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多様化する大学入試~「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」

こんにちは。オンラインてらこ家です。

暦は7月を迎えました。
今年もまた、受験生の皆さんにとって天王山ともいえる、勝負の夏がやってまいります。

特に、総合型選抜学校推薦型選抜帰国生枠での入試をお考えの皆さんにとっては、受験勉強と並行して出願書類を作成しなければならないという、忙しい夏が待ち受けています。

一般入試の受験対策のみに全力を注ぐ夏にするか。
それとも、総合型や学校推薦型での入試も視野に入れるか。

いずれの選択をするかによって、夏の過ごし方は大きく変わります。
「夏を制する者は受験を制する」とは本当にその通りなので、受験生の皆さんは、7月中にはある程度の方向性を決めておくべきと心得ましょう。

……とはいえ、総合型や学校推薦型は複雑すぎてよく分からない!という受験生や保護者様もいらっしゃることでしょう。
大学によっては同じ学部で総合型・学校推薦型の両方を実施しているケースもあるので、自分に合った受験方法を選択するためにも、その違いはぜひ知っておいてほしいと思います。



入試方法の多様化

まずお伝えしたいのは、一般選抜だけが大学入試ではないという現実です。
実は、総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)による入学者数とその割合は、10年ほど前と比較すると大きく増加しているのです。

文部科学省が令和2年度に調査した資料によれば、入試方法を選抜区分数別でみた場合の割合(全体)は、「一般入試52.2%、AO入試13.4%、推薦入試34.1%である」とのこと(下のグラフ参照)。

平均すると、およそ47.5%の受験生がAO・推薦入試を選択している計算になります。

【出典】文部科学省「大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査(令和2年度) 」 

なお、2021年度(令和3年度)入試より、AO入試は総合型選抜入試、推薦入試は学校推薦型選抜入試へと、それぞれに名称が変更されました。
※ ただし、大学・学部によっては、総合型選抜入試のことを今でも「AO入試」と称しているところもあります。

また、文部科学省は毎年、大学入学者選抜実施要項を発表しており、その中には以下のような記載が見受けられます。

第3 入試方法
2 一般選抜のほか,各大学の判断により,入学定員の一部について,以下のような多様な入試方法を工夫することが望ましい
(1) 総合型選抜
(2) 学校推薦型選抜
(3) 専門学科・総合学科卒業生選抜
(4) 帰国生徒選抜・社会人選抜
(5) 多様な背景を持った者を対象とする選抜

令和5年度 大学入学者選抜実施要項について(通知)」3ページ目より抜粋

一昔前は、一般入試以外の入試は甘えであるとか、逃げであるとか、そのように思われていた時期もありました。地域や学校によっては、今でもその雰囲気は残っているようです。

しかし、時代は大きく変化しているのだということを、まずは知っておいてほしいと思います。本当に行きたい大学・学部があるのであれば、受験のチャンスはいくらでもあるのです。

では、総合型と学校推薦型とでは、何がどう違うのか。
詳しくみていきましょう。


総合型選抜と学校推薦型選抜の主な違い

以下、見出し形式でその違いを見比べていきましょう。
途中の引用文はすべて大学入学者選抜実施要項より抜粋しております。

☑ 出願時期

総合型選抜:9月1日以降
学校推薦型選抜:11月1日以降

第4 試験期日等
総合型選抜については,入学願書受付を令和4年9月1日以降とし,その判定結果を令和4年11 月1日以降に発表する。
学校推薦型選抜については,入学願書受付を令和4年 11 月1日以降とし,その判定結果を令和4年 12 月1日以降で一般選抜の試験期日の 10 日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表する。

「令和5年度 大学入学者選抜実施要項について(通知)」4ページ目より抜粋

☑ 応募資格

総合型選抜:出願条件を満たしていれば、誰でも自由に応募できる
学校推薦型選抜公募推薦指定校推薦の2タイプある。いずれも原則として、出身高校の学校長の推薦を必要とする

☑ 入試方法

総合型選抜詳細な書類審査がなされる。また、体験授業プレゼンテーショングループディスカッションなど、大学独自の選抜方法が設けられている。

(1) 総合型選抜
詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって,入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法。
この方法による場合は,以下の点に留意する。
① 入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格に鑑み,「見直しに係る予告」で示した入学志願者本人の記載する資料*を積極的に活用する。
*入学志願者本人が記載する活動報告書大学入学希望理由書及び学修計画書等。
② 総合型選抜の趣旨に鑑み,合否判定に当たっては,入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する。なお,高度な専門知識等が必要な職業分野に求められる人材養成を目的とする学部・学科等において,総合型選抜を実施する場合には,当該職業分野を目指すことに関する入学志願者の意欲・適性等を特に重視した評価・判定に留意する。
③ 大学教育を受けるために必要な知識・技能,思考力・判断力・表現力等も適切に評価するため,調査書等の出願書類だけではなく,「見直しに係る予告」で示した評価方法等*又は大学入学共通テストのうち少なくともいずれか一つを必ず活用し,その旨を募集要項に記述する。
*例えば,小論文等,プレゼンテーション口頭試問,実技,各教科・科目に係るテスト,資格・検定試験の成績等。

「令和5年度 大学入学者選抜実施要項について(通知)」3ページ目より抜粋

学校推薦型選抜調査書を主な資料とするため、高校生活における学習歴活動歴などに重点が置かれる。小論文面接を課す大学・学部が多い。

(2) 学校推薦型選抜
出身高等学校長の推薦に基づき,調査書を主な資料としつつ,以下の点に留意して評価・判定する入試方法。
① 大学教育を受けるために必要な知識・技能,思考力・判断力・表現力等も適切に評価するため,高等学校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書類だけではなく,「見直しに係る予告」で示した評価方法等又は大学入学共通テストのうち少なくともいずれか一つを必ず活用し,その旨を募集要項に記述する。
② 推薦書の中に,入学志願者本人の学習歴活動歴を踏まえた第1に示す三つの要素に関する評価や,生徒の努力を要する点などその後の指導において特に配慮を要するものがあればその内容について記載を求める。

「令和5年度 大学入学者選抜実施要項について(通知)」3ページ目より抜粋

いかがでしょうか。
見出しだけでもある程度の違いはイメージしていただけると思いますので、引用部分に関しては読み流していただいても大丈夫です。
詳細をお知りになりたい方はぜひリンク先の文書(引用文の原文)にもお目通しください。


自分に合った入試方法を選ぶ

総合型選抜と学校推薦型選抜の両方に共通しているのは、出願に必要な書類を作成するのにかなりの時間と労力を要するという点です。
志望理由書、自己推薦書、自己アピール書、活動履歴報告書など、名称や書式は様々ですが、本当に大変なのです。文章を作成するという大変さの前に、自己としっかり向き合うという大変さが待ち受けていると思っておいてください。そういう意味では、最も必要とされるのは精神力であると言っても過言ではないかもしれません。

ただ、精神力が求められるのは、一般選抜やその他の入試も同じです。
だからこそ、自分に合った入試方法を選ぶというのも、とても大事なことなのです。

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