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『サッカー楽しいか?』

「イラストレーターの癖に2投稿目でサッカー愛かよ?」

そんなツッコミもウエルカム。実は明日が締め切りでもサッカー中継に見入っちゃうような輩である(笑)。自己紹介ついで(こういうトコから仕事に繋がったりもなきにしも非ずなので... )に、四半世紀ほど前と、10年ちょっと前、そしてつい10日ほど前。いずれも過去の話で恐縮だが、「書きたいから」書いてみようと思う。

こう見えて割とガチだったんですよ。

高校時代、僕より上手いなと思う先輩同僚後輩(元Jリーガーも若干名)が少なく見積もっても100人はいただろうか... いちおう当時は埼玉から全国に名を轟かせた(今でも割と有名)名門サッカー部の出身だ。部員の一人としての立場でしかないが「国立」の応援スタンドの経験もあったりする。

いちおうそんなチームで一度だけ試合のメンバーに滑り込んだことがあって、嬉しくてその夜眠れなかったことを覚えている(ちなみに雨で試合は中止... 唯一の僕の高校サッカーでの実績がそれ)が、たぶんその辺のどこにでもいるような選手でしかなかったw  それでもなんやかんやの名門校である。

卒業後、早速社会人リーグに所属しながら、子供の頃に世話になったチームに、ボランティアコーチとしてたびたび顔を出すようになり、気づけば10年以上... チームを代表して埼玉県南部のトレセンのスタッフとして携わったこともあり、C級指導員ライセンスを取りたいと申し出た時は「その時間と金と情熱あったらもっと絵描けよ!」と妻に叱咤され、ぐうの音も出なかったことがあるw

東久留米市に転居し、2人目(今は3人)の子供ができた頃からサッカーの現場を離れた。年頃になった子供たちと一緒に現場に戻ろうとの目論見は悲しくなるほどに失敗。せいぜいたまにフットサルに行くか、飲みに行ってサッカー談義に花を咲かせる程度 。。

「目指す」期間も含め、イラストレーターの仕事に明け暮れるうちに、生活の中からサッカーの時間は激減し、もはやサッカー界の人間とはとても呼べない状態になっていた。

10年以上の沈黙を破り...

それが一昨年の年末、娘の同級生のあるお母さんから「湧水カップのコーチをやってくれ」との打診があった。ここは端折るが、うっかり準優勝してしまい、今年はシード(=さほどの実力もないのに強いチーム扱い)からのスタート。今年も当然やるよねと、こんどは子供達から直々にお願いに来られてしまった。まぁ断る理由もない。

【湧水カップ】
東久留米市に40年以上の歴史を誇る、小学校対抗のサッカー大会。
半数以上がサッカーチームの所属なし・原則学校の教員は関わらず、保護者を中心に朝練を主として準備を行う珍しい大会。
当日は選手・保護者を含めて1000人以上もの人が集まる。

敢えて結果を先に言おう。今年も準優勝である。


ああぁぁぁぁぁぁ… まだ悔しいっ(笑)


あと一歩か半歩か… いちばん大事なのは勝敗ではないけど、サッカーで負けるってのはやっぱり悔しい 。

ただ大会の大きな目的は、勝敗でも強化でもなく「普及」である。

その点に照らしても、経験が足りない(女子に至っては経験者1人😳)子が半数以上の状況においても「上手い子に依存しないチームづくり」ここだけは絶対に外したくないし外してはならないと考えた(全員出場させたし上手い5年生を引っ張ってきたりなんてしてないからね)。

「ただ勝ちたいだけ」なら、普段チームでやってる上手い子を集めてくればいいだけの話だ。


サッカーは「蹴って・走る」ではない。

担当(6年生男女)としてまず初めにやったこと。それは、大抵の保護者や初心者が勘違いするであろう、

サッカーは『蹴って・走る』?

この先入観を取っ払うこと。
「蹴る」も「走る」も手段であって、目的はあくまで【ゴール】である。

(ゴール・人・スペース etc.を)『見て』(ボールをゴールまで)『運ぶ』

だと執拗に訴え、サポーターとなる保護者には応援時の「蹴れ蹴れ〜‼️」禁止令 、いくつかのNGワードのお達しまで出したほど。


いざ朝練スタート

さて11月末頃の初回の練習。いちばん最初に、

【目標】
 女子:蹴り合わないでボールを自分たちで持って「運ぶ」
 男子:女子の目標を当たり前にやった上で自力でゴールを奪って「勝つ」

と選手たちに授けた。

もう一つの課題は、経験的に不安な子たちのそれをどう取り除くか⁇ である。そこで、普段チームでやってる子たち(割とどこにでもいるレベル)には、

「チームでなら簡単に伝わる指示」を「分からないチームメイトにどうやって伝えるか?」を考え抜け。場合によっては直接教えても良し!

とのミッションを付け加えた。

終わったプレーの文句ではなく、ミスする前の「伝わる要求」「ミスした後のカバー」をちゃんとしろ、ということ。たとえサッカーが下手でも、必要ない選手は一人もいない。レベル的に物足りなくても、周りを活かすために悩むことは絶対に財産になる、ということを強調した。

本来のコーチングなら「ヒントを出す」「考えさせる」に重きを置くところだが、2ヶ月限定のチームである故、先に「教える」ことも多い(ただし可能な限り「なんでそうなる⁇」の問いを心がけた)。

そうしたのは、ちょっとくらい教えて理解させたとしても、プレー中に考えなければならないこと満載だからだ。そして何より選手たちが自発的に「勝ちたい」と申し出て来た(これは嬉しかったゾ☆)から少しだけ「勝ちに行く」方向へと舵を切り直し、「どこまで教えるべきか?」「どこを妥協するか?」を僕の方が考え抜くことにした。


たぶん一番大切なこと

練習時は「どっちの足に欲しいの?」「体の向きは?」「2人目3人目は連動してる?」「頭が止まってない?」...言い出したらキリがないが、具体的なことを問い詰めている。さらに練習時間(正味1時間/週)が短すぎる!

それでも試合となれば「前からのDF はサボんな」「ラインの押し上げが遅い」「攻守の切り替え!」等々... 経験者でもうっかり抜け落ちそうな結構な要求もした。

順当以上に決勝まで駒を進めることができ、チームの雰囲気も良くなってると感じつつ、未経験者は特に「ちょっとキツイかもしれないな...」と思うような兆候がちらほらあった 。。

そんな中での決勝戦。送り出す直前、たぶん一番大切なことを聞いてみた。

『サッカー楽しいか⁇』

そして全員が即答でYES だった。

「お前らサイコーだぁぁぁ!」ちょっと涙が出そうになったほど。もしかしたら最近いちばん感動した出来事かもしれない。


成功より「成長」

男女とも、その頑張りはもちろん、最初の目標を貫こうとしているのが随所に見えて、どの参加チームよりも未経験の子たちがゲームに参加していた。そこは胸を張って言いたい。

女子はたった1本だけ打たれたシュート、男子はセルフジャッジで一瞬止まった所に抜け出されての決定機… 結果的にそれらが決勝点という、ホントにあと少しの敗戦だった。負け試合に「たら・れば」はつきものだから控えるが、とにかく負けは負けである。

それでも僅か2か月ちょっとの間でそれぞれ上達し、どのレベルの子も自分で考え、見て、「判断」しようとするその姿は感度的ですらあった。

男子の未経験の子から「中学でサッカー部に入る‼️」との声、女子の数名からも「部活であるならやってみたいんだけどなぁ…」(マジで中学校に女子サッカー部作ってください!)など聞くこともでき、試合の結果以外は大満足である。

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保護者が開いてくれたちょっとした「おつかれ会」の席の最後、

努力したからと成功は保証されないけど『成長』は絶対にするんだよ

僭越ながらそんな言葉を送らせてもらった。もうすぐ中学に上がる面々に、(準備期間も含めた)大会を通じて、あとちょっとで負けたことを通じて、大事なことを伝えることができたのではないかなと思う。

ついでに日本サッカーの発展に「数千万分の一」くらいは貢献できたのかな?とも(笑)。


せっかくなので、サッカー絡みの仕事もいくつか貼らさせてください。(そういえば今日、某スポーツ誌の編集さんに「1ページものイラスト込でコラムとか書かせてくださいw」なんて図々しくアピールして来ましたw)

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