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寺子屋の魅力再発見


「島食の寺子屋 和食を学ぶツアー」

JICAの方達と寺子屋で共に学び合うことを目的としたイベント。

テーマは、食材と向き合う。

生産者の方のところへ直接行き、話を聞きながら食材が生まれる背景をしる、生産者の方の想いを聞く。あるいは自分の足で自然の中にはいっていき食材となるものを探す、採りにいく。


寺子屋の学びを生徒たちだけではなく、JICAのメンバーと共に行った。そうすることで、自分たちが普段していることを改めて見つめ直すきっかけになった。

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それはムラーズファームさんへ野菜を仕入れに行ったときのこと。JICAメンバーがムラーさんに質問をしているうちに自分が知らなかったことが沢山出てきた。

土づくりのこと、有機農業をしようと思ったきっかけ、野菜への関わり方など。その中で印象深かったことは

“自然”な姿を大事にしているということ。

それは土づくりにおいても機械を使い効率的に耕すのではなく、土の中の本来ある自然の仕組みを崩しすぎないように手で耕していること。できた野菜に傷があったりサイズが違っても自然なことだと受け入れるドイツの有機農業の文化。野菜のクズなどが鶏のエサになり卵の養分になっているという自然の循環。鶏をおりに入れて卵を産ませ続け産まなくなったら処分するという人間中心主義のような飼い方ではなく、鶏が自由に動き回れて卵を産みたいときに小屋に入り、たくさん卵を産まなくなったとしてもなるべく自然な形のまま飼っているということ。


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またこの自然な姿がどこまで成されているかによってオーガニックの中身が変わってくるのではないかということも教えてもらった。オーガニックだから何でもいいわけでなく、味、栄養面、作っていく過程、どういう違いがあるのかきちんと自分で見ること、感じること、知ることが大事。自然をなるべくそのままにすることでエネルギーがある野菜や卵がうまれてきているということを知った。


これらのことは、普段ムラーズファームへいき野菜のことを話してもらい仕入れていたけれど聞けなかったこと。JICAのみなさんがいたからこそムラーズファームをいままでとは違う視点でみれるきっかけを与えてもらった。


また、お昼は採れたて卵の卵かけご飯を海を見ながら頬張り、夜は今日とってきた野菜たちを使って食材と向き合いながらそれぞれの特徴を活かす料理をペアになって作った。

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私たちのペアのテーマは「食材の全部を使う」

JICAの小池くんが私に「食材の全てを使って料理をしてみたいんです!!」と言ってくれた一言で、普段食べられるのに捨てられてしまうところも使って料理をしようと思った。そこで思いついたのが、人参と人参葉、赤平のかき揚げ。赤平のあらで採った潮汁。潮汁の具材にはラディッシュとラディッシュの葉っぱを。人参、ラディッシュ、赤平を全て残すところなく使った料理に。

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「普段家で料理しないんですよー」、といいながら「魚捌く動画見てきましたー!」と、料理をつくることには関心を持ってくれていて、意欲的に取り組んでくれた。そして、初めて使う出刃包丁をもち、魚を捌きながら、おおー!すごいー!と興味津々で魚捌きを楽しんでくれた。終わり際には、料理自分も少し勉強しようかなー!っとぼそっとつぶやいてくれていた。

ほんの一回の短い体験だけれど、きっと私達が当たり前にやっていることが、新鮮に写り、「初めてやってみたけど楽しかったな」という感触がほんのり残ってくれているのかな、、、と感じた瞬間だった。

同時にこのワークショップを通して、料理のこと、食材のことと向き合いながら同時にその人を成り立たせている生活のことも垣間見た気がした。

それは食への向き合い方から、どういう家庭だったのか、今どうしてここにいるのか、これからどうしていきたいのかまで、話はどんどん膨らんだ。

そしてみんなで作ったご飯を食べて、ワークショップが終わる頃には昨日初めてあったとは思えないほどの繋がりが生まれたような気がした。食べること、作ること、これらは人と人を繋ぐ大きなテーマであることを改めて実感しました。

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(文:岡村)