見出し画像

【旅の失敗談】オーストラリアで歯医者に行ったら、いろいろ困ったことになった

海外で、歯の治療をするといくらくらいかかるかご存知ですか?


今回の失敗から学べること

1、長期で海外に旅をする場合は、歯の治療をしてから行くべき

2、Yesマンの弊害

3、オーストラリアでの歯科治療のおおよその値段


世界一周の終わり頃、僕は虫歯になった

1年間の世界一周も残り1ヶ月を切ったあたり、ちょうどNZを満喫して、さぁ世界一周もそろそろ終わり。出発の地オーストラリアに戻るぞ!というところで、甘いものがすごく歯にしみるようになった。

今まで一度も虫歯になったことがない。小学校4年の時に、学校であった歯科検診で「う歯(虫歯)があります」との診断がくだったが、痛くなかったので気にせず放置していたら5年生の歯科検診で「異常なし」になったことはある。あれは一体なんだったのだろう?

それまでの長い人生、そんな風に虫歯を回避してきたはずなのに、今回初めてがっつり虫歯になった。これは僕の人生を終える時に振り返る「なぜこのタイミングで?」ランキング上位に入るできごとであると確信している。


ところで、オーストラリア発祥のティムタムというお菓子をご存知だろうか?

これだ。あやうくリンクを貼る前に購入ボタンをぽちっとしてしまうところをだった。でも、ぐっとこらえた。偉いぞ自分。ご褒美にティムタムが欲しい。

このお菓子すこぶる美味しいのだが、なんせ甘くて歯には悪い。歯の宿敵。ウルトラマンにとってのバルタン星人。明智小五郎にとっての怪人二十面相。ケンシロウにとってのシン。ムックにとってのガチャピンである。


赤い毛むくじゃらの話じゃなくて、歯の治療の話でした。

ある日ティムタムを食べていると、ものすごく歯にしみるようになった。ティムタムってこんな刺激的な食べ物だったのかなんて呑気にかまえていた。なんせ今までの人生で虫歯になったことがないのである。

しかし、症状は日に日に悪化し、オーストラリアのメルボルンに着くころには、食べ物を口に入れると必ず歯が痛むという症状が。日本からかつての職場の同僚も合流して、ワインを飲んだり、カキを食べたり、贅沢な日々を過ごしていたが、どうもいまいち楽しめない。

帰国を早めることも考えたが、世界一周の終わりが虫歯でリタイアというのもなんとも情けない。そこで、メルボルンで歯医者に行ってみることにした。ネットで検索し、日本人が経営している歯科医を見つけて、電話でアポを取り、早速向かった。


歯科助手の方は日本の方だった。青森出身らしい。日本が合わなくて、日本を飛び出し、メルボルンで生活しているといのこと。素晴らしい。

「成人式があるのだけど、帰った方がいいかな?」なんて相談を受けた。ここは人生の先輩として、しっかりアドバイスしておこう。無理して帰る必要なんてない。でも、成人式は人生に一回しかない。よく考えて。

なんてあやふやなアドバイスだ。でも、女の子はなぜかありがとうございますと笑顔で答えてくれた。やはり人生の先輩の言葉には重みがあるようだ。

ただ、この時についた嘘があだとなった。

女の子は僕に「このあと、先生がまずは歯を診察にこられますが、診察はオーストラリア人の先生が行います。英語は話せますか?」と聞いた。

先ほど、人生の先輩としてあやふやなことを偉そうに語ったばかりである。ここで、「いや、実は英語話せなくて」なんて言ってみろ。。思わず「話せる」と言ってしまった。


ただ、診察にやってきた女医のネイティブな英語はほとんど聞き取れない。全て「Yes」で返答してみたが、「Yes?何がYesなの?痛い部位を聞いているのよ?」みたいな展開になっている。治療方針を進めるための話にも全部「Yes」で答えてしまった。僕はこれから行われる治療に関して、全てを容認してしまったのである。治療の全部のせ状態みたいになった。

女医さんが、首を傾げて訝しげな表情で診察室から出たあとに、女の子に全てを打ち明けた。結局、歯科助手の女の子が今言っていたことを全て日本語に訳して教えてくれた。余計恥ずかしい展開になった。


さらに、「なんかすごい治療を行うことになってますが、大丈夫ですか?ほぼオペですよ?」「2週間くらいかかりますよ?」って言われ、焦って訂正し、女の子が慌てて先生に伝えに行く事態なんかも生まれてしまった。はずかしすぎる。そこには間違いなく、この女の子が一番嫌いであろう、日本人の典型的なYesマンがいた。


その後、治療の最終方針を決めに、日本人の先生がやってきた。先ほどのやりとりで、ネイティブの先生では話が進まないことが明らかになって、日本語の話せる院長先生がやってきたというわけだ。

「歯の神経がだいぶやられているので、根管治療を行った方がいい。今すぐできるがどうする?」と聞かれた。

まずは値段だ。なんせ、歯の治療には海外保険が適用されない。いくらですか?

「今回は、2本の歯が虫歯になっているので1本1,000オーストラリアドルだから、合わせて2,000オーストラリアドルです。」と先生は言う。


なんだ、2,000か。安いものだな。もっとうん十万をか想像してたけど、そんなもんか。千なら出せない額じゃないぞ。と頭は瞬時にそろばんをはじいたが。

いや、待て!!オーストラリアドル?!日本人同士で会話してたから、油断してたけど、オーストラリアドルの話をしてるんですよね?冷静に換算してみると・・・

2,000オーストラリアドル=141,085円。

保険は適用されないのだ。恐ろしい。それだけあれば、一回帰国して、治療して、もう一回メルボルン来れるんちゃうんか?くらいの勢いだ。なんとか、この痛みと付き合いながら、日本へ帰ってすぐに治療しよう。そう決めて、丁重にお断りした。

その日は、診察代だけで100オーストラリアドル(7,050円)だった。一応言っておくが、これはメルボルンでの一般的な歯医者の値段で、ここがべらぼうに高いわけではない。


結局、その後持っていた痛みどめでなんとかごまかしながら旅を続けた。本当はオーストラリアのあとにパラオに行く予定だったのだ。妻と新婚旅行で訪れたパラオに寄って、大好きなダイビングを始めるきっかけとなった海で最後にダイビングを満喫して帰る。なんとも夫婦での世界一周のフィニッシュにはもってこいの話である。


しかし、結局この虫歯が原因で、オーストラリアからダイレクトで帰国した。日本に帰る飛行機の中では、今までの世界一周を振り返るなんてことはほとんどできなかった。出される機内食を見て、これはなんとか食べれそう。これはちょっと歯にしみそう。とか考えてばかり。

世界一周から帰った時の一番の感想は「これでようやく歯医者に行ける」というものだった。ロマンティックさのかけらもない。


ちなみに、帰国してから歯医者に行ったら、はじめの診察は保険が適用されて、300円くらい。そして、治療も毎回保険が適用されて1,500円〜3,000円くらいだった。

だから長期で海外に行く前は、絶対に歯医者に行って、虫歯があったらちゃんと治療してから行くほうがいい。あと、ティムタムを食べたらすぐに歯を磨こう。


そういえば、あの時の歯科助手の女の子は、結局成人式に行ったのだろうか?今何をしているのだろう?僕はまだまだYesマンだけど、旅に出る前より少しは歯を大事にするようになりました。日本からは以上です。


サポートしていただいたお金は、旅の資金に回し、世界のどこかであなたのことを勝手に想像してニヤニヤしたりなどします。嫌なときは言ってください。