していた。僕は昔から希望的観測をしない。現実しか見ないタイプだった。

結果は、まさかの上西さんが勝利。僕は結果を聞いてびっくりした! 

同時に、「あー上西さんのビデオ研究が役に立ったのか!」

ここでビデオ研究の重要さを照井少年は実感したのか!と、皆さん思うでしょう。

しかし、そう思うのは、だいぶ後なのです。当時僕がどう思ったかというと、

「よっしゃー!藤森君が負けた!これはチャンスだ!」

そう、滝二で残った2名というのは、上西さんと僕だったのだ。先輩とかは全く関係ない。最大の敵、藤森君が予想外に負けたことに、僕はお喜びしたのだ。

そして、決勝戦。僕は目をギラギラさせ、上西さんを3-0で吹っ飛ばした。

「うおりゃーっ!!!」と。

高校1年生のインハイ予選では、育英の三浦君に負け、予選落ち。団体でも兵庫県予選で他校に負けて、4番手から外され、ベンチで応援。唯一出たインハイダブルスでは、茨城のペアに初戦負け。

ことごとく、凹んでいた僕が、高校で初めて掴んだ兵庫県チャンピンだったのだ。

兵庫県チャンピオン。これは少し自信になった。


半年後の12月末。全日本ジュニア本戦が、綾瀬の東京武道館で行われた。僕は、足立卓也君(上宮)と2回戦で当たる予定だった。

組み合わせ決定後の12月、大阪で松原オープンがあり、準々決勝で藤本雄大さん(滝二)と、足立君が対戦した。たまたまビデオを持ってきていた藤本パパに頼み、その試合を真後ろから撮ってもらった。

僕は真後ろからベンチコーチの松尾先生の横に座り、アドバイスを聞きながら、足立君の試合を見た。試合はアドバイス通りに雄大さんが勝った。

その時松尾先生から聞いたアドバイスは、確か、、、

足立君はフォアのバックスイングが、身体の後ろに巻き付けるように打つので、フォアへの動きが遅い。フォアへ動かした後、バックを突けばバックは絶対に打てない。

とかだたっと思う。本戦まで藤本パパに撮ってもらったビデオを見てイメージも作った。


全日本初戦、竹内君(明徳義塾)に1ゲーム目11-0で勝ち、3-0で吹っ飛ばした!

そして、2回戦の足立君戦。「ビデオ研究した成果だ。俺も上西さんみたいに!」と思ったが、、、

足立君は、1本目から大きな声を出し、全く隙が無かった。0-3の完敗だった。完全なノーチャンスだ。その後、足立君はベスト8決定で時吉君に打撃戦の末負け。

上西さんは16決定で、坂本(上宮)に完敗。藤森君も16決定で、小野タツ(仙台育英)に2-3で負け。全国の壁の高さを改めて実感した大会だった。


最後は真面目にビデオ研究の必要性を。

大学に入学してから、ビデオ研究をするようになった。ビデオ研究すれば、相手のクセや弱点を見つけることが出来る。それ以外に、ずっと対戦相手のビデオを見ていると、なんとなく相手がするプレーが読めてくるようになる。

このなんとなくわかる が大事で、勝負所でなんとなくわかると、なんとなく身体が動くのである。動くというか反応する、というのだろうか。

今、コロナで練習出来ていない学生さん。ビデオを見るの大事ですよ。見方としては短時間で集中してみる。上西さんみたいに、見ることの出来る時間が限られている方が効果あると思います。

親が帰ってくる30分前に、リビングで卓球見てからAV見る、という流れを作れば、集中して見れると思います。

以上、卓球でビデオ研究は大事というはなしでした。

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