アート独り言。(虎よりも虎。絹本に魅せられて。)
岐阜県美術館で開催されている、「明治の金メダリスト 大橋翠石 〜虎を極めた孤高の画家〜」へ。
ようやく行くことが出来た。
大橋翠石は岐阜県大垣市出身なので、より親近感がわく。
入り口で消毒、検温を済ませて中へ。
※この展覧会は、4月に兵庫県立美術館で開催が予定されていたが延期ではなく中止となっている。
絵画の知識など何もなく、さっぱりわからない。でもとにかく、チラシの虎に惹かれたのであった。
そして沢山の事を吸収したかった。
全く前知識もなく観ることに。
明治の金メダリストだけあってどの絵も迫力があった。どれも保存状態が美しい。不思議だ。
キャプションが完結でどれも素晴らしく、他のお客さんに近付きすぎないようゆっくり1つずつ読んだ。
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画材や技法は「絹本着色(けんぽんちゃくしょく)」と書かれていた。
(簡略すると、日本画で、絹に描いたもの、現在の紙本になる前には一般的であったよう)
その場ではわからなかったので、もしかしたら絹に描いたのかな?と思いながら見ていた。
私の知るかぎり「絹」はとても扱いづらいものという思い込みがあった。
事実、着物で「正絹(しょうけん)」の生地の着物は水に濡れただけでもシミになり、油などは専門家でないと落とせない。
一体どうやって描いたのだろう?
若冲とはまた違って見えるけど、同じなのだろうか?
虎や背景の描き方、とにかく魅力的。
帰宅したら調べることばかりだ。。。
そんな事ばかりを思いながら、力強く、溢れんばかりの躍動感を目の当たりにした。
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足がすくむ作品の前には椅子があり、立ち尽くすことなく座ってゆっくり鑑賞。
若い頃から晩年まで、毛並みの描き方の変化、表情の描き方、心情のあらわれかたが違って面白い。
自作の筆は一体どのようなものだったのだろう。
虎は今まさにここにいるかのように、息遣いが脳内に流れてきた。
虎以外にも、動物が沢山描かれていた。
その中に、「カンガルー」の絵があり、その絵の前にくるとカンガルーの匂いがする。
マスクを外したくなる衝動が起きたが我慢した。
よく考えたらカンガルーの匂いって何。
再度近寄ると、確かにカンガルーの匂いだった。
私の脳内はもう、大橋翠石の世界に入り込んでいた。
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最後には力を振り絞って描かれた果物の絵。
言葉にならないくらい感動した。
作品は1期~3期にわたりじっくりと楽しめた。
ほとんどが個人蔵なのが驚き。準備の事を思うと気が遠くなる。。。
大変な中、開催してくださった事に感謝したい。
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