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事業の“健康状態”を数値で定点観測する、という話

「へっぽこマーケターの日々」第46回(前回は3/20更新)。

今回は、経営戦略に関わる数値のモニタリングについて。前回のnoteに書いていた、タスクと論点の整理についてはまた後日まとめる。

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戦略とはリソースの使い方の方針

戦略とは大まかに言えば、やること・やらないことを決め、何にどれほどの人員を割くかという経営資源の振り分けを考えるという側面がある。

また、戦略は企業のミッションやビジョンの達成の手段である。よってこれを考えるには全体感を持つことが必要となり、役割分担としてマネージャー以上の立場が担うことになる。

そこで、今回はマネージャー目線でどんな指標をモニタリングすべきか、コルクの執行役員と今日ディスカッションしたことをまとめてみる。

また指標が明確になることで、マネージャーと現場スタッフの目線をそろえる共通言語にもなる。つまりとても有用なのだ。

指標のモニタリングは謂わば健康状態のチェック

マネージャーがモニタリングすることを子どもの発育チェックにたとえてみる(今日話した執行役員もちょうど乳児の子育て中)。

小さな子どもは適切に発育しているかを頻繁にモニタリングされている。身長や体重や言語能力、体力などが、「●歳の標準数値との比較」によって適切かどうかが診断される。何か異常値があればその都度、原因を深掘りするのだ。

今回のマネージャーの数値のモニタリングもまさしくそうだ。目的達成における現状の健康状態を確認するためである。

目的達成とは

企業活動の目的の根本は、「ミッションの達成」「ビジョンの達成」となる。

これを基に戦略を考え、やること・やらないことを決め、何にどれほどの人員を割くかという経営資源の振り分けを考えるのだ。

つまり、「これをやったら、我々はビジョン/ミッションの実現に近づく」という方向性が決まるのである。

目的達成のために現場スタッフがすること

読者への前提の共有として、コルクの現場スタッフの代表である作家担当の役割についてまとめてみる。

コルクには作家ごとにエージェント=作家担当が付く。彼らは編集者を名乗っているが、それに限らず、企業案件やメディア運営、マネタイズなど、本当に多岐に渡る仕事を抱えている。

そういった仕事を大きく分けると、

・作品作り
・認知拡大
・濃いファン化
・マネタイズ

の4分類となる。

つまり、彼らはこれらの業務を遂行することで、前述の「ミッション/ビジョンの実現に近づく」こと求められている。
(もちろん職種が違っても、これは同じだ)

業務と目的達成の関係性を可視化する

今回取り組んでいる、マネージャーによる数値のモニタリングは、この見出しにあたる。しかし、作家担当にはさまざまな業務がある。彼らの業務のどんな数値を追えばよいのだろうか。

そもそも指標が多すぎても、忙しいマネージャー陣の議論を阻害してしまう。ある程度絞る必要がある。

企業の成長と、人のマネジメントという視点で見れば、「現状の方向性で業務が遂行されているか」「現状やってることがどんな結果を生んでいるのか」を最低限追えればよいのではないだろうか。異常値が見つかれば都度、深掘りすればよい。

指標を絞ることの妥当性

絞るというジャッジはそんなに雑なことではないはずだ。なぜなら、多くの数値同士は独立ではなく相関があり得る。よって、相関のある数値同士の片方を見るだけでも、数値を追うには足り得る(片方か増えれば、もう片方も増えるのが相関関係なので)。

相関や独立に関しては、理想はしっかり重回帰分析をやっていることである?しかし解析せずとも「相関があって当たり前」という変数は経験からもわかるだろう、という目測である。

コルクの現状の課題に基づき指標を絞る

ではどの数値に絞ってモニタリングするのか。
現状の方針としては、前述の業務カテゴリである

・作品作り
・認知拡大
・濃いファン化
・マネタイズ

の内、「認知拡大」が特に課題ということとされている。

情報爆発時代においては、生活者のマインドシェアや可処分時間を多くのメディアが奪い合っている。情報爆発によりマスプロモーションもインパクトが減り、そんな状況下で作品を手に取る人を増やすのはかなりハードルが高い。

また、認知拡大が裾野の拡大ならば、実際にそれを元手にマネタイズすることも必要だ。それは書籍かもしれないし、グッズかもしれない。

つまり、
・ファンコミュニティ全体の拡大
・ファンコミュニティのマネタイズ
の2つにモニタリングの目的は絞られる。

以上を基に、では具体的にどんな数値を取るのかは、ここから考える。

わたしをサポートしたつもりになって、自分を甘やかしてください。