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2021年入院日記(回復期:37日目)

これは、脳梗塞を発症した自分の記録を思考が明確なうちに残しておこうというのが目的である。

8月6日(金)、快晴。今朝は採血があった。入院した7月1日以来だ。杏林大学病院に入院している時は頻繁に採血があった。痛覚に麻痺のある右腕から採ってもらう。針を刺した時の痛覚を確認したかったからだ。脳梗塞で入院した時は、輸液確保や採血のために右腕に針を刺しても全く痛みを感じなかったが、時間が経過するにしたがい、針をを刺した瞬間に軽く「チクッ」とした後に「ズーン」という鈍痛が来るようになった。今日も同じような感じで、針を刺した時の痛覚にあまり変化はないようだ。

さて、朝食はロールパン。パンは脳梗塞を発症した6月4日の朝に食パンを食べて以来約2ヶ月ぶり。STさんが食事状況を確認しながらのスタートだ。

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パンを千切って、付いてきたリンゴジャムとマーガリンを交互に塗って食べる。パンは嚥下難易度が高いという話だったが、やはりよく咀嚼しないと飲み込めない。飲み込んでも喉に残存感があり、2、3回嚥下して食道に落ちていく感じだ。

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ついにバナナがそのままの形で登場した。きざみ食の時は、バナナの果肉が刻まれて出ていたのだが、刻んでから出てくるまでに時間がかかるせいか少し黒くなってしまっていた。バナナは柔らかくて水分が少ないので食べやすい。考えてみれば、杏林大学に入院していた頃、バナナ味の経管栄養剤テルミールミニを鼻から流し込んでいた時、その匂いが強くて本物のバナナを食べたくなったものだった。

午後は13:00からOTさんとプリン作りでリハビリ。作業療法のリハビリで調理を行うのは理由がある。自分は右手の温度感覚が麻痺しているため、調理時には左手で温度の確認が必要となる。加熱しているものやその近辺に触れる必要がある場合は、必ず正常な左手で確認を行いながら作業する。

リハビリの時間が1時間という制限があるため、クラシルの簡単にできるレシピで作る。

卵を溶いて、牛乳と砂糖を入れ、容器に入れて蒸すという簡単なプロセスであった。

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↑  喜んで作っている様子

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しかし、適切な容器や蒸し器がないため、フライパンとその蓋を使用したのだが、プリンの容器の高さがあり過ぎて、きちんと蓋ができず、濡れ布巾を被せて蓋をして蒸すこととなった。

15分蒸した後、蓋をあけてみると、プリンの表面は月面のようになっていた(涙)。OTさんに冷やす過程はお任せし、一旦入浴に向かう。

16:40に再度リハ室のキッチンに赴き、カラメルソースを作る。

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ちょっと加熱し過ぎたか…。

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表面の凸凹は、カラメルソースをかけてカムフラージュする。ぱっと見、美味しそうにできたか…。

右端の大きい容器のものは表面が平滑で綺麗だったので、自分がいただく。他のものは担当していただいているリハビリスタッフの方に召し上がっていただいた。味は自分で言うのもなんだが、結構美味しかった。カラメルが少しだけ苦味が出てしまったが、召し上がっていただいたスタッフも美味しいと言っていたのでよかった。自分にとってはリハビリテーションではなくリクレーションとして楽しんでしまった…。


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