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飲食は楽しい

温かくなり、お客様の表情も緩やかにワインを飲むグラスも踊るような、オレンジ色の空間がお客様により、スタッフの気持ちにより出来上がるとき、「あー幸せだなー」って心が熱くなります。
僕が今、経営しているのは6店舗。豪徳寺店が主戦場なわけです。ただ、昼間はほかのお店に行ったり、欠員が出たり、トラブルや不安があれば、豪徳寺のスタッフには負担をかけますが、他のお店に行ったりします。
今は日曜日は高輪台にあるフィロというお店にいることが多いです。
17年前に自分がいないお店を作るつもりはありませんでした。少しずつちょっとずつ、お店が広がっていきました。それは基本的には人がベース。仲間がいて、その人たちともっと何かできるんじゃないか!そんな夢が広がった時に、自然と広がっていきました。コロナでの閉店、出店は未経験ゾーンであり、成功か失敗かなんて全くわかりません。
「全く」と書いたのは今なお、わからないから。結局、前に進むことをセレクトしていくしかなかった。そして今その渦中にあるので。
そういう意味では新たな発見もしましたよ。
住宅街の「幸せ」なところ。いつもは会社や出張先、仕事で苦しい顔したりしているであろう?(楽しい人もいるか笑)パパやママも、夫婦も友達も。それがそれが、家が近いとちょっと違うよなーって。
スーツをジャージに?ジーンズに?気軽な格好で気持ちが緩やかで。
会話も仕事の話はよそに家族の話。手元にはスーパーで買ったサランラップ持ってワインを持ったり。愛犬の散歩中にハイボール飲みに来たり。
その中でちょっとずつ仲間みたいな知り合いみたいなお客様が出来て、挨拶ができる特別感。
家が近い正義みたいなものを感じています。
家族大事~犬が一番!みたいな。
新橋でお店を始めた29歳のころ。最初に思ったのはツッカケで来れる店でした。だいぶ変わっちゃったけど、新橋も温かく最高な仲間が出来たんです。自宅に招くどころか、僕がいない間に妻と遊んでる元お客様、マブダチがいるくらいね笑
そんなことで、お店を経営することにみんなが臆病になったり、投資と回収のバランスを考えたり、ネットで調べればそれらの数字のからくりがわかる時代。ちょっと考えた方がいいと思う。
僕は今、17年もやってしまったからちょっと知りすぎたことがある。
でも、今でもだいぶフレッシュさを持ち合わせている人です。
その自分が考えるとですね、お店を出したい人はあんまり考えすぎないこと。自分が出せる金額や予算は決まってますよね。
足りなければ、足りる分であとは1年後に作ったり、塗ったり、買ったり。
で、回収できるかどうか。もちろんそうなんですが夢があるじゃないですか。
車が欲しい人って、回収は考えないですよね。
だから自分が欲しいものを買うって、それが儲かるものじゃないです。
だから自分が欲しい店を、夢を叶えていくなら、全部回収できるかどうかじゃなくて、楽しく楽しく生きていく場所を買うってことでいいじゃん!って感じもあります。
実際、僕はあまり考えていません。ちょっとは考えます。
たとえば、この豪徳寺のお店は25,000,000円くらいかかりましたが、回収考えてません。いや回収しますけど、考えていませんでした。
楽しくあの場所にいたい。そこで働いてくれる仲間、お客様。
夢がずっと続くのが夢でして。一生懸命やってやってやって、そうすれば必ずいい店や仲間、お客様がいるし。そうしたらもっといい店になって必ずやれるって信じているだけなんです。
実際、最初に出したお店は1000万を借金していましたが、家も借りず、店に住んだり、流し台でお風呂に入ったり。朝まで営業して・・・。
そのおかげで1年で借金を完済。
こう書けば、きつい時代のようですが、全く逆。最高に楽しかった。
それはやっぱりその場所を愛しているし、そこの場所を見つけてくれた方たちと過ごすことが幸せでしかなかったから。
だからやっぱり独立だけじゃなくって、自分のいる場所を大好きでいること。そのためにはやっぱり努力しなきゃいけないこともあるし、無理しなきゃいけない、その無理が楽しめるかどうかで人生変わってきた気がします。
何がどうって話じゃないですが、こうして豪徳寺で過ごせることって特別だと思っています。
お店を出すって、いろんな苦労もあるんだけど、本当に幸せ。
そしてお店を出せなくても、大好きなお店で働けていることの幸せ。そうじゃなくても、大好きになる努力をしている人達。
その人たちの気持ちや愛情がどれだけのお客様の支えになるか。
飲食人は誇りに思ってもらいたい。

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