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大根日和

この2ヶ月
一言で表してよ、と問いかけられたら
「大根と綱引きと」かもしれない。

4月1日は土曜日だった。
大きな桜の木を背景に記念撮影
白いポロシャツに黒いエプロンを着て
ぎこちないなり笑顔で「撮る!」恒光さんの声を聞いてた。大根の収穫から1年が始まった。我々の授業を支え腹を満たしてくれた大根の花は、黄色く小さい。

大根を育てられたお母さんにお話を聞くと寺子屋の生徒の為に収穫時期をずらして下さったとのこと。学校では、ひたすら大根と向き合う。
桂むきなんてしたことがなかった。
中々3cm続かない。先生はいとも簡単そうにされている。指をどう動かすのか、先生の指から生まれる白い絹のような大根の桂むきと自分の桂むきは同じ食材とは思えない。

他にも我々は、励んできたことがある。
5月20日に行われた綱引き大会のために
本当に練習した。
雨の日も晴れの日も授業の後も週2回練習した。
最初は、なんで綱引きやんだと思った。
途中で、なんでこんな事してんだと何回も思った。

でも参加できてよかった。
本当に参加させてもらえてよかった。
どんだけいい人なんだと思う各メンバーの皆さんとできたこと。アホみたいに涙腺が緩んでいたこと、顔に魚を描いてもらったこと。喉が痛くなるほど声を出して円陣組んで崎の皆さんに
応援してもらい応援して最高な日だった。
 
卒業生の先輩も参加して下さった
最高だった。

綱引きの後日10時間寝た、寝過ぎだろと1人でつっこみ重い腰をあげてお片付けを始めた。
散らかってしまった自分の部屋を見て今度は頭が痛くなる。いかん、こんなでは美しいお弁当が作れやしない。まずは自分の身なりから。

この2ヶ月異常な食欲だったと思う。
食べ過ぎてだらしない自分の身体を弾ませて
あー鍛えようとここに書いてみる。
自分を整えて、自然を感じるポケットを無理矢理伸ばそう。

人と食材から教えてもらったこの春
この季節をばぁちゃんに伝えたい。
友達に伝えたい。春はこの食材に出会ったと
こんな作り方を教わりましたと。

そして
誰かと囲むご飯がうまいこと。

知ってほしいなぁ

(文:島食の寺子屋生徒 堀内)