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アート独り言。(国際芸術祭 あいち2022@一宮 その5)

今日は午後から撮影、午前中はあいち2022の一宮会場、国島株式会社さんへ。
曹斐の「新星」という映像作品の展示。
98分で、最後の回は途中終了なので注意が必要。

国島(株)さんは、以前映像作品の撮影で訪問させていただいた企業で、当時は中外国島さんという社名だった。
羊と人間の関わりがテーマの映像作品だったので、ウール生地が出来上がる工程を数社撮影させていただいた。

ウールの先染めの場合
紡績 → 糸染め → 整経 → 製織 → 整理加工 → 縫製

といった工程で、国島さんでは整経と製織の工程を撮影。

機械の音色が好きだ。。。

そんな事を思い出しながら、上映開始時間ちょうどに到着、慌てて椅子に座る。
20名ほど座れるようになっていて、映画館のようなスクリーンと音響だった。

新星とは
人間を最新のテクノロジーによってデジタル信号に変換するという国際的な極秘プロジェクトに携わる、コンピュータ科学者の物語。試行錯誤を経て、最終的に息子を実験台にした結果、その青年はサイバースペースで行方不明に。現実と虚像の中間を漂いながら、過去・現在・未来を往還し続ける亡霊のような存在となった息子は、決して戻ることができない現実を前に逡巡する。

あいち2022公式より抜粋

映像のライティングが美しい。。。
最初は意味がわからず観ていたが、赤と青の美しいコントラスト。グレーディングではなく、照明でしっかりと演出されていた。

過去の中国が舞台になっているかと思いきや、ホログラムのような現代まだ普及していないテクノロジーも登場する。

過去なのか?未来なのか?
すぐさま迷子になる。

次第に事の重大さがわかるように話は進んでいく。

実験で未来に送られた青年が、会社の倒産による開発中止で戻れなくなるという残酷さ。
何十年も実験サンプルとしての苦悩が、とても恐ろしかった。

メンタル的に厳しい内容が、美しい映像美術で中和している。

98分という長編ではあったが、全く飽きなかったし、途中で入って来た人以外は席を立つ人がいなかった。

映像に登場した小道具も展示されていて、映画館とはまた違う不思議な空間だった。

ラストは涙が出そうだった。

同じ時間に見ていた男性がキャプションを真剣に読み、アンケートも答えていた。私も真似をした。
話しかけたかったけど、出来なかった。。。

とても良い作品だった。
一宮会場はあと残す所1会場。コンプリートなるか?

来週は芸文の鑑賞予定。
楽しみだ。

デモリールに少しだけウール生地の工程映像があります。

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