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J2第4節 山形×水戸 試合レビュー

山形 1-1 水戸

59分 渡邉(山形)

67分 山口(水戸)

試合寸評

山形は3-4-2-1。本田に変えて岡崎。水戸は3-5-2。中盤3ボランチに村田、安東、松崎。住吉ジェラニレショーンは初スタメン。試合の初め20分はここ2試合丁寧な組み立てを見せていた山形が水戸の裏スペースを徹底的に狙う。しかし住吉、ンドカ、細川の3バックはスピードに富み、数回大槻と山岸がいい形で受けるもサポートを欠き決定打とならず。水戸はここ数節同様に下から丁寧に繋ぐ。純粋に後ろの枚数が増え前節よりはスムーズにボールを繋ぐことに成功。山形は岡崎、中村の2枚で上手くフィルターがかからず奥田、松崎に前を向かせてしまう。

流れが動いたのは給水タイム後。この時間を利用して戦術を変更した山形は水戸アンカーの安東周辺を徹底的に使う戦術を用いる。動きが激しいタイプの安東はスペース管理では後手に回り、松崎、村田はこのスペースを埋めず高めの位置を取っていたために山形ペースとなるが、前半は決定打なく互角で終了。

後半もお互いに入りは変化なし。すると渡邉が安東横の広大なスペースを突き先制。水戸は安東が動いた後、外された後をカバーするメカニズムを欠いており、山形としては飲水後の狙い通り。水戸は安東に変え山田、やや尻すぼみ感のある松崎に変え山口。山田が上手くスペース管理し、村田が激しい上下動を繰り返すことで中盤でペースを握り、山口の個人技で同点。その後水戸は4-4-2へのシステムチェンジで一時流れを掴むも決めきれず。終盤はカウンターの応酬となり同点のまま試合終了。

水戸総評

システム変更によりミスを減らし、前節の様な泥沼の試合は回避。中盤センターのスペース管理は試合を通して大きな弱点ではあったが、一つのオプションとして3-5-2システムが成立した。前4人の距離感良くショートカウンターのシーンもチラホラ。相手によっては有力なオプションとして強みになりそうだ。交替策も効果的ではあったが失点前に安東の所は対策を打っておきたかったところ。とはいえ前節の内容を考えれば十分前向きな結果と言える。次節松本戦はミッドウィーク。今季は柔軟な選手起用が目立つだけにスタメンは注目が集まる。ここ数試合途中出場から光るものを見せる山口に期待。

山形総評

今シーズンの特徴である飲水タイムを上手く活用し戦術の修正を図った点は見事も、決定力不足を解消出来ず。今節も渡邉の一発のみと寂しい結果に終わった。今後注目したいのは中村と末吉。J2では希有な、前線に走りゴールを奪う得点力のあるボランチである中村。そしてドリブルでの突破力のある末吉。この2人はチームを活性化する可能性のあるスキルの持ち主。山岸、大槻、山田ら走れる選手と、一発のある渡邉、そしてこの2人が融合すればもう一段上のチームになりそうだが、果たしてどうか。

水戸選手採点

GK 50 松井謙弥 5.5

一本クロス対応でヒヤリも失点には繋がらず。失点シーンは僅かにリフレクションもあり難度の高いシュートだけに仕方がない。その他のシュート、クロスをしっかり捕球し二次攻撃を防いだ。

DF 2 住吉ジェラニレショーン 6.0

初出場で十分過ぎる内容。裏へのスピード、競り合いの強さと持ち味を発揮した。過密日程で出番は再び訪れるはず。

DF 3 前嶋洋太 5.5

高い位置を取り積極的な仕掛けを見せ、山形左サイドを長い時間押し込んだ。終盤低い位置での仕掛けはリスク大きく疑問が残る。

DF 4 ンドカ・ボニフェイス 6.0

高さとスピードで守備陣を統率。クロス対応に強みがあり、サイドを破られてもしっかり対応。ビルドアップも試合を重ねるごとに安定感が増してきている。

DF 23 外山凌 5.0

数回深い位置に入るシーンもあったがクロス精度を欠いた。終盤大外に広がり展開するも功を奏さず。ビルドアップでは奪い所として認識されている面があり、末吉との一対一対応も不安感あり。

DF 24 細川淳矢 5.5

足元で繋ぐ展開ではあまりボールを持っての見せ場はないものの、クロス対応や裏のスペース管理に奔走した。

MF 8 安東輝 5.0

戦術面の比重が大きいとはいえ彼周辺のスペースは大きな弱点に。左右に振られ持ち味の力強さを見せられないまま交代となった。

MF 11 村田航一 5.5

3ボランチの一角という新しい仕事場で奔走。序盤は高い位置を取りすぎていた面があったものの徐々に修正。運動量を武器に前節より輝きを見せ、終盤惜しいシュートも。

MF 27 松崎快 5.5

序盤はカウンターの流れから可能性を感じさせたものの、その高い位置取りを山形に突かれ徐々に持ち味を発揮出来ないように。早い時間に安東と共に交代となった。

FW 9 中山仁斗 5.5

高い位置で数回ボールを持つも決めきれず。山形GK佐藤に戻り際で止められたシーンは決めて欲しかった。あまり見せ場なく途中交代。

FW 15 奥田晃也 5.5

高い位置でフィジカルを利したボール奪取やキープを見せるも、得点に繋がらず。出場時間はそれなりに長いだけにそろそろ得点を見たい。

〈途中交代〉

MF 7 山田康太 6.0 (71分 ←安東)

ミドルシュートや軽快な身のこなしで攻撃を活性化しつつ、セカンドボールも的確に処理。勝利には繋がらなかったが高いスキルを顕示した。

MF 10 山口一真 6.5(71分 ←松崎)

可能性を感じさせ続けていた精密なキックで同点弾をゲット。ゴール左45度からはアシストもゴールも狙える「山口ゾーン」だ。

MF 6 平野佑一 6.0 (75分 ←住吉)

セカンドボールとカウンター対応に気を配り、投入後しばらくは水戸ペースの時間帯を形成。ミッドウィークで出番がありそうだ。

FW 48 アレフ・ピットブル 5.0(75分 ←中山)

フィジカルの強さが持ち味も良質なクロスは訪れず、いまいちチーム状況とマッチしなかった。こぼれ球を真っ先に追う献身性は見せたが…

DF 28 乾貴哉 採点不可 (93分 ←外山)

足を攣った外山に変わって出場。終了間際であり出番なく。

監督 秋葉忠宏 5.5

前節からチームを修正し、苦手とする山形アウェーの地で勝ち点1を掴む。交代策や試合途中のシステム変更も概ね当たったが、安東横のスペースへの対応が遅れた点が痛かった。




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