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3DCADを教えるときに気を付けていること!続編(Part7)

前回の記事で3次元CADが嫌いになる理由として、「コマンド(機能)が多くて操作が煩雑で覚えるのが大変」と書きましたが、今回は、この部分について少し詳しく書いていきたいと思います。

一般的な機械設計用の3DCADは、多くの機能が搭載されています。汎用的に使用できるようになっており、板金設計、金型設計、配管など、様々な用途で使う機能・コマンドが搭載されています。

これら全てを使いこなせるように覚える必要はありません。
各々の業種、業務にあった使い方をすれば良いのです。

例えば、旋盤関係の部品を取り扱っているのであれば、回転コマンドや、押し出し、フィレット、面取り、穴コマンドなど数種類の機能を覚えることで仕事ができるようになります。

しかし、独学や集合セミナーを受けて学ぶ場合、自分がどの機能を学び、覚えたら良いのかを最初から区別することは難しいでしょう。

なので選択肢として、個別のトレーニングを依頼するのも1つの習得するための近道です。

自社、自分がやりたいことを説明し、それを最短でできるようになるためのカリキュラム作成を依頼します。

ただし、最短で学ぶことが必ずしも良いことではない場合もあります。汎用的な使い方を学んでいないため、応用が利かなくなってしまったり、旋盤加工用の部品はモデリングできるけど、フライス加工用の部品は上手くモデリングできないなどの弊害が出てくる場合があります。

元プロ野球選手のイチローも最短で辿り着いても深みは出ないと言ってました。無駄なことは無駄ではない。無駄ってすごく大事。遠回りすることが近道。というのにも納得がいく部分があります。

最終的に遠くまでいきたいのであれば、無駄も必要ですし、まずは最短立ち上げを実現したいのであれば、個別のトレーニングで必要な機能だけを学ぶのも良いかと思います。

私が今回お伝えしたいことは、3DCADには多くの機能が搭載されていますが、それを全て覚えないと仕事ができないということではない。ということです。

何かをしようとしたときに、きちんと覚えてから始めようとする人も多いかと思います。例えば、英語をきちんと覚えて話せるようになってから海外に行こう!とか。

やりながら覚えていく。という考え方も時には大事です。

とりあえず、海外に行ってみる!みたいな!!

3次元CADは多くの機能があって難しい!と感じられる人もいますが、実際には全ての機能を使う必要はなく、必要なときに必要なものを覚えていくという考え方で、はじめていけば良いのです。

例えば、ワードやエクセルも全ての機能をマスターして使っているわけではないと思います。スマホも自分が必要な電話する、メールする、ネット見るなどのことのみの使い方を覚えて使用されているでしょう。

それと同じように3DCADも特別なものという意識ではなく、必要なものを都度、覚えていきながら徐々に使えるようになれば良いのです。

私が3次元CADを教えるときに気を付けていることとして、個別のトレーニングを依頼を受けて行う場合、その人が必要な機能を使用用途から抽出し、それを確実に使えるようにトレーニングを行います。

ただし、それだけではなく、その他にも3次元CADの基礎として知っておいた方が良い機能についても出来るだけ教えるようにしています。

私の経験からいくと、そうしないと結局、理解度が低いまま3次元CADを使うことになり、イチローが言っているように深みが出ない、遠いところまで行けなく、3次元CADを使用しての業務効率が上げられないですね。

例えば、エクセルの基本操作、表をつくることは覚えた。業務は最低限おこなえるとしても、実は関係式やマクロなどを使うと、数時間かかっていた作業が数分で終わるってこともあるかと思います。

3次元CADも上手く活用しデータを連携させることで業務効率を最大限にあげることができます。

そこを理解してもらうためにも、機能があることをお伝えしたり、個別のトレーニングも長期的なプランで提案をしたりしています。

初級トレーニングから、中級、上級、実践などステップアップのトレーニングを提案しています。

私のオススメとしては、基礎を習得するのは、集合トレーニングなどを受講し、更なるスキルアップを図るために個別のオーダーメイドのトレーニングを依頼されるのが良いかと思います。

3次元CADソフトによっては、無料のチュートリアルがあったり、動画で学ぶことができるようになっていたり、書籍が販売されていたり、しますので、それらで独学で習得を考えるのも良いかと思いますが、1度は外部のトレーニングを受けてみることをオススメします。

1人で学んでいただけでは気付かなかったことに気づくことができたり、便利な機能を知ることができたり、更なるスキルアップが図れると思います。

多くの3次元CADメーカーが毎年イベントを行っており、事例紹介や新機能の紹介などを行っています。

以前は東京や大阪などの大きな会場で行われていましたが、今はオンラインで配信されるようになり登録すれば無料で、どこからでも視聴できるようになってきてたので、時間をつくって視聴してみると良いと思います。

これまでは東京や大阪などまでいかないといけませんでしたが、今は移動しなくてよくなったので、その面では凄く私(岩手県在住)としては非常に助かっています。ただ、色々な方にリアルでお会いできないのは寂しいですね。

今回、書いてきたことをまとめると、3次元CADには多くの機能が搭載されていて、難しく感じてしまうかもしれませんが、いきなり全てを覚える必要はなく、最初はスケッチと押し出しとフィレットなど数個のコマンドを覚えれば、ある程度の形状は出来るようになります。

なので、教えるときに気を付けていることとして、コマンドをひたすら1個1個の機能を紹介するような教え方はしていなく、まずは、スケッチと押し出しで形状をつくれるように習得してもらって、徐々にスイープやロフトなどの使い方も必要であれば教えています。

3次元CADで、やりたいことが複雑な曲面形状の作成という場合、いきなり複雑な曲面をつくる方法を教えるのではなく、まずは線の描き方、立体の作り方の基本を教えて、そこから徐々に曲面をつくるのであれば、スイープやロフト、サーフェス機能などを教えるようにしています。

トレーニングを受けたあと、ある程度の問題、困りごとが出てきた場合でも、自分で解決できるよう能力を付けていただけるように努めています。

もちろん分からない場合には、聞いていただければフォローもしています。多少自分で悩んで考えることも大事ですが、一人でずっと悩むより聞いた方が早いですからね。

あとは、メニューが多すぎて悩んでしまうという方には、よく使うコマンドは、ショートカットキーを設定したり、使わないメニューはアイコンを非表示にしてしまうことでコマンドを探しやすくするようにアドバイスを行ったりもしています。

3次元CADを学ぶ方法としては、
独学またはトレーニングを受けるの2択です。

独学の場合には、無料のチュートリアルや動画、有料の書籍や動画での学習がありますし、トレーニングにも集合教育と個別教育とがあり、無料の体験セミナーから有料のセミナーまであるかと思います。最近ではオンラインも多くなりましたね。

色々な学び方が出来るようになっているので、各々の学び方にあった方法を選ばれると良いでしょう。例えば、仕事をしながら学ぶ、土日に学ぶ等

私のオススメとしては、まずは無料の体験セミナーがある場合には受講して、無料のチュートリアルで学べそうであれば学び、難しそうであれば集合教育を受けたり、書籍があれば購入して基礎を学び、その後は動画を見たり、更なるスキルアップを図るために外部の個別教育を受けるというステップが良いかと思います。

3次元CADも日々進化して機能が追加されていくので、新機能紹介セミナーをメーカーでやられているので、時々そういったものにも参加し新しい情報を得ることで、実は今までできなかったことや時間がかかっていたことができるようになっていることもあるので、そういった情報収集も行うと良いかと思います。

今回も、ばーっと書いてきましたが、3000文字超えてきたので、この辺で!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!感謝です!!

では、また!テルえもんでした!!

3DCADを楽しく学んでもらえるようYouTubeで動画配信しています!


noteを最後まで読んで頂き有難うございます。 東北の岩手県北上市で3DCAD/CAM/CAE、3Dプリンタ、3Dスキャナ、リバースエンジニアリング等、ものづくりエンジニアの育成、企業のサポートをしています。地方創生・地域活性化に取り組んでいます。よろしくお願い致します。