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ブランド側が提示しているのはルールではなく提案

ご覧いただきありがとうございます。
本日は2021/4/12

「ブランドが提示しているのはルールではなくて提案だと思う」というテーマについてお話したいと思います。

自分でも物作りをし、ファッションの事を考え知っていくうちに、より強くそう思う様になりました。
まずはこう思う様になったきっかけの様な出来事からお話したいと思うのですが、皆さんは少し前のこの出来事を覚えていますでしょうか?

「VETEMENTSが日本人カップルのプリクラを公式アカウントに載せた」あの出来事です。
少し前にちょっとした炎上の様な事が起きましたよね。

事のいきさつを簡単に説明しますと
VETEMENTS側:公式アカウントに日本人カップルが自社の洋服を着ているプリクラの画像を投稿する。
VETEMENTSを敬愛するファン(肯定派):似合わない、ブランドのカルチャーにそぐわない奴らが晒された(笑)
VETEMENTSのファン(否定派):VETEMENTSのファンだったけどこういう晒しみたいのするのはどうかと思う

この一連のVETEMENTSの投稿に対して、肯定派と否定派が生まれ、その間での論争により事は炎上するに至りました。

この論争の一連のキーワードは、意見は違いつつも、どちらの認識も
「この投稿は晒しである」
という認知が一貫しているところにあると思います。

さて、ここで考えたいのはあの投稿は本当に晒すという意思があったのかどうか?という事です。

それについてお話するには、先に日本人の「敬愛するが故の鎖国」言い換えるならば神格化について自分の考えをお話したいと思います。


敬愛するが故の鎖国・神格化

さて、敬愛するが故の神格化。
これはブランドが大きくなればなるほどその規模の大きくなると思います。
そうなると、一括りにファンと言い切ることは出来ず、ファンの中にも種類が存在し始めます。
大きく2つに分けると
①ブランドのコンセプト、カルチャーまでもが好き
②洋服単体のビジュアルが好き
この2つに分けられると思います。
最初にあげた①のファンの方が、優劣では無く深さとして、そのブランドの事を多角的に好きになっているということ。
そうなるとどんな事が起きるかというと、
「自分の意思とブランドの意思を重ね合わせる」
という事が起き始めます。自分の意思はブランドの意思を代行しているかの様になってくる、という事ですね。
より愛が強いため、自分たち以外の人々を、言葉を選ばずに言うと排除しはじめる、という事が起きています。
「このブランドを着るのなら、その髪型は違う」
「その合わせはブランドのカルチャーに反している」
などなど。
自分たちが感じたブランドからのメッセージが聖域を作り、そこを守ろうとする動きが生まれます。

これはなにもファッションの世界だけの話ではありませんね。世の中に発表されている生み出された物は、等しくそのような構図が生まれると思っています。
この神格化を悪だというのではありません。すべてのものに確実に生まれる現象として少し悲しいと感じてしまう事は事実です。

その動きがやがて聖域の中を鎖国へと導いていきます。
新しい人の介入が閉ざされていってしまう気がします。

この考え方を踏まえて、もう一度あの投稿の出来事を考えていきます。

改めてあの投稿は晒しだったのか

私が思うに、あの投稿は「晒し」では無かったと思います。
VETEMENTS側の投稿は
「ナイス!!」てきなノリでただ行われたものだと考えています。
考えているというか、これは希望込みですね、そうであって欲しいと思っています。

あの出来事の真相は
「ブランドを神格化したファンによる鎖国の意思」
だと思いました。
晒しだと捉えるのは、自分たちの聖域内の外にいるファンの人々に理解が出来ず、ブランド側もそうなのだろうと重ねた結果の様な気がしています。

そうしてあの炎上が起きた。

この出来事の悲しい所は、どちらも「愛ゆえに起きている」事だと思うんです。
どちらもVETEMENTSが大好きだった。ブランドの事を考え、行動しているという部分。
ブランドも、2つのファンにも、どちらにも悪気が無いところが悲しいところです。

度々になりますが、これはファッションの事だけでは無いことは確信を持って言えます。
漫画やアニメ、文学、アート、建造物、映画やテレビ、全てにおいてこの構造は生まれます。

このどうしても起きてしまう現象に自分なりにまとめの言葉と願いを込めるのなら、
ブランド側が提示しているのはルールでは無く提案である
という言葉につきます。

こうしろ、と生んでいるのではなく、
こうも素敵じゃない?と生んでいる。

この論争はブランド側が意図しているものではなく、生まれてしまうものだとわかっているからこそ、
一ファンである自分も自戒の様に胸に留めておきたい言葉です。


そして自らも世に何かを生み出すものとして、それが生まれることの覚悟をもって制作していきたいと思い続けます。

この投稿について、皆さんの意見や感想があればお聞きしたいです。
また、これは長く続くテーマだと思うので、たくさんの方に読んで頂きたい。
拡散などしていただき、たくさんの方の目に触れることが出来ればありがたいです。

by Atre'ju



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