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コミュニティの質を左右する「タイミング」、という話

「へっぽこマーケターの日々」第34回(前回は3/5更新)。

コルクは編集者の会社でしょ、と言われるがそうではない

Create…時代性のある、本質的な物語を生み出し続ける
Connect…ファンとクリエイターが直接繋がる社会をつくる
Realize…物語に宿っている、世の中を変える力を顕在化する

というコルクの3つのビジョンにあるように、「作る」だけではなく、「繋げる」「広げる」という活動も行っている。

その代表的なチャレンジが有料ファンコミュニティの運営だ。

ちなみに代表の佐渡島さんが『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜』というコミュニティ本も出版している。

しかしコミュニティは、コンビニのお弁当の味と違って、質が安定しにくいように感じる(もちろんお弁当の味の安定化にもかなりの投資あったはずで、安定させるのが簡単と言ってるわけではない)。

質が安定しないのは、人間関係がコミュニティの質を左右するからだろう。学校や会社であるようなn対nのコミュニケーションによって、誰が好きとか苦手というのがどうしても起きてしまう。

もちろん人間関係だけでコミュニティの質が決まるわけではなく、目指すビジョンや活動内容も変数だろう。

それでもやはり人間関係の占める割合は大きいのではないだろうか。
(こう考えるのは、日ごろコミュニティ運営に関わる同僚たちの話や、自分自身の体験の影響が大きい)

居心地をよくする、「期待値調整」と「離脱ポイント」

人間関係とは、大雑把に言えば「居心地」と近いものがあると思う。居心地≒人間関係のよい場を作り、維持する。それには「入る人」と「場」のマッチ度を高めることもひとつの手なのではないか。

その文脈で、コルクでよく話題に上がるのが「期待値調整」だ。コミュニティに入る前と後で感じるギャップのコントロールである。相手に何をどう伝えるかによって、期待値は下がったり上がったりする。

もちろん、入る前の人の期待値をコントロールしても、ミスマッチが起きてしまい、人間関係のしんどさに繋がる可能性もある。

そこで、最近知見として貯めようとしていることが「離脱ポイント」だ。「やっぱり合わないな(だから辞めよう)」と本人が気づける「タイミング」を作るイメージだ。
(もちろん、辞めるように追い込むようなしかけのことではない)

たとえばコルクラボでは、説明会で「受け身では得るものがないコミュニティ」であることを新規メンバーに伝える。これにより、たとえば誰かに憧れて盲目的に入会したが「何か教えてくれるんじゃないか」という期待をしている人は「なんだか違うのかもしれない」と気づくことができる。

コミュニティ加入後の話がマーケなのかと思う人もいるかもしれない。しかし、有料コミュニティは月額のサブスクなので、継続してもらうためのマーケティングも必要になる。商品を買ってもらうだけとは異なり、買って終わりではないのだ。

ミスマッチを減らすというのは、同質化を推進するということではない。現にコルクラボは20〜60代のメンバーが在籍しており、興味関心や職業もさまざまだ。

居心地がよいと感じてくれるように、すなわりコミュニティの価値を感じてくれるように、何ができるかを今後も考えていきたい。

わたしをサポートしたつもりになって、自分を甘やかしてください。