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人と繋がる

「まきの葉のお餅※、うちで一緒に作るのどう?」

綱引きの練習後、地元の方が声をかけてくれた。

5/5に地元の方が作ってくれたまきの葉のお餅

授業が始まってすぐ、
寺子屋チームで綱引き大会に参加してみようと恒光さんに声をかけて頂き、練習が始まった。

綱引き練習は、週に2回、時間は18:30から。
その前に夕食は済ませておきたい。
授業は17:30〜18:00頃終わるので、練習日はルームメイト3人総出で慌ただしく夕食を作り、とにかく急いで口に詰め込む。

そんな綱引き練習の日は、私にとっては楽しみだった。

みんなで1つの目標に向かって頑張る快感。
そして、地元の方との繋がりができたことが嬉しかった。


何回か練習に通った頃
「まきの葉のお餅を、うちで一緒に作るのどう?私の家の味で良ければ教えてあげたいし、ここ(綱引き練習)で繋がった縁は大切にしたいと思っているんよ」って。

本当に本当に嬉しかった。

お家に受け継がれてる味を教えてもらえるなんて、ものすごく貴重な機会だし、私たち(よそ者)をそんなふうに受け入れてくれていることが嬉しかった。

これ以外にも、海士町に来てからは人の温かさを感じる機会が多すぎて、人と繋がる幸せさを身に染みて感じる。

家族の用事で本土に戻るときに、作ってくれたお菓子
休みの日に頂いたお裾分け
崎みかんの収穫や、梅干し作り等でお世話になる丹後さんのお家でお茶会

初対面や、年齢差がある方に対して、コミュニケーションを取ることが苦手な私は、今まで、深い仲でない人との交流に消極的だった。
人と関わることでの、嫌な部分に注目して、距離を作っていたと思う。

そんな私にとって、様々な人と繋がる幸せを感じることができたのは、ものすごく大きな収穫だと思う。

今週から離島キッチンが始まる。

本当に自分がやっていけるのか不安だらけだが、とにかく目の前のことに集中して、課題や感情一つ一つに向き合い、成長していきたい。

※まきの葉のお餅とは、柏餅に似たもので、海士町では柏の葉が取れないので、柏の葉の代用としてまきの葉(正式名称はサルトリイバラ)を使い、もち粉と上新粉を混ぜて作ったお餅で餡子を包んだもの。

(文:島食の寺子屋生徒 清水)