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【オンライン講師ブログ】「やりたいことの見つけ方~進路の決め方~」

みなさん、将来の夢はありますか?

どうも、てらこやオンライン講師のMです。
どの大学に進学したいか、大学でどんなことを学びたいか、そして将来どんな仕事がしたいか、まだ決まっていないという人も多いのではないでしょうか。

今回のテーマは「やりたいことの見つけ方」。自分が本当は何をやりたいのか、進路を考えるヒントになれば幸いです。

1.「やりたいこと探し」に関する正しい考え方

まず初めに、やりたいこと探しに関する誤った考え方を訂正しておきたいと思います。

間違い①「一生やり続けられること」でなければならない

私たちの生きる社会は驚くべきスピードで変化しています。一生やり続けたいと思ったことが、十数年後にはAIによって取って代わられているなんてこともあり得ない話ではありません。
新しくやりたいことが見つかったら、働く分野を変えるのもいいでしょう。転職や副業も珍しくない時代です。人は行動したことを後悔するより、行動しなかったことを後悔する場合が多いという研究結果も明らかになっています。
向き合うべきは、あなたが「今一番やりたいこと」です。

間違い②運命的な出会いによってやりたいことが見つかる

本当にやりたいことが見つかると「これだあああ!」といった運命的な感覚があるのではないかと考えている人はいませんか?
もちろん、そういった運命的な出会いをきっかけに大成功している人もいますが、それはごく少数と言っていいでしょう。実際のところ、「やりたいこと」を見つけても最初は「ふーん、面白いかも?」という興味レベルであることがほとんどです。とりあえず仕事として取組んでみて、自分で考え、成長して、他人からも感謝されるうちに「これが自分のやりたいことだ」と感じるようになる場合も多くあります。
「なんとなく面白い」と感じる小さな興味を自分で育てていくことで、「やりたいこと」は作られていきます。

間違い③「人のためになること」でないといけない

「仕事」は誰かに対して価値を提供することであり、それに対して価値を感じた他人がその対価を支払うことで成立します。しかし、「やりたいこと」を考える時点では、それが人の役に立つかどうかは考えなくても大丈夫です。
自分がやりたくないと思うことは、仕事にしても続きません。反対に、自分がやりたいと思うことはストレスなく続けられることなので、人のために長期にわたって貢献し続けることができます。
「やりたいこと」を仕事にする方法は後からでも考えられることです。自分の「やりたいこと」をし続けた結果として「人のためにもなっている」という状態が理想的な形です。

というわけで、まずは自分の内側にある「やりたいこと」を見つけましょう。

2.やりたいことの見つけ方

さて、先ほど「やりたいこと」は運命的な出会いによって見つかるものではないという話をしました。ではどうやったら見つかるのでしょうか?
実は直感的にではなく、論理的に見つける公式があります。

「好きなこと×得意なこと=やりたいこと」

「好きなこと」とは、「自分の情熱がある分野」のことです。例えば、心理学、文学、ファッション、医療、デザイン、ロボットなど。
・興味があってもっと知りたいと感じる
・「なぜ?」「どうすれば?」のような問いが湧いてくる(ロボットはなぜ動くの?など)
・学んでいて面白い 
このような特徴に当てはまる分野はありませんか?
自分が興味を感じてこれに関わっていたい情熱がそそられる分野のことを、ここでいう「好きなこと」と定義します。
ただし、単なる分野としてだけでなく、可能であればその分野のどんなところが好きなのかも考えておくとより良いです。

続いて「得意なこと」とは、「自然と人よりも上手く出来て、やっていて苦がなく心地よいこと」のことです。これは誰もが必ず持っており、特性や性格とも言えますね。
例えば、相手の立場に立って考えること、人と競うこと、勉強し続けること、情報を集めること、分析すること、人前で話すことなど。
・やっていて心地よい
・頑張らなくても無意識にやっている
・ストレスがないので夢中になりやすい
・他の人に対して「なんでこんなことができないの?」と思う
このような特徴があります。(もちろん「得意なこと」もやっていて楽しいものなので、別のやり方だと「好きなこと」に含めるものもあります)

注意してほしいのは、ここでいう「得意なこと」は「スキル・知識」とは異なるということです。例えば英語が話せる、プログラミングができるなどは、後で身につけられるものであるという意味で「スキル・知識」に分類されます。
スキルや知識は自分のやりたいことを実現するために活用できる手段の一つではありますが、それをベースに考えてしまうと選択肢が狭くなってしまいます。一方で「得意なこと」は分野に関わらず活かすことができる自分の武器になります。

「得意なこと」と言われてすぐに思い浮かばなかった人に一つだけアドバイスをするとしたら、他人にイラっとした時は「得意なこと」を見つけるチャンスです。
人にムカつくくらい自分が当たり前にやっていることは、あなたが無意識に実行できている「得意なこと」と言えます。

さて、「やりたいこと」とは、「好きなことを得意なやり方でやること」です。

例えば、ファッションが好きで物作りをすることが得意であれば、ファッション関連の物作りをすることがやりたいことになります。
私の場合は、医療分野に興味があって(好きなこと)人の気持ちに寄り添って話を聞いたり、リーダーシップをとってチームをまとめたりすることが得意なので、「患者さんと近い距離で関わってコミュニケーションをとりつつ、チーム医療で患者さんの健康を守ること」がやりたいことになります。

好きじゃないことはやっていて面白くないし、得意じゃないことは仕事にすると苦しく感じて辛くなります。この方程式に当てはめて、自分のやりたいことを探してみましょう。
やりたいことがなくて迷っている人の多くは、やりたいことにまだ出会っていないのではなく、それが自分のやりたいことだと気付いていない場合が多いです。

3.進路の選び方

大学(や会社など)は、あなたの「やりたいこと」を実現するための手段の一つです。そこに入ることはゴールでもなんでもなく、ただの通過点にすぎません。
自分の「やりたいこと」が見つかれば、あとはそれを実現していくための助けになる大学・学部を選びましょう。

「やりたいこと」を実現するためにどのように大学を活用するかは、人によって様々だと思います。
私の場合は医師という職業になることが実現への最も近いルートであったため、国家資格を得るために医学部を選びました。また、患者さんと近い距離で関わるために、都市部の大病院ではなく地方で地域医療をしたいと思ったため、地域医療について深く学べる島根大学を選びました。

自分の興味のある分野に詳しい教授の講義を聞いてその分野に関して知見を深めたい、やりたいことの実現のためになりたい職業や取りたい資格がある、それ以外にも大学を選ぶ理由は色々あると思います。
特に、学部が先に決まっていて大学に迷っている場合には、将来どんな環境で生活したいか(田舎or都会)やどんな仕事をしたいか(就職実績など)、最終的には入試との相性まで考慮して選ぶことになると思います。

さて、ここまでであれ?と思った人もいるかもしれません。
「やりたいこと」はとりあえず見つかったものの、職業と結びつかないなぁと思っている人はいませんか?
自分の「やりたいこと」を実現することと、それを仕事にすることはイコールではありません。やりたいことをどうやって仕事にするかという話をすると非常に長くなってしまうためここでは省略させてもらいますが、ひとまずそれを考えるのは大学に入学した後の話になります。
「やりたいこと」がすぐに仕事と結びつかなかった人も、それを仕事にする方法を見つけるために大学を利用しましょう。場合によっては起業するために経営学を学ぶのも一つの道かもしれませんし、今はおぼろげな「やりたいこと」が大学に入って興味のある分野を学ぶうちにより具体化されるかもしれません。

一番大切なのは、自分が「行きたい」「学びたい」と思った進路を選ぶことです。
メリットの大きい方を選ぶという考え方もありますが、損得勘定だけで合理的に判断しすぎるのも考えものです。初めは無駄なように思えていたことが後になって大きな役に立つことだってあるのです。

やりたいことは一つじゃないかもしれませんし、やりたいことを実現するルートも一つではないでしょう。
夢の実現に向けた手段として、自分が進みたいと思った進路を選んでいきましょう!

〈参考文献〉
八木仁平「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方」(KADOKAWA/2020年)

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