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留学弁当(2023/12/7)

離島で和食を学ぶ「島食の寺子屋」1年間コースに通う生徒たちが、自らお品書きを考えて提供する留学弁当。8月に実施して以来となる留学弁当。
離島キッチン海士で、数々の観光客の方々に料理を提供してきた9月10月を経て、成長した生徒たちのお弁当インタビューです!今回は堀内さんと野本さんがお品書きを担当しました。

左が堀内さん 右が野本さん

今回のお弁当のテーマは?
そして、どのようにテーマを料理で表現しようとしましたか?

堀内:「師走弁当」です。

24節気の「大雪」というテーマと、クリスマスの時期なのでクリスマスらしいお弁当にしようと考えました。24節気の「大雪」という言葉には、冬が来るということで食べ物で「防ぐ」という意味があるそうです。

これから食材が減っていく冬に向けて、食べ物で体を温めたり、外に出ていく体力を養っていくという意味があるそうです。なので、体が温まるような組合せになればいいなと思って、お品書きを考えました。

野本:
前回のアンケートで、冬に食べたいものを挙げてもらった中に、おでんとか、ふろふきとか、白いものとか、色々と書いてくださっていて。

温かいものといえばそういうものだということで、今回はおでんも入れてみたし、色々と今が旬の冬の食材を入れてみました。シークァーサーとか、キュウイとか大根とか。

あと、裏テーマで「体を守る」ということで、酒粕とか麹とかを色んなところに散りばめてあって。本当は全部のメニューに組み込みたかったんですけど、出来なかった部分もあります。

隠岐の島町の糀店

離島キッチン海士の実践で、キュウイをすり下ろしたのと塩麴を入れて、ローストビーフに味付けをしながら柔らかくしたことを思い出して。それを試作でやってみたところ、柔らかくなってしまいすぎて、結局諦めて一杯醤油で代用することにしたり。

思い入れのある食材もしくは一品を教えてください。

堀内:ふたつあります。
ひとつめはおでんです。おでんを入れていて、野本さんがおでんを試作したのを食べた時に、しょっぱく感じたんです。他の生徒に聞いてみたら、しょっぱいという人とちょうど良いという生徒に分かれて。そこで初めて、関西と関東のおでんの味が違うということに気付いて、面白いな!って思いました。

当たり前のように食べてきたおでんが、実は味が違うんだってことに気付けて。なので、おでんに対して皆さんがどんな反応が返ってくるか楽しみです。

あとは、お米です!
お米は最後の最後まで決まらなかったんですけど、最後は白米で攻めています。白米にこだわった理由があって、山中さんのお宅に行って色々とお米づくりのことで、こういうところを工夫をしているんだよねとか、辞めようと思ったときに辞めないでって周りの人が手伝ってくれたこともあった話とか色々と聞けて。

稲作の出発地点 籾種蒔き

あと、新米って呼べる時期が12月までってことを先生から教えてもらって。
なので、炊き込みごはんではなく地味に感じるかもしれないですけど、お米そのものの美味しさを味わって頂きたいなと思います。

野本:わたしもおでんで。。(笑)
それこそ、姫路(堀内さんの出身地)では生姜醤油をつけるんですって。
それも知らなくって。

正直、うちの実家は関東風といえども、ちょっと薄い関西風にしたくって。なおかつ、姫路で食べられているという生姜醤油をつけてみようかなと思っていて。

なので、どんな反応になるんだろうって。「なんだこれ?」ってなるかもしれないし、それが面白そうだからやってみようと思ったのと。

その中で、わたしは豆腐揚げに力を入れていました。思った通りになかなかならなくって。イメージよりかはだいぶん堅くなってしまったんですけど、これ以上お豆腐とかメレンゲとかを入れないと目標とする柔らかさにならないんだなと思って、苦労していました。なので、思い入れがあります。

あとは、おでんの中に椎茸を入れたんですけど、原木の榾木起こしに行った時に、やっぱりプリンとした椎茸を食べてもらいたくて。おでんに椎茸とか入れないと思うんですけど、出汁が含んでいるぷりんとした椎茸を食べてもらいたくて。けど、単に入れると味気ないなと思って、そこで先生に相談してみたら「裏白椎茸」っていうやり方があって、それに挑戦してみたんですけど。そこに自然薯と卵とメレンゲを蒸したものを入れているので、椎茸を味わってほしいなと思っています。

原木椎茸の現場

最後に食べ手の皆さんにひと言!

堀内:楽しんでいただけたらなと思うんですけど、もうひとつ知って頂きたいことがあって。

黒豆大福を入れるんですけど、餡子の中に梅を入れているんです。シロップを作った後の梅を何かに使えないかなっていうところから、始まりました。それをぜひ驚いてもらいたいなと思います。

しわしわの梅まで使い切る

野本:
師走弁当ということで、まずは温まってほしいというのと。
メンチカツとかタルト風のものも入れています。あと、緑と赤と白と黄色を意識してやったので、ちょっとでもクリスマスを感じてもらえたらと思います。

(収録:2023年12月7日 @島食の寺子屋校舎 放課後)