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蒼い夜
卒業間近ということでか、とても慌ただしい。2022年度1年間コースの寺子屋生活は遅かれ早かれ来月半ばで終わってしまう。残り僅かと思うと焦ってしまうのか、生徒たちが島を離れるまでの予定表を見るだけで、運営側としては追加したい授業があったとしても、これ以上の予定は追加できない気がする程である。
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先週末は隠岐牛花火大会での屋台実践。昨日と今日は、今年度最後の離島キッチン海士での夜会席実践。そして、夜会席が明けては朝から終日椎茸の担ぎ出し。翌週末には島内マルシェへの出店、翌々週は卒業制作弁当の配達と挨拶周りとなる。
どれ一つとして手を抜けるものはなく、提供する料理の試作を重ねながら、とにかく走り抜けるしかない2週間とちょっと。1日ずつ、刻みながら進んでいくような感覚。
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もう、ここまで来ると文字通り「目の前のこと」に集中するしかない。
この島だからこそできたことであったり、1年間を経たあとの学びは、生徒それぞれの部分もあるだろうし、もしかすると明確な答えが見えないまま、このドタバタの中で一旦は卒業する人もいるだろう。そして、卒業して現場に入ってから、寺子屋に在学中に得たいたことと、まだ足りていないものの両方に気付くものの方が多いのかもしれない。
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春の訪れを、花粉症でぼんやりした頭で感じながら、校舎からの帰り道で少しひと息つく瞬間。鮮やかに澄んだ蒼い空へ、月が星を連れて昇っていく。静かな夜空を見上げられる瞬間も1日ずつ。
(文:島食の寺子屋 受入コーディネーター / 恒光)