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#1711 探究するための思考の技法【道徳科】

今回は、坂本哲彦氏の『「探究する道徳科授業」のための思考の技法』からの学びを整理する。

1 思考の技法

【手段的技法】

1 比較
① 共通点:「共通しているものは何?」
② 相違点:「それぞれの~(価値)の違いは何?」
③ 順序付け:「ランキングにしよう」

2 選択
④ 納得:「どの意見・理由に納得する?」
⑤ 善悪・当為:「~はよかった?」→「この後、どうしたらいい?」
⑥ 好悪・得意:「どの考えが好き?」「どれが得意?」

3 抽象化
⑦ 一般化:「これらのことから、何がわかる?」
⑧ 簡潔化:「学んだことを〇文で書いてみよう」
⑨ 仮定:「もしも~ならどうなる?」「もしも~ならどんなよさがある?」

4 具体化 ※小見出しをつける
⑩例示:「自分も~なことはある?」
⑪分割:思考ツールなどで考えを分割する
⑫関係:関係やつながりを矢印で示す

5 検討結果
⑬ 見通し:「どちらがどうなのか?」「今後どうすればいいか?」
⑭ 原因:「本当の原因は何だろう?」
⑮ 損得:「それは~にとって損なの?得なの?」

【目的的技法】

6 課題把握
⑯ 問題点:「~の問題は何?」
⑰ 対立点:「何と何が対立している?」
⑱ 関心事:「どこに関心がある?理由は?」

7 想起
⑲ 経験想起:「あなたも~ということがある?」
⑳ 知識想起:「~を知っている?」
㉑ 思考想起:「~について、これまで考えたことある?」

8 人の理解
㉒ 人物理解:「~(登場人物)をどう思う?」
㉓ 他者理解:自分とは違う意見の友達の考えを理解する
㉔ 人間理解:人間がもつ「弱さ」「強さ」を理解する

9 自己理解
㉕ 自分のよさ:「あなたはどんな~(価値)をもっている?」
㉖ 自分の不十分さ:不十分な自己の自覚→伸びようとしている自己の自覚
㉗ 前向きな気持ち:「よさ」と「不十分さ」を理解した上で前向きに考える

10 身体表現化
㉘ 動作化:心情や場面の状況を理解するために身体化する
㉙ 役割演技:登場人物の言動を即興的に演技して考える
㉚ 道徳的行為:導入場面で、通常の道徳的行為を身体化する

2 思考の技法の活用方法

・教師の活用方法
➀教材研究の視点に活用
②教材から抽出する道徳的価値(観)の設定に活用
③中心発問と問い返し発問に活用
④他の道徳科授業との関連を考える際に活用

・子どもの活用に向けて
➀終末に活用した「思考の技法」について振り返りを促す
②教師が発問するときに「思考の技法」を示す
③「今回はどうやって考える?」と問う場面や内容を問う
④子どもが自然に「思考の技法」を使ったときに価値付ける

3 探究する道徳科授業にするために

・学習課題の取り扱い方
➀事前に子どもの問題意識を把握し、教師が取り上げたい学習課題と重なるようにする。
②子どもが考えた個人の学習課題と教師が提示する学習課題の関連性をもたせた上で、両方について解決していく。

・学習活動の複線化
(1)学習相手選択
 ➀事前配慮なし ②人数や時間の指定 ③意見の一覧での共有後
(2)学習箇所選択
 →考えたい「教材の場面」選択
(3)学習方法選択
 ①道徳スケール ②手紙形式 ③吹き出し ④鉛筆対談 ⑤マッピング
(4)教材選択
 →単元的な学習後に、再度じっくりと考えたい教材を選ぶ
(5)指導者選択
 →TTの授業

以上が書籍からの学びである。

探究する道徳科授業を構想する際に、活用していきたい。

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