ライブ写真を始める 5

さて、前回は必要な機材の話を書きましたが、
今回は写真の要素を決める「露出設定」について。
暗いフロア+常に変わる照明の中で撮影するには
マニュアル設定できるようにしておきましょう。
よくある写真解説本の方がわかりやすいかもですが、一応書いてみます。

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露出とは?

超初心者向けに書いている記事なので、露出の説明からいきますね。
露出とは写真を撮る時にカメラ(正式にはセンサーかな?)に取り込まれる光の量の事を言います。

シャッターをどれだけ開けるか、レンズに入る光をどれだけ入れるか、
そこにISO感度を組み合わせて決めていきます。
初心者には「宇宙語ですか?」ってなりそうですが
ひとつひとつ理解していけば意外と単純!要は慣れです(身も蓋もない)

自分も最初はISO感度?何それ?って感じで上げてノイズまみれの写真を撮ったりしてました。笑
では、ひとつずつ説明していきます。

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シャッタースピード

まずはシャッタースピード(SSと表記される事が多いです)
これはそのままの通り、シャッターボタンを押した時に
シャッターをどれだけの時間開けるかという設定です。
よく「1/100」みたいな表記のされ方されますが、これは1秒間に対して100分の1のスピード(0.01秒)という事になります。

「1/2 = 0.5秒」「1/10 = 0.1秒」「1/200 = 0.005秒」「1/1000 = 0.001秒」
という感じで、分母が大きいほどシャッターを開ける時間は速く(短く)なります。

SSが速いと動いてる被写体を止めて写せますが、シャッターの開いてる時間が短い(=光を取り込む時間が短い)ので写真は暗くなります。
逆にSSが遅いと動いてる被写体はブレ、あるスピード以下になると手持ちでは
カメラのブレまで写ります。その分シャッターの開いてる時間は長い(=光を取り込む時間も長い)ので、写真は明るくなります。

絞り

次に絞りです(F値という呼ばれ方が多いです)
これはレンズに入ってくる光の量になります。
レンズの中には絞り羽根という開け閉めできる部品があり、それを開いたり閉じたりして光の量をコントロールします。
その光量を数値化したものがF値です。
こちらは「F2.8」のように表記されます。
シャッタースピードは写真の動きをコントロールする数値ですが、
このF値は「ボケ量」をコントロールします。

数値が低い程、光をたくさん取り込んで明るくなり、ボケやすくなります。
逆に数値が高いほど、光の量が少なく暗い写真になりますが、ピントが合いやすくなります。
目の悪い人が目を細めると少し見やすくなるのと同じ原理だったかな?(うろ覚え)

このF値はレンズによって最大、最小値が違うので、自分のレンズをチェックしてみましょう。
レンズに書いてある型番に「F2.8」とか「F3.5-5.6」とか書いてあると思います。
この数値がそのレンズの最小F値になります。(数値が低いほど光がたくさん取り込める明るいレンズという事です)
「F2.8」とか「F4」しか書いてないレンズはズームさせてもF値は最小固定できますが
「F3.5-5.6」とか書いてある物はズームの引き(広角)から寄り(ズーム)に動かしていくとF値が変わってしまう構造になっています。

画角(焦点距離)固定の単焦点レンズだとF1.8とさらに明るいレンズが多いです。

この説明で伝わってますか・・・?汗

ISO感度

最後にISO感度(いそかんどと読みます)です。
これはカメラの中にあるセンサーが光を捉える能力をさす値です。
ISO感度を上げるとセンサーに当たった光を電気信号に変える時に、その処理を増幅させる事ができます。(明るくなります)

例えばISO100からISO200に変えて、F値を変更しなかった場合、
シャッタースピードを2倍の速さに変える事ができます。
(ISOを2倍にした分明るくなるので、シャッタースピードを速く(暗くなる)できるようになります)
(もっと全体にピントを合わせたい場合はSSをそのままにして、F値を2倍にする事もできます)

例 SS-1/200 F2.8  ISO100 で丁度いい明るさの写真だとして
       SS-1/200 F2.8 ISO200 にするとISOを上げた分明るくなりすぎます。
       SS-1/400 F2.8 ISO200 ←こうすると一番上の写真と同じ明るさでSSだけ上げれます。

  SS-1/200 F5 ISO200 ←こうすると明るさは同じで全体にピントが合いやすい写真になります。

ISO感度を上げたら上げただけ写真が明るくなると思ってください(投げやり)
ただ、その代償としてこの数値を上げれば上げるほど高感度ノイズというノイズが入り、上げすぎるとガッサガサで写真の立体感がなくなるので
上げすぎは注意が必要です。
(ノイズ入ってた方がライブ写真ぽい!ってカメラマンもいたので好みにもよりますね)

この3つの数字を組み合わせてみましょう

暗めの写真にしたいか、明るめの写真にしたいか
被写体を止めたいのか、ブラしたいのか
ピントをボカしたいのか、カッチリ撮りたいのか、
露出設定が自在にできるとこういう頭で描いた事がすぐに撮れるようになります。

基本的にどの数値もダイヤルを1回回すと約1/3数値が動きます。
3回回すと最初の数値の倍(もしくは半分)になるようになっていますので
それを頭に入れて練習してみましょう。

思ったように設定できるようになればその会場の照明の明るさに合わせて
コントロールできるようになるはずです。
(オートに頼ると明るすぎたり暗すぎたりするかもです)

例えばライブ撮影してて、次の瞬間バンドマンがキメのジャンプする!って予測できた時に
「ジャンプする瞬間を止めたいからSSは1/200、それだと少し暗いからF値は2.8、ISO感度は1600」って感じで
ジャンプするまでの一瞬で露出を決めてシャッターを切ります。

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とにかく場数あるのみです。

ライブ写真は練習ができません。全部本番。
ただ、最初から思ったように撮れる人なんていません。

なので、いつか良い写真を撮れるようになって
撮らせてくれるミュージシャンの魅力を伝えれるように感謝の気持ちと
コミュニケーションと毎回気付いた課題を次回に活かして
アップデートしていくしかないかなぁと思います。
ライブ以外でもマニュアル露出で撮る練習してみるのも良いかもですね!

ってなわけで、今回は露出設定の話でした。
上手く伝えられたか不安ですがこの辺で・・・文章にするのムズーッ!

的な。

追記

絞りの説明でわかりやすく「ボケ量」と書いてますが、実際のボケ量はカメラから被写体、被写体から背景の距離、さらにはレンズの焦点距離も加味されるのでF値だけで変わる物では無いです。


F値の変更で変わるのは「被写界深度」と言われるピントの合う幅。ここが変わるのでボケやすい、ボケにくいという事になります。
詳しくはググってみて下さい(もっと勉強します。。)