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島食の留学弁当(2023.8.24)

生徒たちだけでお品書きを考え、仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、島食の留学弁当の第3弾!今夏最後のお弁当です。
時期の変化であったり、食材仕入れのイレギュラーなどありながら、お弁当を組み立てていった生徒たちのインタビューです。


左から 清水、堀内、菅原

簡単に自己紹介をお願いします。

堀内:
堀内遥です。兵庫県出身です。以前は介護士をやっていました。
ここに来た理由は、何かをつくりたいという想いから島食の寺子屋を見学してみて、「楽しそうだな、やってみたいな」と思ったからで、勢いで来ました。

菅原:
菅原由佳里です。香川県出身です。以前は看護師を5年して、あとは飲食店とコーヒー屋さんでバイトしていました。
ここに来た理由は、看護師を辞めてからの2年間の間で色んなバイトをしている時に、食事の大切さであったりとか、食べ物から体がどのような影響があるのかというのを知る機会があって、病気になった後のことじゃなくて、病気になる前のことができるんじゃないかって思って、その勉強をしたいと思ったのと。あと、日本らしい風習であったりとか生活を体感できたらなと思って、ここを選びました。

清水:
東京都から来ました清水夏葉です。前職は病院で管理栄養士をしていました。ここに来た理由は一次産業を身近に感じられる環境なので、使う食材を命あるものとして感じながら料理できるかなと思ったのが、大きい理由です。

今回のお弁当のテーマは?そのテーマにした理由は?

菅原:
テーマは「処暑の秋の移ろい御膳」です。
日本には、二十四節気があって、さらに細かく分かれた七十二候があって。そういったことを感じながら過ごせたら良いよねってシェアハウスで話すことがあって。

今まで留学弁当を作った他の2組は、夏真っ盛りの時だから、お弁当の中に緑が入っていたりとか夏を感じるお弁当だったんですけど。
そこから今の時期的には段々と秋に移り変わるときというのが、二十四節気を調べると出てきたので、あしらいのものをちょっと秋っぽいものにしてみたりとか。

稲穂が付き始めている

使う食材もこちらが求めて買い付けるというよりも、あるものでどう調理するのかって考えながら、仕入れできた食材の中でこの食材は夏バテ予防に効くとかっていうこととかを調べたうえで、それをどのように弁当に盛り込もうかなって思いながらメニューを組みました。

秋への移ろい実際に感じることはありますか?

菅原:
田んぼの稲穂がかなり実ってきているなとか、柿の実がついてきているなとか、栗が落ちてきているなとか。あとは若干だけ夜が寒くなってきたりっていう、気温の変化は感じますね。あと、台風とか。

それぞれのお勧めの一品と、お弁当としての全体のバランスをどのように整えたか教えてください。

堀内:
お勧めの一品は、ぬた和えです。今までと違うアレンジを加えて、和え衣にナスを揚げたものを混ぜて加えています。なので、色が少し紫色がかったものになっています。
あと、当初はイカを使いたかったんですけど、魚の仕入れに行った時にイカがなくて、急遽サザエに変えてやってみたりとか。あと、山中さんの畑にお邪魔した時に、初めてパプリカを獲れたのでそのパプリカを使用しています。

山中さんの畑での収穫

菅原:
お勧めは2品あります。今まで衣に何かを加えるというのをあまりしてなかったので、赤紫蘇を入れて色の変化を加えてみました。
もう1品は、焚き合わせに本当は烏賊の山吹煮という卵をまとわせた煮物を1品として使いたかったんですけど、烏賊がなかったということだったので、代わりに他の一品でつかう予定だった真薯を使って、それを焚き合わせの中に入れているのがお勧めです。

清水:
定置網に入っている魚が、週を跨ぐとガラっと変わっていて、「どうしよう。。」ってなって。
焼き魚とかさつま揚げに使う予定の魚を、色々とお品書きの中で入れ替えたりしました。

定置網での仕入れの様子

定置網の短い仕入れの時間の中で3人で話し合って、なんとなくでもありながらここまで形にできたのは、留学弁当ならではの醍醐味を味わえたのかなと思っています。あと、バランスが整っているかについては正直不安で、3人各々の主張が強い感じになるから、今回はそれが私的には不安なポイントです(笑)

菅原:
一番初めの話し合いの時に、味の五色・五味も考えたうえでの、この出来事って感じですね。考えていたけど、食材の初期の設定通りには入っていないから、それがどのような形になって実現しているかっていうのに不安があるという感じです。

魚はこれがあるだろうね、野菜がこうあるだろうねって思い描いていたものと、実際に仕入れることができたものが違うので、当初のお品書きからはずれが生じてきているので、それがどのような味のバランスの結果に繋がるか正直わからないなっていうところです!

最後に食べ手の皆さんにひと言。

堀内:
挑戦含め色々なことを盛り込んだお弁当なので、楽しんで頂ければと思います。

菅原:
他の2組のお弁当と比べて、時期的にも9月が近づいてきているので、時期の違いとかも盛り付けに反映してみたりしています。
もし、今までの弁当を食べられてきている方であれば、「ここ、変わったな」とか「こんなの入っているな」とか、目で見ても楽しめるものになっているはずなので、ぱくぱく食べちゃうというよりかは、こういうの入っているな~とかって楽しみも含まれたらいいなと思っています。

清水:
先生から「とにかく挑戦」と言われていたのもあって、けっこう挑戦している分、その分心配なところもありますけど、彩りも含め楽しんでもらえたらなと思います。

ヒマワリの花が食べられるかもと、とりあえず収穫してみる

(収録:2023年8月23日 朝@島食の寺子屋校舎)