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#1573 多元的価値観による学級経営

人間には,その人特有の価値観がある。

「活発であるべき」「誠実であるべき」など。

そのような一元的な価値観で,他者を認知することにより,自分にとって「好意的か否か」を判断するようになる。

これは教育現場でも当てはまる。

教師には「期待」や「価値観」などがあり,それによって子どもたちを認知する。

教師に期待される子どもや教師の理想像に近い子どもは,その恩恵を受け,それ以外の子どもは悪影響を受ける。

教師が「速く学習できる方が良い」「テストの点数の高い方が良い」「教師の指示に従う方が良い」と考えているのであれば,それらに当てはまる子ども以外は,その個性を認められないことになる。

これは公教育において,あってはならないことである。

しかし,社会における人間関係や学校現場において,このような問題が起きているのは,人間が「自分の価値観を中心にして生きる存在」であるからと言える。

これを改善しなければならない。

大切なことは,自分の中で大切にしたい価値観はもちつつも,それを「他者にも当てはめようとしない」「自分と他者は別の存在である」と自覚することである。

「速く学習できることも子どもの個性」
「ゆっくり学習することも子どもの個性」
「教師の話をよく聞くことも子どもの個性」
「指示に従わず,自己主張が強いことも子どもの個性」
と全ての個性を受け入れることである。

多様性を尊重することである。

自分と他者は別の存在であると「課題の分離」をすることである。

このマインドセットをもつことができれば,「自分に合う,合わない」「理想に近い,遠い」「好き,嫌い」のような判断はしなくなるはずである。

そして,子どもたち一人ひとりが抱く「こうなりたい」「こんな自分でいたい」を尊重するようになる。

さらに,その子どもの得意分野を伸ばしていこうとする。

学び方の得意を尊重していく。

ノートに書いてもいいし,ICTを活用してもいいし,自分一人で取り組んでもいいし,友達と助け合いながら取り組んでもいい。

一元的な学び方を押し付けるのではなく,多様な学び方を尊重する。

子どもの個性的な成長・発達を支援する存在になることができる。

これからは「個別最適な教育」が求められる時代である。

一元的な価値観で子どもたちを引っ張るのではなく,多元的な価値観で子どもを認知し,その個性的な成長を支援する教師でありたい。

では。

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