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今、リーダーが最も重視すべきは「合意形成能力」

<時代によってリーダーに必要な能力は変わる>

 高度成長期と言われ、日本が盛り上がりまくっていた頃は、
”リーダーシップ=最前線で引っ張る力”であった。
全体の場で熱く目標を語り、俺について来いと発破(はっぱ)をかける。
そして、チームをリーダーが目指す目的地へ先導(せんどう)していく。
 しかし、現在そういったリーダーを目にする機会は少ない。
なぜか。
最近の若者がダメだから?いや、むしろ管理職についてるのは若者よりもご年配の方が多いと思うのだが・・・
 私は「正解」が見つけにくい社会になったからだと捉えている。
先導型の人間が少なくなったのではなく、活躍しにくい時代になったのだ。
 当時は、良いものを作れば売れる、性能を上げれば消費者が買い替えてくれると、企業も何をしたら良いのか、比較的分かりやすい時代だった。
だからこそ、「正解」は少し考えればそれなりの成果を出すものを見つけることができた。
そして、行動を起こすことで、正解へ続く一直線の道をまず走り出し、そして後ろからついてくるものを先導するタイプが活躍した。
 しかし、現在はそう単純ではない。
様々な要因により、安易に「正解」を見つけ出せる時代ではなくなってしまった。
そうなると、そもそも引っ張るべき目標が正解かどうか当人もわからない。
付いていく側も、それが正解なのかどうか疑問を抱いているために、むしろ強引に引っ張りこもうとする上司を見て身の危険を感じ始める。
 時代が変わるにつれて、リーダーに求められる能力は変わったのだ。

<現在のリーダーとは>

 とはいえ、リーダーに求められているものが、チームを特定の場所へ導くことだという根本は変わらない。
それを放棄した時点で、それはリーダーでもなんでもなく、企業の管理職であればただのハンコ押し機に成り下がる。
とっとと機械に変えた方が、当人も周りも幸せになるだろう。
 では、どのように目標へ導くのが良いのか。
それは先導ではなく、扇動(せんどう)
先導者ではなく、扇動者(せんどうしゃ)を目指すべきだと提案したい。
つまり、前に立って引っ張るのではなく、時には横並びで、時には後ろから意欲を煽(あお)り、行くべき方向へ自然とチームが向かうように仕向ける。
しかも、メンバー自らの熱意を原動力に。
そんな一見器用ともいえる立ち回りができる者が、現在のリーダーと呼ばれるにふさわしい時代になっている。

<扇動の鍵は合意形成>

 扇動と書いたが、先導することよりもずっと難しいことだと私は思う。
先導者が見るべきものはゴール。
しかし、扇動者が見るべきものはゴールとチームのメンバーだ。
絶大なコミュ力を必要とする、リア充専門職かと言いたくなる。。。
ただ、そこにヒントを与えるとしたら、合意形成となるんじゃないだろうか。
 結局のところ、人はモチベーションの生き物。
自分自身を振り返っても、モチベーションでパフォーマンスが変わる例なんて挙げたらキリがない。
そして、他人に決められたことに対して高いモチベーションを保つことは難しいし珍しい。
ならせめて、「自分で決めたこと」、もしくは「自分たちで決めたこと」だと納得させることができれば、チームのパフォーマンスは上がるのではないだろうか?
 合意形成能力
それが、これからチームを扇動する上で、リーダーがまず意識しなければいけない基本の能力となっていると私は考えている。

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