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シリーズB投資家対談 Vol.4 | 東急不動産 執行役員本部長 鮫島様 × Terra Drone 取締役 関「スマートシティ構想おける、ドローン/空飛ぶクルマの役割とは?」

この度、3月23日にTerra Drone株式会社は、シリーズBで総額80億円(注)の調達を発表いたしました。今回調達した資金を活用し、安全で効率的な空の移動を支える「空のプラットフォーム」UTM技術の開発、各事業成長資金、本活動を実現するための採用活動への投資を行います。

今回は同じ渋谷を拠点とし、全国でインフラ・インダストリー事業や都市開発事業を展開されており、今般CVC(※)を通じて同社グループより出資頂いた東急不動産  執行役員本部長の鮫島様とTerra Drone 取締役の関が、まちづくりにおけるドローンと空飛ぶクルマの関わりについて、お話しいたしました。(※東急不動産の親会社である東急不動産ホールディングスの出資先CVC(GP:SBIインベストメント)を通じた出資となります。)

<登壇者>
□鮫島泰洋 様(東急不動産株式会社 都市事業ユニット都市事業本部 執行役員本部長) 
□関鉄平(Terra Drone株式会社 取締役)

1.出会ったきっかけと第一印象

質問)貴社と弊社が出会ったきっかけは何でしょうか?

鮫島様)
東急不動産は日本全国で都市開発やまちづくりを行っており、中でも私は渋谷・竹芝エリアにおけるまちづくりの責任者として、渋谷区さんと普段から連携を取らせて頂いております。その中で、ドローンという観点から将来のまちづくりに取り組んでいるTerra Drone社の存在を知り、徳重さんと出会ったのがきっかけです。初めは、私たちがオフィスを構える渋谷ソラスタから徒歩1分以内にTerra Drone社もオフィスを構えていらっしゃることもあって、「お隣さん同士」という感覚でした。

関)
私たちは四半期毎に全社会議を実施するのですが、実は渋谷ソラスタさんを会議の度に利用させてもらってます(笑)。いつもありがとうございます!

質問)弊社に対して最初はどのような印象をお持ちでしたか?

鮫島様)
会社としては、渋谷等のまちづくりという文脈でお互いの事業でシナジーが生まれそうという印象でした。元々Terra Drone社と出会う前から、ドローンによる物流や空飛ぶクルマをまちづくりに活かしていきたいと考えていたのですが、そのためにはUTMというドローンの航空管制システムが前提条件として必要になるというのを知りました。その中で貴社は世界で既に実績を積まれていらっしゃいましたし、その知見を日本でも活かされていくというお話を聞いて、非常に可能性を秘めた会社さんだなと思っておりました。

(ビルの屋上からを見ながら、空飛ぶクルマについて議論するお2人)

2.スマートシティ構想とは

質問)貴社が取り組むスマートシティ構想について教えてください。

鮫島様)
我々は2019年ごろから、ドローンや5G、AR・VR等の最先端テクノロジーを活用しながら地域の発展や課題解決に取り組むスマートシティのモデルケースの構築を主に竹芝エリアにて取り組んでおり、現在も模索中という段階です。その中で最近感じていることは、スマートシティの本質は、「人々の生活をより豊かにする、快適にする」ということです。

確かに近年の科学技術の発展は目覚ましく、これらを上手に活用すれば、SFのような近未来的な都市を創ることはできるでしょう。しかし、それらテクノロジーを使うことに集中しすぎており、人々の快適さを追求することが世間全体で置き去りにされている部分も感じます。

テクノロジーはスマートシティの手段であって、あくまで人々の生活を快適にすることが目的であるという考えを大事にし、スマートシティ構想に取り組んでいく所存です。

関)
なるほど。我々もその視点は大事にしていきたいと思います。また、ドローンの物流はもちろんですが、空飛ぶクルマで人の移動が可能になると、特に大都市圏では渋滞解消という観点で人々の生活を一層快適にできると思います。日本の東京はまだマシな方ですが、アメリカのロサンゼルスやインドのムンバイ等では、交通渋滞が大きな社会問題となっています。空飛ぶクルマを使って街をスマート化する取り組みは、世界中にインパクトを与えることができるでしょう。

3.渋谷・竹芝エリアにおけるドローンの可能性

質問)竹芝エリアや渋谷エリアにおいて、ドローンはどのような可能性があると思いますか?

鮫島様)
移動手段という観点からすると、将来的には、移動の選択肢が増えていくと考えています。具体的には2次元に加え3次元の移動がより存在感を増していくだろうと。既に長距離の3次元移動においては飛行機が独占している状況ですが、これまで車や電車、船で移動するレベルだった近・中距離移動も、ドローンや空飛ぶクルマによって3次元化していくだろうと考えています。今のヘリコプターとかはそれに近いですが、操縦等プロフェッショナルの方でないと難しいですよね。それがドローンとかであれば、より一般化・大衆化できるのではないかという仮説を持っております。

空飛ぶクルマにおける機体に関しては、実装できる段階に近いものだと考えています。既に飛行機やヘリコプター、ドローン等、飛行するものはたくさんありますから。

エリアの順番に関して、私は竹芝エリアでまずは実証実験を繰り返していくのが良いと考えています。竹芝は海沿いですので、万が一なにかあっても被害を最小限に抑えることができますから。航路に関しては、竹芝〜羽田空港、竹芝〜伊豆大島などに広げていきたいものです。

あとは航空管制システムがより洗練され安全性が確保されると同時に、規制が緩和されていく必要がありますね。

関)
おっしゃる通りです。今年から有人地帯における目視外飛行(レベル4)の解禁によって、規制上は渋谷等の大都会でもドローンを目視外で飛ばすことが可能になります。また、我々は大阪府の「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」に採択されており、空飛ぶクルマやヘリコプター、ドローンが安全かつ効率的に飛行できるよう、実証実験を繰り返している段階です。例えば渋谷ソラスタの屋上から空飛ぶクルマが離発着するような世界を2020年代後半から2030年代前半ごろに実現できるよう、開発を進めています。

空飛ぶクルマの開発が進んでいる中国では、既に遊覧飛行等の娯楽サービスは開始されていて、2024年に商業化すると公言していますし、我々も遅れをとらないようにはしたいものです。

空飛ぶクルマというとどうしても近未来的で想像するのが難しいですが、実際には有人気ヘリコプターが電動かつ無人状態になると想像してもらえると分かりやすいですね。電動化するとヘリコプターと比較して騒音レベルが1/100になるため、近隣住民の方への影響も抑えることができます。また、垂直に離発着するので飛行場のオペレーションもスムーズになります。

社会としては、新しいものに対してネガティブなイメージを持ってしまいがちですから、そうしたイメージを少しでも払拭できるように全力を注ぎたいです。

イギリスではあまり航空管制システムが整っていない状態で一度事故が発生してしまい、その後に規制が整っていくという流れがありました。つまりUTMなしでは絶対に事故が起きてしまいますので、日本では事故を未然に防ぐためにも同システムの開発には皆様のご理解とご協力が必要ですし、航空管制システムの重要性を社会に訴えていきたいと思います。

鮫島様)
そうですね。そのためにも我々としては、竹芝エリアで実証実験を繰り返しながら実績をしっかり積んでいき、その後に渋谷のような密集地帯で展開できれば良いのかなと。その流れで一般の方含む関係者の皆様から信頼を獲得していきたいですね。

4.弊社への期待

質問)本出資を受け、弊社にどのようなご期待をお持ちでしょうか?

鮫島様)
これから人々の生活をより快適にしていくうえで、ドローンは非常に有効な手段となると思いますので、ドローンが当たり前に街中を飛び回る世界を作るために協力していきたいと思います。一方、やはりまちづくりは行政の協力があってのものなので、ドローン事業に対する彼らの信頼を獲得していきたいと思います。

我々は新型コロナウイルスが流行する前、エリアマネジメントの一環として地元の官民が一体となり、渋谷のハチ公前で年明けカウントダウンイベントを企画しておりました。当初は治安上の懸念点が多かったため、反対意見も多かったのですが、渋谷区のご英断もあり、一度やってみようという形で実施されました。その結果、無事に企画を運営することができ、警察の方も安全面が確保できることが判明しましたので、それ以降同イベントが許容されたという事がありました。それと同様、まずは実績を作って安全性を知ってもらうことが必要ですので、実績を作っていけるよう貴社と引き続き協力していきたいと思います。

また、エリアマネジメントという形で、地域の活性化を目的としたソフトコンテンツも作っており、その過程で地域の方と関係性を築いております。そのため、街でドローンを飛ばすために彼らの協力が必要な際も、まちづくりの一環としてぜひ連携させて頂きたいと思います。

今回は、首都圏においてドローンや空飛ぶクルマがどのように社会実装されていくのか、お話いただきました。お2人ともありがとうございました!

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