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よだかの星


昔から
宮沢賢治の作品が好きで
何度も繰り返し読んでしまう
波長があうのかな

そして
知らず知らずのうちに
命についてのあれこれを
宮沢賢治の童話から
刷り込まれていたかもしれない

よだかの星は教科書にも
載っている有名な作品

いじめられていた
よだかが死んで星になる
悲しいお話

ただの悲しい話ではなくて
食べることと生きること
生きることと殺すこと
宮沢賢治の生死観が
詰まっている

よだかは生きるために昆虫を食べた
カブトムシや小さな虫が
生きたまま自らの喉を
通り過ぎていった後の感情

ああ、つらい

鷹に殺されることが
つらいんじゃなくて
自分が殺した命のことをおもい
意味もなく殺されてしまうこと
誰の役にも立たずに
死んでしまうことがつらい

よだかは悲しみのままに飛び続け
燐の火のような青い美しい光になって
星になる


よだかは鷹に殺されることを悲観して
自殺したわけではなく
自分が生きるためには
他の虫を犠牲にしなければいけない
宿命から逃れようとした

生きている限り
命を奪うことからは逃れられない
しかし、よだかはそれを拒否した

美しい鳥になりたい。ではなくて
ほかの命を奪わないものになりたい。


純粋すぎる
よだかの自己犠牲の精神が
彼が星になれた理由かもしれない。


彼ははじめに太陽や星に
自分は死んでもかまわないから
あなたのところに連れて行ってほしい
とお願いする。

しかしその願いは
かなえてもらうことはできなかった。

そこで自分の羽で空をのぼり
自らのちからで願いを叶えた。

願いは自分の力で叶えろという
宮沢賢治からのメッセージに聞こえた

よだかの願いは
死んで星になること
星になる直前のよだかは
こころもちはやすらかに
少しわらっていた

よだかは最後の願いを
自分の力で叶えられたから
少しわらっていたのかもしれない

よだかの星 


おしまい

#感想文  
#生きること
#宮沢賢治
#生死感

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