嬉し恥ずかし美容院。

僕は美容院が苦手だ。
なにを会話していいのかわからないし、そもそも希望のスタイルを伝えるのも憚られる。
写真を見せると「なんだよお前身の程弁えろよ、窪塚になれるわけねーだろ」とか思われてやしないかドキドキする。

そんなわけで一度短くしてもらったら、メンテは妻にやってもらっている。
ツーブロックの横の刈り上げとか、ボリュームの調整とか。

それでももう伸びに伸びてしまって、オールバックもめんどくさくなったので昨日、久しぶりに美容院へ行った。

すっきりさせてください！
こんな感じで！
とだけ伝えて感情をシャットダウンし、目を閉じたのだけれど、聞こえてくる言葉のイントネーションに思わず反応してしまった。

広島の方ですか？
勇気を出して聞いてみた。

「はい、そうなんです。」
え、僕もです！東広島です！
「え、僕安芸津ですよ！」
え、僕黒瀬です！

まさかのご近所。
そこからはもう、美容院であることを忘れてお互い広島弁で会話。
こんなに美容院が楽しかったことがあるだろうか！

お互いテンション上がってしまって、気付いたら予想より遥かに短くなってしまっていたけど、それはご愛嬌。

広島の田舎出身の二人が都会で出会うとか、感慨深い。

広島、帰りたいなぁ。
お好み焼き、食べたいなぁ。

広がったおでこと、見え隠れする白髪を鏡越しに眺めながら思った。
なんで今日に限ってゲームキャラの写真見せたんだろう！