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#1403 概念的理解と帰納的アプローチ

これからの時代、「事実的知識」の網羅的学習は意味をなさない。

重視すべきは、「概念的理解」を目指した看破的学習である。

概念的理解をすることが、「学習の転移」を生むので、知識を実生活や実社会に生かしていくことができる。

では、概念的理解とはどのように実現されるのか?

その鍵は「帰納的アプローチ(概念型学習)」である。

従来までの学習指導では、
①概念的理解
②本質的理解(原理・一般化)
③高次の思考(概念)
④低次の思考(事実)
という上からの順番で「演繹的」に指導していた。

しかし、これでは概念を本質的に理解することはできない。

「帰納的アプローチ」では、
①低次の思考(事実)②高次の思考(概念)
を行ったり来たりする「相乗的思考」を重視する。

そこから
③本質的理解(原理・一般化)に至り、
④概念的理解
が実現する。

「演繹的アプローチ」とは真逆の流れなのである。

「帰納的アプローチ」により、子どもは概念的理解に到達し、他の文脈でも「学習の転移」を実現することができるようになる。

そのためには、教師が教科書に網羅されているような「事実」だけに着目するのではなく、隠されている「概念」を見出す必要がある。

そして、永続的理解を促すような「一般化」を想定し、子どもがどのような概念的理解に到達すればよいかを想定する。

そのような教材研究がなされなければ、概念的理解を生む帰納的アプローチは実現できない。

教師が常に「概念」を想定しておくことが、コンピテンシーベースの授業の基本になるのである。

これからは上記のことを念頭に置き、授業構想をするようにしたい。

では。

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