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英語塾が目指すもの ②

外国語学習には二面性があるといわれます。

外国語とその言葉が話される国や地域文化を学ぶとともに、振り返って母語と母語の話される国や地域の文化への理解を深めると考えられているからです。

だから、必要に迫られていないのに、幼いうちから外国語に力を入れすぎることは、本当はもったいない時間の使い方だと私は考えています。

日本人としては、きちんと日本語が使え、日本の文化や歴史を知った上で外国語が使えるから、海外に出て、海外でも能力を持った人として、現地の人にも対等に扱ってもらえるのです。

私は、交換留学生として、そのことをしっかりと伝えてくれる大人たちにアメリカに送りだされました。そこで、言われていたことを身を持って体験することになります。自分が自分の国や地域についてでさえ、無知であり、いかに自分の生活環境について考えずに生活をしていたかを思い知り、自分の至らなさを実感しました。

同時に、私は自分の生まれ育った地域が好きであることに気づき、自分の生まれ育った地域を、私がアメリカでそうであったように、そこを訪れた人たちが好きになってくれる場所にするために自分のできることをしたいと思うようになったのです。

そんな私は、今、多くの日本人、特に親御さんたちの子どもたちの英語学習に向ける熱を感じながら、戸惑うことが多くあります。

お父さん、お母さんたちは、お子さんたちの英語学習の先に、何を見ているのかがわからないことが多いからです。

外国語学習の意義は、外国の言葉や文化を知ることよりも、むしろ自らを振り返り、自らを知り、理解を深めることが肝です。母語でしっかりと考えることができるまでは、耳を慣らすくらいで本当は十分なはずです。

そこで、寺子屋かめいでは、英語を学び方を習得する道具だと考えて授業を進めています。だから、学習姿勢を整えることを目標に小学1年生から英語の授業も行っています。アルファベットの読み書きの仕方、ローマ字習得の様子を見て、また、あいさつを確認しながら、学ぶ姿勢の課題を見つけ、整えていきます。

ちなみに、英語の簡単なあいさつを学ぶ前に、日本語でもそのあいさつが言えるかをまず確認するのですが、「おやすみなさい」や「どういたしまして」「はじめまして」などが出てこない子ども(中学生でも)が予想以上に多くて驚きます。たまに、「こんにちは」や「こんばんは」が出てこないこともあります💦

学ぶ姿勢の確認は、いつも子どもたちを取り巻く社会の課題を明らかにすることでもあるのかもしれません。

つづく

いただいたサポートは、子どもたちの学ぶ環境づくりに使わせていただきます。よろしくお願いいたします<m(__)m>