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どの調味料がベストか考えてみたら答えが見つかった

タルタルソース。あれはかなり良いソースだ。味がではない。(いや、味はもちろん抜群に美味しいが。)

なんというかあの響きが。そう、響きが味や見た目、そして使い勝手に非常にマッチしているんだ。

あのソースは、確かにタルタルしていて、そのタルタルがアジフライやチキン南蛮をタルタルさせ、そして見た目がもうすでにタルタルなんだ。


ちなみに、タルタルソースの語源は東ヨーロッパの人が、モンゴル系遊牧民族を称した「タタール」からきているらしい。
彼らが作る、ミンチした生肉にみじん切りにした野菜などを混ぜたタルタルステーキに似ていることからタルタルソースという名称になったそうだ。

ただ、今となっては語源なんてどうでもいい。あのソースは、確かにタルタルソースという名称でしか呼ぶことのできない「タルさ」を持ち合わせているのである。

「タルさ」ってなに?!は野暮な質問だろ。僕もわからない。でも、わかるでしょ?タルタルソースってさ、タルタルしてるやん?


そんなベストネーミングソースを見つけたところで、他の調味料はどうなのか気になってきた。

そこで、他の調味料の名前の「響き」についてもいろいろ本気で考えてみると、最終的にすごい調味料が見つかった。そこで、その一部始終をお送りしようと思う。
タルタルソースとアジフライ。あとビールなんかを用意して、心して読んでいただきたい。


①タルタルソース

非常に良い。響きと見た目と、味と、使い勝手が完全にマッチしている。これこそベストネーミングソースだ。今日はタルタルしたいなーって日にタルタルソースは本当にもってこいなのだ。
人生にはあるじゃないですか?タルタルしたい日が。
(先ほどから私は何を喋っているのだろう?)

②魚醤

なんというか、響きが強そうだ。

ただ実際のところ、魚醤は隠し味的に使うことが多いらしく、そう考えると少し名前が前に出過ぎている感じもしなくない。

あと、少し偉そうというか、えらぶっているイメージを抱くのは、おそらく「巨匠」という言葉に引っ張られてしまうからだろう。

ただ、巨匠は魚醤にこだわりを持っていそうだし、隠し味とかに敏感に反応しそうなので、魚醤の響きが巨匠の響きに引っ張られていることは、巨匠にとってはプラスなのかもしれない。全国の巨匠は魚醤には感謝して欲しい。

(巨匠にとってプラスという日本語を35年間生きてきて初めて使ったけど、今後使うことはあるんだろうか)

③ナンプラー

これはかなり良い。響きに東南アジア感がしっかり出ている。

「プラー」のところなんて、なんともいえないじゃないか。東南アジアの、あの暑くてなんとなく気だるい感じ。それでいて、陽気で人生楽しんでいる感じが「プラー」のところにしっかりと表現されている。

「ナンプラー」はもう東南アジア語(仮にあるとしたら)の「ナンクルナイサー」なのかもしれない。


ちなみに、正確にはナンプラーも魚醤の一種だが、なかなか良いネーミングだったので、今回は分けてのノミネートとなった。勝手なルールの改訂があったことについては了承していただきたい。(巨匠感)
(誰も参加していないルールの改訂をお詫びすることほど、正気を疑われることはないことは百も承知です。言っておきますが、僕は今シラフです)

④胡椒

胡椒は、もはや「胡椒少々」という言葉ありきで生まれたものだと思う。

「胡椒」だけではなんてことないはずなのに。胡椒少々という言葉があることで、突然ノミネートせざるをえないくらいの感じになってくる。

僕たちは、料理本に出てくる「胡椒少々」にふっと頬をゆるめてしまうのだ。
気恥ずかしさを感じると共に、決して面白くないダジャレで周囲から冷ややかな視線を浴びるも、なんだか憎めない職場のおじさんに出会ったみたいな気持ちにさせてくれるあのワードこそ、「胡椒」を胡椒たらしめている所以なのである。

「胡椒少々」がどうしても言いたいから料理研究家になったという人もおそらくいるはずだ。

それくらい、「胡椒」は「少々」と結びつくことで中毒性をおびる。
人の夢をいともたやすく方向転換させてしまう悪魔性も持ち合わせている。

魚醤少々とも言えなくないが、なんだかそれでは笑えない。胡椒には人の心を軽やかにしてくれる何かがある。へクション。
(胡椒少々が言いたくて、料理研究家になった人が本当にいたらコメントください。めっちゃいいキッチングッズ一式プレゼントするので)

⑤マヨネーズ

我々日本人が「まよ」と聞いて、まずイメージするのは「川﨑 麻世」だ。そう考えると、後半の「ネーズ」は、カイヤが怒って叫んでいても不自然じゃない響きを不思議とおびている。

「ネーズ!!!!!」と言っているカイヤを想像して欲しい。あり得る。

そういう意味では、マヨネーズは、お茶の間を一世風靡した麻世とカイヤを想起させるベスト調味料だといえるだろう。僕たちは、怒るカイヤと怒られる麻世を見て育ったのだ。そして、マヨネーズによって育てられたのだ。だから、マヨネーズは「名は体を表す」というに相応しい調味料なのだ!!
(!を2個も使わないと、意識が飛びそうなんです)

また、マヨは「マヨチュッチュ」という言葉と非常に相性がいい。
あれだけの「チュッチュ」感を出せるのは、「マヨ」しかないだろう。試しにいろんな調味料に「チュッチュ」をくっつけてみるといい。

「タルタルチュッチュ」「魚醤チュッチュ」「塩チュッチュ」「わさびチュッチュ」
どれもしっくりこないはずだ。唯一しっくりくるのが「マヨ」である。

あ、ちなみに、「チュッチュ」の話になってからは「麻世さん」のことは一度全て忘れてくださいね。そうでないと、「マヨ」にすら「チュッチュ」がしっくりこなくなるので。


⑥わさび

忘れていた。なんてこった。あるじゃないか、わさびが。

試しにいろんなものに「チュッチュ」をつけてみてよかった。


冷静に考えたら、わさびが一番じゃないか?
あの「侘び寂び」感を「わさび」って言葉でちゃんと表現してるのエグくない?

「いや、侘び寂びから一文字抜いただけじゃん!」てなっている人がいたら笑止!
確かにそうかもしれないが、どの文字を抜くかというのがポイントなのだ。

「侘び寂び」から「さ」を抜いたら「わびび」だからな。「わびび」には何の侘び寂び感もないんだからな。「まゆゆ」とか「ぱるる」みたいになるんだからな。

あと、あの緑色と「わさび」って言葉が妙にしっくりこないだろうか?

というか、これに関しては鶏が先か卵が先かみたいな話になるかもしれないが、あの微妙な緑色は「わさび」という言葉でしか表現しようがなくないか?それともあれは、わさびという響きがあるからこその緑なのか?

それから、わさびの「び」があのツンとくる辛さを表現し尽くしていることは、言う間でもない。「び」一文字で表現しきるあの凄みたるや。そして、その「び」を一文字抜いた、その勇気たるや。わさびをわさびと名付けた人はおそらくかなりのメンタル強者だろう。



これは「わさび」の優勝かもしれないな。いやーでもタルタルがなー。僅差で勝ってる気もするんだよな。




と思いながら、他に響きがしっくりくる調味料はないものかとネットで検索していると、こんな商品を見つけた。
カルディはいつだって僕たちにワクワクを届けてくれる。(別に宣伝とかではないです)

これが優勝だ。




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