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監査という仕事をやってよかったこと

てりたまです。
学生のときから30年強、監査法人で監査をやってきました。
よくも悪くも、今の私は監査法人に育ててもらいました。

今回は監査をやってきて、よかったと思うことをお話しします。主に次の4つです。

  • 社会的な意義が分かりやすい

  • 汎用性の高いスキルが学べる

  • 得がたい経験ができる

  • 常にチャレンジャーでいられる

一つずつ見ていきましょう。

社会的な意義が分かりやすい

公認会計士には、「国民経済の健全な発展に寄与する」という社会的使命が与えられています。資本市場の重要なインフラとして、社会から大きな期待が寄せられています。

私が監査法人にいた30年余は、一貫して監査厳格化の方向で監査基準が改正され、規制強化されてきました。
監査現場としてはつらいところですが、世の中からつねに「もっとがんばって監査してくれ」と期待され続けているわけです。

汎用性の高いスキルが学べる

監査を卒業して多種多様なアドバイザリー業務、一般事業会社の経理や企画で活躍している人はたくさんいます。最近は、自ら起業するなど、社長も増えてきました。
そんな皆さんは、どのようなスキルを監査法人で学んだのでしょうか?

専門知識

会計も内部統制も、どの組織でも必要な機能で、非常に汎用性が高い知識。これを体系的に学んだうえに、クライアントの監査で実務としても経験している会計士に対しては、常に強い需要があります。

さらに監査の知識を持っていることで、監査法人が何を求め、どこを気にしているかが分かるため、監査を受ける企業側での監査対応に生かせます。もちろん、内部監査ではそのまま役立ちます。

プロジェクト管理

監査は、1年単位のプロジェクトを繰り返す仕事です。また、非監査業務もプロジェクト、法人内部の業務もプロジェクトになるものがあります。

マネジャーはまさにプロジェクト管理を担いますし、シニアや高年次のスタッフもマネジャーの補佐としてプロジェクト管理に携わる。
こうやって学んだプロジェクト管理も、汎用性の高いスキルです。

コミュニケーション

監査はチームで行いますので、メンバー間のコミュニケーションは重要。業務の指示や報告だけでなく、部下や後輩のケアをすることも必要になります。

また、さまざまなクライアントとのコミュニケーションで、会社が違えばどこが変わり、どのような話し方がうまくいくかを体得することに。

こうやって多角的に学ぶことで、社内、社外のいろいろなパターンに即したコミュニケーションが身につきます。

論理的思考

会計も監査も、基準や事実・証拠をベースに議論を組み立て、論理的に結論を導くことが求められます。
論理的思考が身についていると、専門分野の異なる人や外国の人に説得力のある説明をしたり、ほかの人の議論の誤りにも気づくことができます。

得がたい経験ができる

このようなスキルに、監査という仕事ならではの経験が加わると、単なる専門バカではない、厚みのある人材に成長できます。

いろいろな会社を見ることができる

担当するクライアントにもよりますが、通常は1年のうちに複数のクライアントを担当します。2年、3年と積み重ねることで、担当したクライアントの数も増加。
それぞれのクライアントでさまざまな部署の人たちと交わることで、目に見える企業の動き方だけでなく、文化、価値観といったものにも触れることができます。

会社の経営者と接することができる

これもクライアントによりますが、自分より年配者とやり取りすることが多くなります。また社長など経営陣とのミーティングに参加できることもあるでしょう。

海外で仕事をするチャンスがある

駐在や研修で派遣する制度のある監査法人では、海外で仕事をするチャンスがあります。
現地で設立された会計事務所で働きますので、一般事業会社から子会社への駐在とは違う経験ができます。

優秀な人と仕事ができる

監査法人を退職して活躍している人は、監査法人時代を振り返って、あれだけ優秀な人材がそろっていることはなかなかない、と口をそろえて言います。
私も若いときに何度も退職を考えて思いとどまったのは、周りを見て、これだけのメンバーで仕事することはなくなるかも、と思うと惜しくなったからでした。

常にチャレンジャーでいられる

監査に携わる以上、何年たっても新しい監査基準、会計基準、規制、クライアントに挑むことになります。
チャレンジし続けることは負担にはなりますが、いつまでも緊張感をもって成長することができる仕事。
私も、退職の直前まで新しいことに取り組んでいましたので、30年以上働いても、まだまだ伸びしろを残しているように思います。

終わりに

監査という仕事に就くメリットとして、以下の4つをお話ししました。

  • 社会的な意義が分かりやすい

  • 汎用性の高いスキルが学べる

  • 得がたい経験ができる

  • 常にチャレンジャーでいられる

監査以外で活躍している人たちを見ても、私自身を振り返っても、公認会計士として監査という仕事のメリットがたくさんあることを感じます。
私は監査法人は離れましたが、まだあるはずの「伸びしろ」を探して、伸ばしていこうと考えて中。四苦八苦しながら書いている、このnoteもその取り組みの一つです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのコメントや、Twitter(@teritamadozo)などでご意見をいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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