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なぜYouTuberは「Vていきたいと思う」のだろう

今回の動画は大食い企画!では早速食べていきたいと思います!

今日の動画はオレンジメイク!今はメイクをしている状態なので、まずはクレンジングからやっていきたいと思います。

今回は爆買い企画で、もう既にたくさん服を買ってあるので、今から紹介していきたいと思います。

おぉ〜よく混ざってきました。ここから2時間、冷凍庫で冷やしていきたいと思います!

などなど。

〜て+いく
日本語教育文法的にいうと、動詞の「て形」+補助動詞の「いく」。
学校文法的には、動詞の連用形+助詞「て」+補助動詞「いく」、のはず。

出典:私の脳内(なのでやや自信がない)


私の専門は文法ではないので、構造的なことは後で勉強するとして。
You Tuberの方やタレントさんがよく使う(と私が感じている)この表現。
どういう用法なのか、ずっと気になっている。

💻🍿

私はコロナ禍をきっかけに、テレビの代わりにYou Tubeを見るようになった。いわゆる“You Tuber”のチャンネルも見るし、テレビにも出ているような芸能人のチャンネルも見る。それから趣味で配信をする一般の人の動画もよく見ている。

「〜ていく」「〜ていきたい」「〜ていきたいと思います」
これらの表現をよく使う、自然に使う人たちは2パターンがある気がする。
1つ目のパターンが「コンテンツ作りにおいてYou Tubeが出身地の人」。
2つ目のパターンが「コンテンツ作りの出身地はYou Tubeじゃないけど、You Tube的コンテンツが身近にあった世代の人」。これは、例えば指原莉乃さん(大好き!)とか、旧Jがつく事務所のアイドルさんたち(日本を元気にしてくれてありがとう)とか。

🖥👘

ここまで書いて、ちょっと風向きが変わってきた。
今、You Tubeで「2つ目のパターン」に当たるであろう人の動画の冒頭を色々と見てみたら、なんとあのテレビ出身かつベテラン世代の松平健さんも「〜ていきたいと思います」と言っているじゃないか。あの渋い声で!

ちなみに学術出身かつ中堅(ご年齢的な意味で。ご功績では間違いなくベテラン)のさかなクンは「〜ていきたい」をあまり使わない。でもさかなクンはむしろ「〜させていただく」を元々多用する方であることと、そもそも「ギョ」を頻用するあまりに特殊な言語使用をなさる方なので、「〜ていきたい」を使わない人というよりも全くの別枠に位置しているような…。

💻❓

他にもいくつかのチャンネルを見てきた。よくわからなくなってきた。
「〜ていきたいと思います」を使うのは、若い世代に限らないようだ。

個人じゃなくて場面が「〜ていきたいと思います」を使わせていると思った方が良いのかもしれない。
You Tubeという自由でクリエイティブなプラットフォームがそうさせているのではないか。

少なくとも、テレビの番組で、司会進行のクリームシチュー上田さんが「本日は女性に年齢を聞くのはNGなのかを深掘りしていきたいと思います!」だとか、安住アナが「只今より今朝のニュースをお伝えしたいと思います。」とは言わないだろう。

💻💡

私が今までぼんやりと考えていたことを書いておくと、
「〜ていきたいと思います」の表現には、「個人が決めたことを言い切りの形で世に発することを避ける」という意図がうっすらとあるのではないか。

例えば、「食べます」よりも「食べていきます」の方が「今考えてはいるけれどまだ実行していないこと」というニュアンスが入り、一方的な決断というニュアンスが減らされる。万が一誰かを傷つける内容であったり、炎上の可能性がある内容であったりしても、「いや、思っただけでまだやってはいない」と言えるだけの余白がある。

さらに「食べていきます」よりも「食べていきたいです」の方が、
さらにさらに「食べていきたいです」よりも「食べていきたいと思います」の方が、その余白をより広く取ることができる。

最近、私自身を含めた「若者」は、言い切りの表現を避ける風潮がより強まっているという実感がある。それは相手を傷つけないためで、そして自分を守るためである。
この線で考えてみると、「食べていきたいと思います」は「食べます」の形の上に鎧を着ていると捉えることができる。その鎧は実に三重である。(!)

💻🦆

他にも可能性はある。
・今まさにそれを行なっているという現在進行感
・入念に練習されたものではなく、「やってみる」という「ゆるさ」の表れ
・実況界隈?に「〜ていくゥ!」という言葉が10年くらい前からあったような…でも詳しくないので、よくわからない。
などなど

うーん、わからない。

💻

まとまりのない文章になってしまった。
以上、「なんでYou Tubeの人って常に何かをやりたがっているんだろう?」という疑問が生まれた「〜ていきたいと思います」という言葉についてでした。

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