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#1636 ネガティブフィードバックのポイントまとめ

今回は、難波猛氏の著書『ネガティブフィードバック』から学んだことを整理していく。

・「怒る」「叱る」が一方的なコミュニケーションであるのに対し、「ネガティブフィードバック」は双方向の合意を目指す対話型コミュニケーションである。
「怒る」「叱る」が「人」を変えようとしているのに対し、「ネガティブフィードバック」は「問題やギャップ」を解決しようとする。
そのため、部下に「内省」が生まれ、変容につながりやすい。
「フィードフォワード」であり、「未来志向」である。

・ネガティブフィードバックでは、「解決すべきギャップ」に焦点を当てる。(能力のズレ、認識のズレ)

・「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」は車の両輪である。
互いに連動させるべきである。
最初に関わる回数を増やしていくと、徐々に「任せる割合」が多くなる。

・部下が変容するまでのフェーズ
➀否定フェーズ(認知的不協和が生じる)
②抵抗フェーズ(傾聴が重要となる)
③探求フェーズ(具体的方法を考える)
④決意フェーズ(方法を実践していく)

・ネガティブフィードバックの価値
➀組織のため
②部下本人のため
③周りのため
④上司自身のため

・ネガティブフィードバックでは、「できない理由」ではなく「やらない目的」を重視する。
最終的に「やるか」「やらないか」は自分の意志で決める。
部下に敬意や関心をもって行う。

・ギャップを整理するフレームワーク
➀WILL:やりたいこと
→上司が部下のWILLを知ることが最重要である。
→上司が自己開示し、質問していく。
②MUST:やるべきこと
→上司側のMUSTを明確に伝えて、すり合わせをする。
③CAN:できること
→「必要な能力」について問いかけていく

・ネガティブフィードバックでは、「何を言うか」よりも「誰が言うか」が重要となる。
日頃から「ポジティブ:ネガティブ=4:1」になるようにする。
➀リフレーミングで「ほめどころ」を見つける
②プロセスをほめる
③面談は短期的サイクルで行う
④日頃からネガティブフィードバックを入れておく
⑤ネガティブフィードバックの項目は1つに絞る

・5つのマインドセット ※エモーショナル
➀嫌われることを覚悟する(課題の分離)
②部下の可能性には期待するが、100%思い通りの行動は期待しない
③感情をこめるが感情的にならない(相手軸の感情>自分軸の感情)
④真剣に業務に取り組む(言行一致)
⑤自分で決める(納得して本心で語る)

・5つのスキルセット ※ロジカル
➀合意を得る
→「面談を行うこと」「ギャップについて話し合うこと」「ギャップが存在すること」「改善していくこと」「行動計画を立てること」
②不協和を創る
→ネガティブな反応は行動変容につながるサイン
③無理に面談をきれいに終わらせない
→わざと未完成で終わる(ツァイガルニク効果)、
「わかった」と言われたらどう理解したのかを聞く
④話すより聴く(傾聴)
→「説得」「論破」「フォロー」をしない、
「沈黙」の時間をつくる
⑤諦める(明らかに見極める)
→一定期間本気で向き合う、ダメなら諦める

・ネガティブフィードバックの面談ステップ
➀「自己認識」を聞く
②「上司の認識」を伝える
③「ギャップの存在と解決」に合意を得る
④「ギャップを埋める行動計画」を共に考える
⑤「本人主導で考えた行動計画」を継続的にフォローする

・パワハラにならない伝え方のポイント
➀「性格」ではなく「行動」「事実」について話す
②エモーショナルなコミュニケーションをする(言葉より態度)
③アンガーマネジメントを身に付ける

・ナラティブアプローチ:部下側のWILLと上司側のMUSTが折り合う部分を、双方で探す対話型アプローチ
上司側のMUSTを一方的に押し付ける説得型アプローチはNG

・ボスマネジメント(上司へのネガティブフィードバック)のポイント
➀自分のWILLを言語化する
②上司のWILL(MUST)を傾聴する
③両者が重なる状態へ建設的に交渉する
④上司に感謝を伝える
⑤交渉力を準備する


以上、「ネガティブフィードバック」のポイントを整理した。

学級担任をしていると、学級全体や子ども個人に「耳の痛い話」を伝えなければいけない場面がある。

子どもだからといって遠慮なく叱ってしまうと、「信頼関係」を損ねることにつながる。

そこで必要になるのが、今回の記事で紹介した「ネガティブフィードバック」である。

一方的に子どもたちに「改善点」を伝えるのではなく、「ギャップ」を埋めるために対話をしていくことが重要となる。

特に未熟な小学生たちには、存在する「ギャップ」に気づかないことが多い。

そこで教師が「ギャップ」を言語化・可視化し、それを埋めるためにどうすればよいかを共に考えていくようにする。

まさに「学級経営にもってこい」の内容であった。

ぜひ、今後の実践に生かしていきたい。

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