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ゆっくり、一歩ずつ

2ヶ月はあっという間に過ぎた。
島での生活は一言で言えば「楽しい」に尽きる。

海・山・畑・田んぼへと行き、知らなかったことをたくさん学ぶ日々。
大人が夜な夜な集まって練習して挑む本気の綱引き大会。

こういう生活がしてみたかったんだな。
と思うことが多い。

とはいえ、悩みもある。
来島してすぐに開催されたBBQで他の人の入塾した経緯を聞いたとき正直びっくりした。
みんな人生経験も知識も豊富で、色々考えてここに来ていることに。
「自分はなんと薄っぺらい人間なんだ…!」
と思いそこから内心しゅん…、となりながら日々を過ごしていた。
みんなが一歩も二歩も先を進んでいて、この先自分はどんどん置いていかれていくのかな…と不安になる。

そんなときシェアメイトに不安を打ち明けると「わたしも似たようなこと思ったことあるよ〜」と言ってくれた。
そうか、同じことで悩んでいる人がいるんだ。と少し気が楽になった。

わたしは“料理の勉強と島暮らしができる”ということに惹かれ寺子屋に入塾を決めた。
そのため、卒業後のことは未定。
やはり卒業後の進路を決めていないのは悩みの種だ。

今まで仕事を探す中で“年間休日120日以上!土日祝カレンダー通り休み!今年のGWは11連休〜!”といったTHE・OLさんのような働き方に憧れていた。(結局そのような働き方をしたことはない)

そンな思いもあったので、「お休みはいつですか?」と、島で出会った方何名かに尋ねたことがある。
人によってもちろん答えは様々なのだが、「特にない」「雨の日が休み」と仰られたので、わたしは勝手に「お休み少なくてきっと大変だろうな。」と思っていた。
しかし、ある人にその話をすると「仕事は生活の一部、延長線上にあるものだからね」という返事が。

“仕事が生活の一部”
一見プライベートと仕事の境目がないようにも思える。が、出会った方々はかえって生き生きしているように見えた。
大変な思いもたくさんされているだろうけど、生活を楽しんでいるようだった。

どこかで、安心・安定を求めて正社員でなければ!と決めつけていたし、一つの職業で働くことしか考えてなかったけど、兼業・副業…色々な働き方がある。
世の中の流れ的にも、働き方や住む場所も自由に選べるようになってきている。定住する必要もない。
どんな風に働くか、の考えを狭めていたのは自分自身だったんだな、と思った。

大根の桂むきと細切りの特訓中に、先生に「力みすぎ」と言われたことを思い出す。
今の気付きはここまでだけど、肩の力を抜いてゆっくり一年かけて今後の進路を模索していきたい。

(文:島食の寺子屋生徒 森川)