十年をひとむかしというならば、この話はいまからふたむかしまえのことになる。

今40歳手前の人はみんな、20年前は高校生ぐらいなんだよな。
今年39歳になる人の20年前は、順調だったら大学1回生の歳。

20年前の2月末、僕は神戸大学の前期試験に落ちた。
落ちることなんて想定してなかったから、落ちてから後期の小論文対策を慌てて始めた。
対策の授業も受けたことなかったから、独学で。
赤本買って必死に解いたけど、添削してくれる人いないから正解がわからなくて、不安だった。

そして20年前のちょうど今頃。
試験前日、後期試験を受けに行くことを想定していなかった故にホテルも取っておらず、友人の部屋に潜り込んだ。

僕が浅香光代と野村沙知代のモノマネの違いを深夜まで演じ続けたことにより、友人は全く寝れず、当の本人はぐっすり眠り、当日を迎えた。

「現代における農業について」みたいなテーマの小論文が課題で、試験時間を数分残して回答用紙の最後のひとますに句点を書いたとき合格を確信した。
というか、これで無理なら仕方ないと思った。

そんな20年前の3月頭の光景を、なぜか今朝ぶわっと思い出した。
空気が似てたのかな。

あれから20年。

20年前の俺へ。
今めっちゃ笑えてるから、何ひとつ間違ってなんかないよ。安心して。
ただ、長い大学生活が待ってるから、覚悟はしとくように。

いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。