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#102 好みは人それぞれ

多様性の尊重が叫ばれるようになっている。

教師がそれを繰り返すことは簡単だろう。

しかし子どもからすれば、同じことを言われるばかりで思考停止になってしまう。

そもそも、多様性を尊重しようと伝えるだけで、その大切さを理解できる子どもなどいない。

やはり実感を伴った理解が大切である。

ではどんな実感を与えればよいのか。

今回は2つのアプローチを考えてみる。

まず、苦手なことや障害、言語の違いなどが人それぞれ異なるというような、マイナス面の多様性に目を向けさせることが考えられる。

確かに、人はそれぞれマイナス面などのハンディキャップやコンプレックスをもっているので、多様性を尊重していかなければならないと子どもは気づくかもしれない。

しかし、このアプローチは危険である。

マイナス面は人によって扱ってほしくないデリケートな問題である場合がある。

また、そのマイナス面が他の人と比べて明らかに異なっている場合、いじめにつながる恐れがある。

日本の学級に外国にルーツのある子どもが入ってくる例がそれに当たる。

やはり言語や見た目の壁は大きく、どうしても共生しようと思わない子どもが出てくる可能性がある。

そこで2つ目のアプローチを考える。

それは趣味や好きなこと、やってみたいことなど、プラス面の多様性に気づかせるということである。

好みは1人1人違っていいことだし、そこからいじめが起きることも滅多にないと言える。

また好みややってみたいことは多様性だけでなく、共通性が生まれることもある。

やってみたいことの共通性を生かすと、オリジナルの係活動が作られるかもしれない。

このようにプラス面の多様性に気づかせることで、人によって好み、心情、性格が違うことを実感を伴って理解させることができる。

多様性を実感させるときは、プラス面に目を向けさせるようにしていきたい。

では。

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