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私の仕事

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2000年3月に開校した寺子屋かめいも、2025年3月には25周年を迎えます。そのための準備を進めたいと思っています。その一つとして、私の思いや寺子屋でのエピソードをまとめていき…
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2023年6月の記事一覧

自然に学んでしまうこと

この仕事を始めて23年と3か月ほど ・・・なぜだろうと考えてしまうことがある。 多くの子どもたちが 人の話をきちんと聞けないこと、聞こうとしないこと 英単語・漢字だけではなく、「用語」を覚えるのがとても苦手なこと 人が読み上げているものを一緒に目で追うことができないこと そして 相手の意図や求めていることにこたえようとしないこと 一方、少しずつ、するべきこととして説明をするとほとんどの子どもたちが少しずつできるようになっていく。 ということは、 彼らは、そ

てらこや の ひび ① 

最近、子どもたちの言葉の定義が私たちの定義とは違うと思うことが多くありますが・・・ 先週の小学1年生の国語の授業で、ページをめくった途端に、半ば機械的に「わからない」と言い出す小学1年生がいました。 よくあることなので、 「わからない は めんどくさい っていういみじゃないよ」 と、声をかけると、 「めんどくさくは、ないかな」と彼・・・ 「じゃぁ、できるんじゃないかな、してみようか」と、私。 結局、彼はなんなく、その問題を解いていきました。 この場合、「わから

学習塾ができること 

寺子屋の目標 創設時に次のような5つの目標を立てました! 1.学校での学習を補う 1.学校ではできないことを助ける 1.子どもたちと外の世界のつながりをつくる 1.学校の成績を上げるだけではなく、「英語力」と「考える力」を養う 1.友情と向上心を培う 存在になること 2000年3月に「寺子屋かめい」を設立した当初には、「学校での学習を補う」や「学校ではできないことを助ける」というのは、英語が好きで、得意で、もっと力を伸ばしたい生徒や、逆に英語が苦手で、嫌いだという生徒

学習塾ができること ②

この23年あまり、ずっと気になっていることがある。 なぜ、小学校の宿題の答え合わせを保護者の方に任せるのだろうか。 いつから、そんな制度が始まったのだろうか。 私は、子どもたちの様子を不思議に思ったり、彼らの言動に困ったとき、自分が子どもだったときを振り返る。そして、思うー 私の宿題の答え合わせをうちの両親がするとわかっていたら、果たして、私は、宿題をきちんとしただろうか、と。 答えは、「しない」だ。 親が見る前に、答えを写してしまうか、「宿題はない」と答えて、自分

英語塾が目指すもの

前回、寺子屋の目標について書きました。 3月に23周年を迎え、24年目が始まって3か月が経っていますが、基本的に同じ目標を持って進んでいます。最初に思っていたのとは少し違う方向に進んでしまっていることは否めませんが、、、笑 外国語学習の土台となり、また、振り返って強化していくべき「国語力」の土台作りのために、2018年の冬期講習を皮切りに、2019年度から通年のクラスとして「作文講座」を開講しています。 「うちの子、読書はするんです」というけれど、文章が書けなかったり、

英語塾が目指すもの ②

外国語学習には二面性があるといわれます。 外国語とその言葉が話される国や地域文化を学ぶとともに、振り返って母語と母語の話される国や地域の文化への理解を深めると考えられているからです。 だから、必要に迫られていないのに、幼いうちから外国語に力を入れすぎることは、本当はもったいない時間の使い方だと私は考えています。 日本人としては、きちんと日本語が使え、日本の文化や歴史を知った上で外国語が使えるから、海外に出て、海外でも能力を持った人として、現地の人にも対等に扱ってもらえる

子どもたちに伝えたいこと

定期試験週間が続いている。 試験期間前の生徒たちの学習に臨む姿勢に長い間通ってくれている生徒たちの成長を見られる期間である。 一方で、子どもたちの学ぶ姿勢が歪んでいると感じることが多い期間でもある。 「ここはテストに出ないんです。」 「こんなのテストには出ない。」 という生徒たち。 そして、そういう発言をする生徒たちは、テストの点数も成績も芳しくないことが多い。 ここはテストに出ないんです! 例えば、今回の英文法のテスト範囲が「動名詞」だとすると、「不定詞」はテ

子どもたちに伝えたいこと②

聞いていません! と、生徒がときどき威勢よく言ってくることがある。 そういうときはー あなたたちが「聞いていない」というのは、必ずしも私たちが「言っていない」ということではない! と、伝えることにしている。 平成一桁生まれの生徒が小学生だったある日、近所のお子さんのところに遊びに来た女の子十数人が、寺子屋の駐車場の前の道路でドッヂボールを始めたことがある。 2学期の終業式が行われた日の午後のことだった。 うちのスタッフが出勤のために車でやってきたとき、クラクショ

子どもたちに伝えたいこと③

私は、自分の教え子たち、とくに、高校で成績上位にいて、当然のように難関大学、有名大学に進む生徒には 「難関大学、有名大学に進むことは、その大学名が次の入り口を通過するとき、少し楽をさせてくれるけれど、自分の言動や努力次第で足枷にもなることをしっかり覚えておいて」 と、くぎを刺すことにしている。 私も一応、難関大学といわれている大学を出ている。父と伯父の母校であり、外国語を学ぶなら最善で、父の跡を継ぐのであれば行く必要のある大学だと考えて当時志望校に選んだのだけれど、やは

子どもたちに伝えたいこと ④

一昨日、高校生になって初めての定期試験の結果が出て、中学校とは勝手の違う結果に戸惑っていた高校1年生と話をした。 私も、同じ経験があった。私は6年制の中高一貫校に通っていたので、特に変化もなかったので、いつも通り勉強して臨んだ高校1年生の前期中間テストの順位が20番ほど落ちていて、衝撃を受けた。 そして、ギアチェンジをして、次の試験で元に戻した。 そんな話もしながら・・・ 県内屈指の本物の進学校に進学し、運動部に所属する彼女の環境と、今の子たちが大概の場合置かれる学習

大人たちに言いたいこと

私は、走れば1分以内にたどりつく目の前の中学校ではなく、電車に乗って、小一時間かかる私立中学校に通っていた。 6年生の秋に急にそこに行きたいと言いだして、受験し、進学を決めた。 そして、入学する前に、母に言われたことを覚えてる。 ーお父さんも、お母さんもあなたたちに学校に行ってもらっているわけではない。行かせてやっているんだ。あなたは、ゆっくり歩いても5分以内で着く中学校ではなく、遠くの中学校を自分で選んだの。雨が降っても槍が降っても、送っていくなんてことはないから、自

大人に考えてほしいこと

一昨日、中学2年生の寺子屋生から英検準2級の一次試験合格の報告があった。 寺子屋の英検対応は、希望があれば、通年いつでも30分の講座を生徒の予定と私たちの空き時間を見つけて提案する形をとっている。普段の授業+αの補足を行ったり、問題に慣れたりしてもらうための授業という位置づけである。授業料も2級までだったら寺子屋生には1回550円~880円と手ごろな感じで。 合格すればよいと大人は思いがちだけれど、子どもの資格は、きちんと実力を伴わないと、彼らがあとで逆に自信をなくしたり

なにかが、おかしい ①

先日、テストを翌週に控えた中学3年生が 「先生、どうしよう、公民が全然わからない。つながりがわからなくて、覚えられない」 と、言ってきたので、 「教科書、読んどる?」 と、聞くと 「読んでない。だって、教科書使ってないから。教科書からは出やんから。」 と、返ってきた。  また、出たな、教科書からは出ない、教科書使ってない主張・・・ と、内心思いながら・・・ 「いや、授業で何を使っているか知らないけれど・・・教科書使ってなくても、内容は教科書も同じはず。まずは

なにかが、おかしい ②

テスト期間が順に始まり、順に終わっていくこの時期、返却された答案を見ながら、いろいろと思うことがある。 最近、不思議な添削をされた答案がある。ある中学校の英語の先生に、〇をつけない先生がいるのだ。添削して返ってくる答案は、間違った問題だけ×がされているというとても味気ないものだ。 まだうちの生徒がその先生のテストに100点を取ったことがないから、わからないけれど、100点だと、点数だけ書かれているのだろうかと想像する。毎回、見せてもらう度、自分が生徒だったら、やる気なくす