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脈々

10月があっという間に過ぎ、11月も半ばに差し掛かってきている。
もっと遡れば、9月なんてものが、そういえばあったな、位な感覚。

夏の海遊びに浮かれていた分、秋の落ち着きというものをどっしり感じているのかもしれない。

夏は毎週末のように海へ

9月に入ってすぐの頃、晴れと小雨を交互に繰り返すような天気のなか、晴れ間をぬって急いで稲刈りをしたことが、まるで去年のことかのように思われる。

まだぬかるみが残る田んぼから、泥がついた稲穂を拾い上げ、ため池から流れ出る水で一束ずつすすぐ。たった半日の作業だったけど、生徒たちは面倒なことに対してひいひい言っていた。

泥まみれになった稲刈り

そんな稲穂の実りが、10月に立て続けにあった実践授業で、新米として色んなお客様に提供されてきた。振り返ってみると、あの時のお米が、この1ヵ月を通して日々目の前に季節のものとして姿を現わしてくれていたと、今振り返れば思い出せてくる。

離島キッチン海士で提供される新米

お米以外にも、沢山の主役たちがいた。むかご、真菰竹、極早生みかん、柿。今年は夏が暑すぎたこともあってか、栗の収量が島全体で少なく、辛うじてお客様に出せる分を確保できた。そして、自分たちのおやつ程にしかとれない、アケビもあった。

帽子ひとつ分の栗とアケビ

たったひとつの事象でしかない出来事たちも、その出来事のあとに脈々と違う形で目の前に現れ続けているのではと思い始めた。すごく当たり前のことなのに、日々ちゃんと確かめて歩むのは難しい。

校舎前の桜の蕾

落ち葉にばかり目が行きがちな時期だけれども、上を見上げてみると樹々の間から綺麗な星空を拝めるようになったきた。紅葉が散った枝先からは蕾が顔を出している。

見えていないものが、まだまだ沢山ありそうだ。

ゴーヤが熟れてくると中に赤い種が見える

(文:島食の寺子屋/受入コーディネーター 恒光)