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銭湯で働いてます

はじめに:銭湯でバイト始めました

2019年4月に仕事を辞めて、正社員からフリーターへ。せっかくの機会なのでいろんなことをやってみよう!と思って始めたのが銭湯でのバイトでした。

自己紹介の時に誰に言っても興味を持ってもらえる鉄板ネタ(笑)

そして決まって聞かれるのが「なんで銭湯で働いているの?」

広いお風呂に入るのが好きだから!

実家のお風呂は足を伸ばしてゆっくり浸かれる広さだったし、近くに温泉施設にもよく行っていて、広いお風呂に入ることが当たり前だった子供の頃。

上京してからは、アパートのお風呂は狭い!近くに温泉がない!ということでたまに銭湯に足を運んでいました。

そしてここ数年、銭湯やら入浴施設やら温泉やらにご縁があって、行く機会が増えたことがキッカケで、自分の中でそういう場所について「より深く知りたい」と思うようになりました。

実際に働いてみたら何か知ることができるんじゃないかと考え、「よし、銭湯で働こう!」と思い立ち即行動。

今は墨田区の銭湯で楽しく働かせてもらっています。

別に将来銭湯を経営したいわけではなくて、単純に「お風呂って良いよね」っていう気持ちから関わってみたくなった。そこで生まれる良さに関わりたかったり、もっと良くしたかったり。

とにかく興味しかない。

あとは、バイト先の福利厚生(?)に仕事終わりに銭湯入れるとあったのも……応募理由、です。

ちなみに親に銭湯で働き始めたよって言ったら「え?泡(風俗)の方?」と驚かれました。違うわい。

銭湯とスーパー銭湯って違うんだって

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働くなら、スーパー銭湯じゃなく銭湯が良かった

なんで銭湯を選んだのかを説明する前に、銭湯とスーパー銭湯って違うものだって知ってた?

実は『公衆浴場法』という法律で明確に分類されています。分類のされ方は以下の通り。

・普通公衆浴場(いわゆる銭湯)

温湯等を使用し、男女各一浴室に同時に多数人を入浴させる公衆浴場であって、その利用の目的及び形態が地域住民の日常生活において保健衛生上必要な施設として利用されるものをいい、いわゆる銭湯が該当します。

・その他の公衆浴場(銭湯以外)

スーパー銭湯や健康ランド、レジャー施設、スポーツ施設、福祉施設、エステティックサロン等に設置された入浴施設(風呂、温泉、サウナ、岩盤浴、酵素風呂等)が該当します。

これだけ見ると、何がどう違うのかよく分からない。そんな方のために説明すると、銭湯とスーパー銭湯、一番違いは料金

銭湯は家庭の内風呂の普及が進んでいない時期(昭和30年ごろ)の生活支援(地域住民の保健衛生の確保)の役割を担っており、日常的に利用してもらうために料金が安価に設定されている(だからスーパー銭湯より安い)。

なので、銭湯は地域の方など日常的に使っている方(徒歩客)が多く来ている印象。スーパー銭湯は(もちろん地域の方も来るだろうけど)施設を利用するために遠方から足を運ぶという方(車客)が多い(あくまで)イメージ。

私の銭湯で働きたかった理由というのが「いろんな人と (ちょっとだけ)深く交流しながら働きたかった」から。

定期的に利用する方と顔見知りになって、ちょっと世間話なんかしちゃったりして、良い話し相手になっちゃったりして、その空間がなんか居心地よくなったりして。

そんな感じの中で働きたかったので、銭湯に応募しました(単純)。

銭湯人情のお話

今回のnoteで一番話したかった部分にようやく来れた(汗)。

銭湯で働き始めて、私が想像していたように銭湯に来たお客さんとよく話をするようになった。そして、銭湯によく入るようになった。

そこで感じたこと。

お客さんが人情に溢れている。墨田区っていう土地柄かもしれないけど。

一番印象に残っていることは、別々に銭湯に入りにきたお客さん同士が、背中を洗い合っていたこと。どちらも年配の方で体を一人で全部洗うのが大変だったようで、協力して洗っていた。

他の日では初めて銭湯を利用したっぽい20〜30代の女性と背中を洗い合っていた。

家族ならまだ分かるけど(と言ってもそうそう無いけど)、友達同士でも背中を洗い合うって、まぁ無い。

「洗い合う」って、自分の体を相手に触らせるってことでしょ?すごい。

それが当たり前かのようにできちゃうの、すごい。

銭湯は誰かのお節介がちょっと心地よい場所だなと思います。

「ビール飲むか?」って言っていつもビールを奢ってくれるおじいちゃん。いつもありがとう。

銭湯が終わったり始まったり

そんな銭湯も、今どんどん少なくなってきているのご存知でしょうか。

昭和61年2156軒あったのが、家庭の内風呂の普及により銭湯需要が減ったことから、平成28年には602軒まで減り、今もなお減り続けています。

東京の公衆浴場はどうなっているの?(東京の公衆浴場の現況)

もはや銭湯はお風呂に入る場所だけではやっていけない。そんな状況下で、なんとか存続させるべく、いろんな取り組みが行われています。

■銭湯×他業界とのコラボ(BEAMS・牛乳石鹸とコラボ。スタンプラリーを開催。大人気。2019年1〜3月まで実施予定が、3月入る時点で特典がなくなる自体に。私はもらえませんでした…ぐすん)

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■銭湯×交流(高齢者向けの趣味イベント、若者向けの音楽イベントなど銭湯を使い、銭湯と絡めた催しを実施)

銭湯ぐらし→高円寺の小杉湯さん。いろんな取り組みをされています。

改良湯さんでもアフロマンスさんがDJイベントやっていた。

黄金湯さんでは黄金湯レコード市という音楽イベントをやっていたり。

■銭湯×アート(老朽化が進み建て替えや改修予定の浴場と美術や設計を専門とする学生とをマッチングし、若者の感性あふれる芸術を楽しみながら入浴できる。浴場の新たな魅力発掘・発信)


銭湯は今進化中。そこも銭湯で働きたいと思った理由のひとつかも。

どうですか?銭湯。なんだかワクワクしませんか?

これ見て、入りに行きたくなった人がいたら、嬉しいかも。

待っていますね、銭湯で。

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ヘッダー写真:丸岡ジョーさんによる写真ACからの写真

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