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コロナのあとのこと。

夏にコロナに罹患した。どこで捕獲したのか、今となっては分からないし、保健所の方には申し訳ないけれど興味もなかった。ただ気の緩みで、ウイルスの付け入る隙を与えてしまったということだ。

メディアやネットで読んだりするより、不気味で不快な病気だった。本当に辛かったのは、感受性の劣化だった。入院中も、その後も、以前と感じ方が違う。まるで、薄いフィルター掛けて世界を眺めるような感覚。
夜空は遠く、陽は薄く、空気は幾ばくか重い。後遺症と言われるものだろうが、よく言われる無気力や気怠さとも違う、まるで重力が異なる惑星に降り立ったような気分がずっとつづいた。
知人には、ブレインフォグではないか、と言われGoogleに問うてみたが、ちょっとちがう。
脳ははっきりと動いているし、霧がかかった感覚は似ていても、記憶は明瞭で生活に困ることはないのだ。

強いて言えば、日常のlo-fi化ともいえばよいのか。
流行りのchill beatの音質みたいに劣化して、ダイナミクスに欠けている。

こんな時でも曲を書くのが、僕らの性分で、サウンドやノート、グルーブ、がアフターコロナというlo-fiエフェクターでどう変わるのか、試してみてる。
音楽は生きる過程で生まれる。
きっとそれなりの曲が書けている筈だ。

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