この素晴らしき世界

パラリンピックが終了した。

部分的にしか競技を見るこは出来なかったけど、年齢の限界を超えた女性ロードレーサーの金メダル、ボッチャ、テニスなどなど、沢山の勇気をもらった。

そして開会式同様、閉会式もとても良かった。

閉会式のプロデューサーは、俳優でイベントプロデューサーである小橋賢児さん。

冒頭は高校生作曲家のSASUKEさんや先天性の難病のある小さなドラマー、ヒューマンビートボックスのRINさん、義手のギタリストがカラフルなプロジェクションマッピングと共に演奏する。お名前わからないけど、ギタリストめちゃくちゃカッコよかった。

多種多様、さまざまな人がそれぞれにバラバラのカッコいい衣装を着ている。パフォーマンスも自由でのびのびとしていた。

コメンテーターの桜井翔さんが、実に的を得たコメントでとても素晴らしかった。自分の経験を元に、沢山練習しなきゃ難しいとか、このフォーメーション大変だ、などなどダンスのことを知り尽くしているだけにとても分かりやすい説明だった。「みんな超カッコいい！！」と思わず言った言葉にジーンと来た。

車いすYoutuberで排泄障害や性について赤裸々に語る中嶋涼子さんもダンスに混ざっていた。シシドカフカさんも、指揮者として登場。

ダンスシーンは1カメでカット割りせずずっと撮り続けていて臨場感が伝わる。とてもわくわくしていた。

パリの映像は、エッフェル塔の足が1本義足になっていた。パリからはものすごいエネルギッシュな映像が届けられた。EYE DJを使ったDJさんも。日本にも、EYEDJという眼球を使ったDJをされるALSの方がみえるのです。いつかコラボしたい。

フィナーレはWhat a Wonderful Worldが流れる。

歌うのは、ROGUEの奥野敦士さん。奥野さんはバンド解散後のアルバイト先で屋根から転落し、半身不随となっていたが、歌手として何年か前に復帰されていた。その歌声に何とも言えない気持ちになる。

その音楽に合わせてパフォーマンスする女性。最初私は、ろうあ者のダンサー、大橋ひろえさんかと思った。実際は手話パフォーマーのRIMIさんという方でした。

ひろえさんかなと思ったのは、昔訪れたサインミュージカルのメイキングビデオで、ほとんど聴力がないひろえさんでも低音が肌で感じることが出来ると言っていた音楽がWhat a Wonderful Worldだった。

あまり聞こえなくても、肌で感じて欲しいと選曲されたのかなと思ったけど、実際はわからない。それでもこの選曲は素晴らしいなと思った。

昨日撮影していて、ガードマンの方に声を掛けられた。撮影場所は上に運転免許更新施設があり、常に人が訪れる場所で、沢山の人を毎日人間ウォッチングしているガードマンのおじさん。

「この展示の撮影してるのですか？」

私が参加している展覧会のポスターを指さしながら聞いてきた。

「なんでもかんでも中止で、やっぱりあなたも仕事がなかったりするのですか？」

私は普段会社員をしていて、土日だけ撮影や制作活動している話を少しだけした。

「これから世の中はどうなっていくのでしょうね、今まで人類が経験したことのないこの世界・・・」

私はこう答えた。

「確かに大変だけれど、今はどうやって楽しく幸せに生きていくか考えるのが精いっぱいで忙しいですね」

そう言うとおじさんはニッコリ笑ってくれた。

その話をした後だっただけに、What a Wonderful Worldはとても心に沁みた。

『この素晴らしき世界』（What a Wonderful World）

緑の木々が見える
赤いバラも
咲いているんだ
僕と君のために
そしてひとり思う
なんて素晴らしい世界なんだ

青い空が見える
そして白い雲も
輝き祝福された日
暗く神聖な夜
そしてひとり思う
なんて素晴らしい世界なんだ

虹の色は
空で綺麗に見えるけど
通り過ぎる人々の
表情にもその美しさがある

友達同士が握手してる
「ごきげんよう」と言いながら
彼らは本当はこう言ってる
「愛してます」って

赤ちゃんが泣いている
彼らは大きくなって
多くの事を学ぶだろう
僕が知り得る事以上に
そして僕はひとり思う
なんて素晴らしい世界なんだ

そう　僕はひとり思う
なんて素晴らしい世界なんだ