#1420 三次元カリキュラム
「一次元カリキュラム」とは、「教えるべき正統な理論・真理」のみで構成されているカリキュラムである。
絶対的知識が先にあり、それを「教師視点」で「演繹法」により伝達することを主とする。
これは、講義形式の伝統的な一斉授業型の教育観である。
「二次元カリキュラム」とは、「経験に基づいた真実」「経験に基づいたスキル」という2つの軸で構成されるカリキュラムである。
子どもの経験や学習が出発点であり、そこから「事実」「スキル」を習得していく。
つまり「経験主義」であり、「子ども起点」で「帰納法」により知識を習得していくことを主とする。
「三次元カリキュラム」とは、「事実」「スキル」「概念」という3つの軸で構成されるカリキュラムである。
このようなカリキュラムでは、「演繹法」と「帰納法」の往復が重視される。
学習は「子ども起点」であり、教師は子どもの学習を支援する立場となる。
学習の動きは「上から」と「下から」の2つが存在する。
「上から」の動きとして、教師は教科内容の概念を規定することから始める。
これは「概念レンズ」「重要概念」「中核的概念」などと呼ばれる。
また、「概念に関する問い」を活用することも有効である。
このような概念をもとに、高次処理(演繹的思考)をして、具体的な事例を学んでいく。
また、「下から」の動きとして、子どもの経験や既習から始めることを重視する。
このような子ども中心の学習を通して、低次処理(帰納的思考)をして、概念を理解したり、一般化を図ったりしていく。
つまり「演繹的思考」と「帰納的思考」により、事実と概念の間を行ったり来たりする「相乗的思考」をすることになる。
これにより、学習成果つまり発達を実現することができるのだ。
上記のような三次元カリキュラムを導入することで、子どもは「一般化」「永続的理解」に到達することができる。
三次元カリキュラムは構想が大変難しい。
しかし、これを導入することで、子どもの概念的理解を促し、コンピテンシーを育成していくことができる。
ぜひとも、三次元カリキュラムの構想に挑戦していきたい。
では。
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