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【ゆっくり解説】Summer Bush Fest 2023の見どころ #1

2023.09.17.SUN at SUNHALL
古今東西宇宙大戦争

Erolin(以下、E):毎度テキストのオファーいただき光栄です、京都でBURNING SIGNNODAYSOFFというバンドを、あとSMDcrewBACK YARD ZINE/RECORDSなど色々やっているErolinです。

仕切田ドン(以下、ド):どうも初登場になります、BACK YARD ZINE司会の仕切田ドンです。

BACK YARD ZINE
解説:EROLIN(左) & 仕切田ドン(右)
画:daichang55

E:ドンさんどうも。皆んなお世話になってます。

ド:俺は大したことしてないよ。髪切った?

E:そうっすね、1ヶ月ほど前に。ってかもうその入り飽きましたよ。

ド:まぁそう言わないで。しかし今年も凄いラインナップだね。

E:コロナ明けで久々となる来日勢はもちろんのこと、北海道から沖縄、文字通りの北から南までスキ無しですね。よく名前の知られてるバンドから、アップカマーな若手まで総勢19バンド+DJが3名、さらにレコ屋ブースやヘアサロンブース、フランクフルトの販売などもあるっていう。

■各種チケットinfo
・Tシャツ付き:https://blackdots1979.com/?pid=176173789
・ロンT付き:https://blackdots1979.com/?pid=176174159
・チケットぴあ:P-code:249-575
・LAWSONチケット:L-code:53596
・e+ https://eplus.jp/sf/detail/3922750001-P0030001P021001?P1=1221

ド:お祭りだね~。今回はその見どころを2人で話す感じで。ところでタイトルに「ゆっくり解説」ってあるけど、YouTubeとかでよくあるやつ、あれ割と早口に聞こえるのは歳のせい?

E:若者はすぐタイパとか言いますからね。まぁ一言でいうたらオッさんやん。めっちゃオッさんやん。。。


■SUMMER BASH FESTとは?

ド:まずさ、よく知らない人にも分かるようにSUMMER BASH FESTの説明を簡単にしてみてよ。

E:バンドの紹介たくさんしないといけないので、ザックリ駆け足でいきますね。まずイベントとしては元々はPIT DOGG FILESという名前で、今はお店がBLACK DOTSに変わりましたが、SANDのMAKOTOさんが手掛けるアパレルブランド、AFTERBASEプレゼンツのハードコアイベントで、確か2000年代半ば~後半くらいにスタートしたはず。

ド:そうなんだね。SUMMER BASH FESTに変わったのは?

E:たぶんSUMMER BASHという名前がついたのは2012年のイベントかなと。ちなみに自分もBURNING SIGNで出た回だったんですが、いま見てもムチャなメンツすぎるっていう(笑)この回も含めて、その後の数年はP.D.F=PIT DOGG FILESの冠も並行してついてましたが、夏恒例の大規模イベントとしてはFREESTYLE OUTRO’がひと段落した後、SUMMER BASH FESTの名前に移行していった感じかなと。コロナ禍で少し間が空きつつも、直近の数回は9月のシルバーウィークに開催されてますね。

アルティメットバトル2012

ド:晩夏の風物詩。日本の夏、大阪の夏、ハードコアの夏~ってか。

E:はいはい、じゃあバンドの話いきますね。

ド:塩対応だねぇ・・・。


■来日2バンドについて

ド:今回はアメリカから2つバンドが来るんだね。PAIN OF TRUTHとSUNAMI。この人たちはどんなバンド?

PAIN OF TRUTH
SUNAMI

E:両方とも現行アメリカのメタリックなハードコアバンドではトップクラスの実力/人気があって、今回がともに初来日。お互いまだ結成してから数年とキャリアは短いんですが、海外の大きなハードコアフェスではハイライトのような盛り上がりを見せることも珍しくなくて。さらに両バンドとも来日前にアルバムがリリースされたりだとか、フレッシュなトピックも豊富で正にジャストナウというか。これ以上ないくらいのタイミングで来日するんですよね。

ド:ほぉ~それは凄そうな。いま旬の海外バンドが観れるっていうのはお得感もあるし嬉しいもんだね。

E:そうなんですよ。ササッと短期間で解散しちゃうようなバンドもいますからね。いま海外ではメタリックなハードコアが少し異常な規模で盛り上がってますが、その空気感を真空パックで観ることができる貴重な機会なのは間違いないかなと。ちなみに2バンドともにDAZEというレーベルに所属(※SUNAMIはTriple B Recordsからもリリース)。日本ではsuper structureや、今回出演のVIEW FROM THE SOYUZなどもリリースしていたりして、近年の現行海外ハードコアでは破竹の勢いがあります。

ド:それぞれのバンドの特徴は?

■PAIN OF TRUTH

E:PAIN OF TRUTHはザ・タフガイ!って感じですね。筋肉とグルーヴ。ストレートアップな楽曲、ヘビー&ストンプ、ラッピンでシンガロング全開。90's黄金期の古き良きNYHC~EAST COAST HCへの愛情、かつ美味しいとこどり&アップデート。下に貼ったTIHC2022のライブ動画ではCROWN OF THORNZのJuggernautイントロカバーから始まりますが、そういったところからも分かります。メンバーの雰囲気も、いかにもハードコアキッズ上がりって感じが丸出しで凄く良くて。地元はNYのロングアイランドなんですけど、少し昔のバンドで有名どころならVISION OF DISORDER、ちょっと最近ならKING NINEなどが出身の地域ですね。

ド:こりゃいいね~!曲もノリやすいし。ボーカルの立ち振る舞いもいいね、いかつくて華があって。

E:サウンドにバンドのスタイルが上手くハマってるというか。バンドのロゴとかそういう部分も含め、タフガイなハードコアバンドとして世界観が仕上がってるんですよね。ある意味で理想的というか。羨ましいと思ってる人が世界中にいると思います。アルバムも9/8にリリースされるとかでタイミングもバッチリです。

■PAIN OF TRUTH
Instagram:https://www.instagram.com/painoftruthnortheasthardcore/
Twitter:https://twitter.com/painoftruthhc
HP:https://painoftruth.bigcartel.com/
Bandcamp:https://dazestyle.bandcamp.com/album/not-through-blood


■SUNAMI

ド:憧れの存在ってのは大事だよね。もう一つ、SUNAMIの方は?

E:SUNAMIはサウンド面でいうとデスメタル的な要素が強いバンドですね。各曲でよく出てくる鋭角なビートダウンパートもスラミング要素が強くて、金属感マシマシのハイピッチなスネアに2バスがドコドコ、ギターもズンズン+ピーピーのピッキングハーモニクス多用って感じで。でもそこに地元であるカリフォルニア(サンノゼ)のノリというか、どこか軽やかでスポーティーなノリが絶妙に絡み合ったバランスのハードコアサウンドになってるんですよね。

ド:CALIはいいよねCALIは。夏はやっぱりG-RAPだよ。

E:ハードコアの話してますんで・・・まぁ繋がらんこともない話ですけど。あとSUNAMIのルーツとして確実に影響を与えてると思うのが、彼ら自身が公言もしていて、カバーもしているANIMOSITYってバンドで。今思えば早すぎたカリフォルニア産GANGSTA風味デスメタル。2000~2005年くらいにグリルズぎらつかせて腕ブンまわしながらデスメタルやってたっていう。ややオタクの悪ノリ感もありましたけど。

ド:いま見てもフレッシュ感あるね~。確かに通じるノリだねこりゃ。

E:シブい。当時の京都ハードコア周辺でもこのバンドは特に人気ありました。あと来日もしたTHE RED CHORDとかね。デスコアってシンプルに括るには惜しいような個性。その辺りの当時のバンドを通ると、SUNAMIのことはより良く解釈できるんじゃないかなーと思ったりしてます。こちらも直近にはアルバムが出ましたし、バンドとしても脂がのったベストといえるタイミングでのパフォーマンスになるでしょう。

■SUNAMI
Instagram:https://www.instagram.com/sunami.408/
Twitter:https://twitter.com/SUNAMI408
Bandcamp:https://sunami408.bandcamp.com/

ド:温故知新だね。G-RAPもP-funkありきみたいなとこあるし。

E:ハードコアの話で例えてくださいよ。あと動画見てもらったら理解してもらいやすいと思いますが、2バンドとも個人的には音源よりライブの方がインパクトあるなと思ってて。もはや音源は誰でも迫力あるもの作りやすい時代になっちゃったんで、そういった音源を上回るほどのライブができるバンドは貴重だと思うんですよね。

ド:やっぱ生が1番ってね。ほらさ、俺とか生ダラ世代だし。もう!タカさんったら!つって。

E:・・・。


■Is Survived By

E:では国内バンドについて話していきましょうか。まずは北からIs Survived By。札幌のバンドですね。今回のラインナップでは最もキャリアの短いバンドになると思います。

色彩が良い

ド:に、人数が少ないね、正規メンバーが2人ってこと・・・?

E:いえいえ、なんとベースとドラム(ともにボーカル兼務)、2ピースのバンドなんですよ。そしてドラムのカンタくんはストレートエッジっていう。

ド:え~!それはそれは。め、珍しいんだよね??

E:いわゆるNYHCやメタリックなハードコアといった界隈では国内外含めてとても珍しいと思います。広い目で見れば、パートは問わず2ピースのバンド自体は割と存在するんですが。有名どころだとThe White Stripesや、他には先日に鮮烈なデビューを飾った東京のNegative SunもカバーしているLightning Boltなど。あとたまたま彼らと北海道で同郷ですが、LAUSBUBなんてバンドもいますね。

ド:なるほどそうなんだね。でもインパクトあるよね~。

E:ここで言うハードコアに近いところならIRON LUNGというパワーヴァイオレンスのバンドもいます。でも先にも話したように、2ピースのハードコアバンド、特にベースとドラムという構成はかなり珍しいかと。サウンド面も、いわゆるNYHC経由な面も確かに感じるのですが、激情系やパワーヴァイオレンスなど幅広い要素が交じりあって襲いかかってくる感じで。バンド名もTouché Amoréの名作アルバムが由来かな?と思ったり。

ド:北海道から来るとなると、本人たちも気合い入ってそうだね~。

E:もしかしたらオファーがきたことも意外だったかもしれません。でも前回/前々回のilskauniverse last a wardZETTONDIKTATOR、今回も出るPRESS ON AHEADなど、各地から鼻息荒く乗り込んでくるバンドたちはバチッとカマしてきた系譜がありますからね。伝統ある札幌シティハードコア。このIs Survived Byにも期待したいところです!

■Is Survived By
Instagram:https://www.instagram.com/issurvivedby_hc/
Twitter:https://twitter.com/isurviveby
YouTube:https://youtube.com/@issurvivedby1543
Listen:https://linkco.re/h7Qev6c8


■090

E:では次は最南端に飛んでみましょう。沖縄の090です。キャリアは先述のIs Survived Byとほぼ同じくらいですかね。最若手の一角です。

ひときわ目立つIRATE Tシャツ

ド:あらこれまた笑顔のキュートな3人組・・・も、もちろんハードコアのバンドなんですよね?

E:もちろん!自分が認識したのは遡ること数年前、TwitterのTLで「沖縄にIRATEのカバーをしている女子高生バンドがいる」という怪情報を目にしたのがキッカケでした。まさかと思いながら見てみると、IRATEのVendettaをカバーする可憐な女性たちの姿が・・・確かその時は日本の好きものオジさんたちだけでなく、遠く離れたIRATE本人たちにまでその衝撃が届いていた覚えがあります(笑)

ド:そりゃ凄い話だね~。本人たちもビックリしただろうね!

E:過去に来日してるので馴染みのある国とはいえ、それはたまげたでしょうね(笑)ちなみに下記のライブ動画ではオリジナルの楽曲と、IRATEに加えてBULLDOZEのカバーも披露しています。今回共演するPAYBACK BOYSギターのNGR氏のフルモッシュも確認できますね。オリジナルの曲も発展途上な面は見受けられますが、ルーツを強く感じさせるダンサブルなパートや豪快なビートダウンパートが散りばめられていて、フロアキラーな仕上がり満点です。国内に20人ほど生息するといわれているビートダウン原理主義者たちには是非注目してもらいたいですね。

ド:原理主義者の人数少なくない?(笑)あと、さっきの2ピースのIs Survived Byに続いて、この090も3ピースだね。このメンバー数が少ない感じはたまたま?

E:たまたまですね!北海道や沖縄、といった地域性はそこまで作用してるとも思えませんが、それもまた面白い現象だなと。楽器を持ちながらボーカルも務めるタイプのバンドは過去にもBIOHAZARDがいたり、最近ではKRUELTYもそのスタイルに移行しましたが、タフなNYHCスタイルのバンドは今も昔も珍しい存在だと思います。3ピースで頭に浮かんだのは初期のNAILSや、最近だとIngrown、国内だとDESERVE TO DIEなどいますが、いずれもNYHCの要素は多少あるものの、クラシックなスタイルではないですし。近いスタイルのバンドとなると自分はあまりスグ思いつかないですね。

ド:あんまりよく分かってないけど、バンドの人数が多い/少ないって何かメリットやデメリットみたいなものあるの?

E:一概には言えないんですけど、人数が少ない方が演奏は当然合わせやすいですね。タイトに演奏しやすい。特に弦楽器など人数が多ければ、それだけキッチリ合わせないといけなくなるので。アンプや音の数が多い=デカい音=強い音、ってわけでもないんですよ。シンプルで奥が深い。音の位相とかそういうのもありますし。俺はあんまり詳しくないですけど。

ド:そういうもんなんだね~人数多い方が迫力とか出しやすいのかと思ってた。

E:熱量がダイレクトに伝わりやすいのは少人数のバンドかもしれないな、などと最近思ったりすることは多いです。あと個人的にはEX-CとのEGHカバー対決も少し楽しみにしています。最南端からの刺客090、期待しましょう◎

■090
Instagram:https://www.instagram.com/090zeroninezero/
YouTube:https://www.youtube.com/@090okinawahc2


■PRESS ON AHEAD

E:なるべく駆け足でいきたいんですけど、愛が上回ってボリューム過多になってしまうんですよね。では北に戻ってお次が岩手盛岡のPRESS ON AHEAD。話題をかっさらった2019年以来、2度目の出演です。

Vo.TDRはEROLINや仕切田と同い年

ド:話題だったんだね。前回はどんな雰囲気だったの?

E:前回のライブの模様は【こちら】ですね。まさに鬼神のごときパフォーマンスで、イントロ明け1曲目の初っ端ビートダウンパートで勝負アリって感じでした。自分も初見で楽しみにしていたこともあり(同じようなお客さんも多かったんじゃないかと)、ずっとステージ脇でドキドキしながら見てましたが、ピットに入るのが怖いくらいの緊張感でしたね。20年くらいは近しいハードコアのライブを沢山観てきたわけですが、まだまだ知らない凄いバンドがいるもんだなと襟を正されました。

ド:歳を重ねてそんなフレッシュな気持ちになれるなんて素敵だねぇ。

E:そうなんですよ!しかも同年代のバンドに喰らわされるなんて、知らないバンドではここ最近だと中々なかったので。2000年結成とのことでキャリアは長かったんですが、大きな舞台とはあまり縁がなかったことも気合いの入る要因の一つだったんでしょう。とはいえバンド自体は去年に最高のアルバム「Blizzard Style Core」を出して最高点をさらに更新中。いま観てほしいのは最近のライブなので、それを下に貼っておきます。相変わらずアツイし、バンドとして仕上がりまくってる。そしてVo. TDRのカラダもめちゃくちゃ仕上がっている(笑)

ド:確かにカラダの仕上がりハンパないね(笑)でも確かにライブも良い。ヒリヒリしてるねぇ~。

E:さっきも言ったけど緊張感が凄いんですよねPOAのライブは。ビートダウンバンドには全くもってとどまらない独特で複雑な曲展開も相まって、本人たちもインタビューなどで意識していると話していた冷たさや厳しさみたいなものが他のバンドにはない表現になってると思います。当日も前回越えのパフォーマンスに期待ですね。

■PRESS ON AHEAD
Instagram:https://www.instagram.com/tdr_poa/
Twitter:https://twitter.com/POATDR
Listen:https://www.tunecore.co.jp/artists/pressonahead
STORE:https://pressonahead.stores.jp/


■LIFESTYLE

E:また南に飛びましょう、お次は鹿児島のフッドスター、LIFESTYLEです。

縦長アー写はインパクト抜群

ド:北、南、北、南と幅広いね~。彼らは見た感じ、結構ベテランかな?

E:そうですね!キャリアも20年近くになってきて、一時期は少しペースを落としてましたが最近になってまた活発に。7月には久々の単独作となるEP「MY LIFE IS MY LIFE」をHIPHOPのレーベルRC SLUMからリリースするなど、正に絶好調です。余計なものを削ぎ落としたクラシックスタイルなNYHCをベースに、YUKSTA-ILLのフィーチャリングやLEE “SCRATCH” PERRYのdubなどルードな遊び心を注入。これがまたシブいんですよ本当に。

「MY LIFE IS MY LIFE」

ド:大人の不良って感じの魅力があるね。どこか洒脱で、余白や色気を感じる。でも少年の心も忘れてない。ERAさんのシャラリ的な。

E:洒脱っていい言葉すね、なんか彼らにしっくりきます。新しいEPではシンプルなリフを延々とループさせたり、ジャカジャーンとパワーコードで伸ばしたり、歌い上げないような歌メロを乗せたりとか・・・そういうのってアレもコレもやりたい盛りの若いバンドとかは避けがちじゃないですか。でもLIFESTYLEにはそれをやる勇気と余裕がある。シンプルな分、リズムがグッと前に出て踊れる度合いが増してるようにも感じるんです。ここぞというパートではちゃんとギアも踏みますし。そういった良い意味での力の抜け感は、1stアルバムからの変化として大きな点かなと思ってます。

ド:なんだろ、上手く言えないけど海外のバンドっぽいんだよね。

E:ギターのYOHEYくんがアメリカに住んでたことも、上手くフィルターを通じて表現されているのかもしれませんね。また新しいEPに関するインタビューも上がると思いますが(※こちらインタビューupされました)、それもまたLIFESTYLEをより理解できる内容になっているかと。あとリーペリーのdubは、ライブでSKIT的な感じで聴くと最高なのでメチャ楽しみです!

■LIFESTYLE
Instagram:https://www.instagram.com/yoheylifestyle/
Twitter:https://twitter.com/dubbylifestyle
STORE:https://lifestylehc.thebase.in/


■ETERNAL B

E:ではここから東は東京のバンドが続きますね。まずは今回の最ベテランですかね?ETERNAL Bです。1995年結成なので、もはや30年近いキャリアになりますね。

個人的には近年増している
Vo.KENONEさんのジミーG感がたまりません

ド:すごい!もう今回出演してる若手の年齢よりも上なんじゃないの?

E:恐らく沢山そういう子いるでしょうね~!20代の子とかほぼそうなるかもしれません。しかし、ETERNAL Bではギターを弾いてるSENTAさんのNUMBもそうですが、東京ストリートOG勢のあの謎のフレッシュ感なんなんですかね?確かに歳は重ねてるんですが、圧倒的に感覚が若いというか。

ド:歳をとってるはずなのに。全く痛々しくない。

E:そうなんですよ。ETERNAL Bも古くからやっている曲をプレイすることも多々ありますが、本当に色褪せないし。Vo.KENONEさんのキャラクターや、定番となっているWARZONEのカバーも含めて、誰しもが童心に返ってしまうような魅力があるんですよ。あと、どこでもホームのライブにしてしまう力がある。

ド:信頼感や安心感、みたいなものなのかな。

E:少なからずそういうのもありそうですね。サウンド面は、WARZONEはもちろん、BREAKDOWNMURPHY’S LAWなどなど、80's~90'sのクラシックなNYHCがベースとなっていますが、今回のメンツでいえばBEYOND HATEやEX-Cにも通じるOi/SKINSの要素が、イベントのハイライトを作り出すような予感がしています。みんなで肩を寄せ合い大声でシンガロング、良いじゃないですか。

ド:モッシュやダイブだけじゃないっていうね。果たして予感は当たるのか?楽しみにしておくね。

■ETERNAL B
Instagram:https://www.instagram.com/eternal_b/
Twitter:https://twitter.com/ETERNAL_B
Listen:https://soundcloud.com/eternalb


■TIGER

E:さぁ西は大阪のバンドが続きます。まずはTIGER。2007年結成でもう全く若手という枠でもなくなり、中堅~ベテランといった立ち位置になりましたね。

消えないヤンチャ坊主感

ド:パッと見た感じはフレッシュなんだけどね。活動は15年越えかぁ。

E:ホントに隔世の感がありますよ、下手したら本人たちも思ってそうですが(笑)でも彼らはライブが上手い。空気をもっていくのが上手というか。そして自分もやるようになってから特に思うのは、Dr. BOMBちゃんの安定感ですね。TIGERは曲中にリズムチェンジとかキメが多いバンドだと思いますが、両手両足あのブレなさは凄いなぁと。フロント陣が伸び伸びやりやすいと思うんですよね。それがイケイケな楽曲のグルーヴ感を後押ししてるという。

ド:縁の下の力持ち。リズム隊がしっかりしてこそ踊れるからね。

E:彼はRAZING STAFFDEMISEでも叩いてますが、まさに屋台骨といった感じで。そして上のMVは8/30発売予定、東京のTHRHとのSPLIT CDに入る新曲ですね。Vo. KZKのラッピンな乗せが光る、持ち味全開な切れ味鋭いメタリックハードコア。往年のHATEBREEDなどはもちろんですけど、FOLSOMとかTRC、国内ならWIZ OWN BLISSみたいな感触があります。なんか複数ボーカルのバンド多めに挙げてしまいましたが。歌乗せの部分は、最近のインタビューでKZK自身も触れてましたね。

ド:ボーカルの乗せっていうのはこれまた奥深いよね~。俺が尊敬するボーカリストはやっぱり玉置浩二だな。ASKAも捨てがたいけど。

E:もしかしてドンさんちょっと飽きてきてます?

■TIGER
Instagram:https://www.instagram.com/tigerkzk/
Twitter:https://twitter.com/TIGER_KZK


■VIEW FROM THE SOYUZ

E:では東に戻って、東京のVIEW FROM THE SOYUZ。一旦このバンドで前編は最後にしたいと思います。

背景の壁画が宇宙感ある

ド:ソユーズってことはやっぱり宇宙好きなのかな?最近になって宇宙兄弟アタマから読み返してるんだよね。アレは良い漫画だ。

E:だからハードコアの話しましょうって。2021年結成とキャリアでいえば彼らも最若手の一角ながら、もはや懐かしさも感じる00'sメタルコアをハイエナジーに表現し、鬼高スキル&クオリティな楽曲、ライブ、音源で一気に頭角を現した感じですね。今年出したEPはKRUELTYズマくんのレーベルDEAD SKY RECORDINGSとともに、先述したDAZEからもリリースされるなど話題にも事欠きません。いまや正に引っ張りだこ状態で、今回の出演も文句なしといった感があります。メタル要素の高いスタイルではあるものの、ちゃんとハードコアのパッションをバチバチに感じさせるのが素晴らしいです。

ド:メタルとハードコアは近いようで水と油の部分もあるもんね。ちなみに俺は元々そこまでメタルを聴いてこなかったんだけど、MUNICIPAL WASTEで火がついたタイプ。

E:近接したジャンルなので無視はできませんし。入り口はみんなそれぞれですね。VIEW FROM THE SOYUZの音楽性をもう少し紐解いていくと、メロデスから派生したラインの00'sメタルコア~ハードコアが真ん中らへんにドーンとあって。AFTeRSHOCKとかを入れると90's後半からの流れも汲んでると思いますが。影響を強めに感じるのは、KILLSWITCH ENGAGEUNEARTHAS I LAY DYINGALL THAT REMAINSなどですかね?自分もあまり詳しくない年代にはなっちゃうのですが。攻撃的なSLAYERインフルエンスなリフ、ドラマチックな展開、豪快なブレイクダウン。3種の神器。

ド:そういえばギターリフを歌うお客さんがいるって噂を聞いたけど?

E:もはや噂でもなく東京じゃ毎回レベルらしいですよ。当日は自分もそれを見れるのひそかに期待してます。

■VIEW FROM THE SOYUZ
Instagram:https://www.instagram.com/vfts_freehill/
Twitter:https://twitter.com/vfts_freehill
YouTube:https://youtube.com/@viewfromthesoyuz5382
STORE:https://view-from-the-soyuz.square.site/
Listen:https://viewfromthesoyuz.bandcamp.com/


■前編あとがき

ド:まだ前編だけど、今回はかなりキャリアの若いバンドも目立つね。ハードコアでもいわゆる20年周期みたいな感じもあるのかな?

E:やっぱりそういうのは大なり小なりあるのかもしれないですね。自分もこういうことなのかな?と実感することがしばしばです。一般的な話でいえば、業界の大人たちがティーンの当時に影響を受けたものをアウトプットするようになるから、というのも大きな要因といわれてますが。

ド:あの時の子どもたちが、仕掛ける側になるってことね。

E:そうですね。パンクやハードコア、メタルなどといった音楽はちょっと特殊な環境かもしれませんが、今の若い子たちが少し古いものを新鮮に感じたりというのは通じるものがあるのかもしれないなと。でもそれ以上に自分が思うのは、時代に左右されない普遍的な良さというのも大事だと思ってます。

ド:タイムレスな魅力。

E:はい。少し違う話で例えれば、シティポップがここ何年かでやたらと取り上げられたりしたでしょう?あれもそういったブレない魅力があったからこそだと思っていて。雑な言い方すれば、音楽好きな人からしたらあんなのクオリティも高くてずっと良い音楽だったわけですよ。それが長い時を経て海外の人に見つかって、仕掛ける大人が乗っかって、このタイミングでたまたま時代とマッチしただけの話かなと。

ド:いつ再評価されてもおかしくなかったってことね。でも嫌な大人に見つかると変に消費されちゃわない?

E:もちろんそういう面もあると思うんですけど、そこはその文化の強度次第かなって。例え話で出したシティポップも消費され尽くした感じは一旦ありますが、あのジャンルは時代に左右されるほど弱くない。質の高さはもちろん、ずっとみんなの心に残るから死なないと思います。恐らくまた流行るときが来ますよ。そのときの扱いが良いか悪いかまでは分かりませんが。

ド:ハードコアにもそういう魅力があると言いたいわけだね。

E:そう。だから自分もずっと楽しめてる。形骸化してる面と戦いながらではありますが。ゴチャゴチャ喋りましたけど、みんなで時代を越えて楽しめればなと思ってます。ではひとまずありがとうございました!また後編で会いましょう~!

ド:ハードコアって本当に良いもんですね。前編ありがとうございました!

⇒後編ブログはコチラから


■SUMMER BASH FEST 2023

<BAND>
PAIN OF TRUTH(U.S.) / SUNAMI(U.S.) / SAND / PAYBACK BOYS / she luv it / LIFESTYLE / Eternal B / IT’S ALL GOOD / PRESS ON AHEAD / BEYOND HATE / EX-C / WRONG STATE / TIGER / VICE CITY SLAVE / View From The Soyuz / ReVERSE BOYZ / TIVE / Is Survived By / 090

<DJ>
DJ HOLIDAY(今里 from STRUGGLE FOR PRIDE) / DJ YOYO-T / DJ SHIGA CHANG

<RECORD>
NERDS RECORD STORE & 橋本商店

<BARBER SHOP>
EIGHT GENTS

open 11:30 / start 12:30
adv 4,500yen / door 5,500yen

■各種チケット
・Tシャツ付き:https://blackdots1979.com/?pid=176173789
・ロンT付き:https://blackdots1979.com/?pid=176174159
・チケットぴあ:P-code:249-575
・LAWSONチケット:L-code:53596
・e+ https://eplus.jp/sf/detail/3922750001-P0030001P021001?P1=1221

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