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バレーボールコーチ(指導者)に読んでほしい一冊(2024)


どの分野でも、「理論と実践」と言われるわけですが、バレーボールの指導現場にいて長年感じてきたことは、何年たっても全国どこへ行っても、アップデートされていない同じような指導内容が聞かれる・見られるということです。
そして、スポーツ界でも問題となっている現象がバレーボールにも色濃く残っています。

・根拠がない精神論とそこからくる暴言や暴力
・「~先生が言ってます」、「~でやってました」のメッセンジャー指導者
・自分(指導者)の感覚や経験だけに頼った指導
・物理法則に反した非科学的な理論
・無駄に長時間練習を生む非合理的な練習

バレーボール指導者としての「学び」「学ぶ方法」は多様です。今は、情報通信技術も発達していますから、映像資料や遠隔地とのオンライン交流なども容易で、情報があふれています。
しかし、そんな現代にあっても、書籍などの文献資料は有益です。いくら「百聞は一見にしかず」と言って安易に動画だけから学ぼうとするのではなく、書籍や論文を読み解くことは、学ぶ人間の思考を整理することにもつながります。
近年手に取った書籍で、バレーボール指導者として間違いなくアップデートをうながすことに資するおすすめのものを紹介します。

まずは、「バレーボール」で必読なものから

書店に行くと、
「よくわかる」、「上達のコツ」、「必ずできる」・・・というタイトルの書籍が並んでいます。しかもそれらは、昔から続いています。内容は、どちらかというと著名な指導者が自身の言語化によって「ハウツー」を紹介している内容が多いです。
私の場合は、そういう「ハウツー本」は、「※これはあくまでも個人の見解です」という認識でいるので、絶対万人が上手くいくものではないということを、購入しては熟読し実践してみてわかったからです。
以下の書籍は、それらとは一線を画した内容の書籍です。特に、平成期以前の指導理論や指導観に立っておられる方には、最初は違和感を感じるかもしれませんが、ぜひ根気強く最後まで何度も読んでいただければと思います。

(書籍じゃないけど必読)

失礼なことを敢えて書かせていただくと、「バレーボールの指導をしています」、「バレーボールコーチしています」という人は、これらのものを「読んだことない」、「知らない」というのは、自分は大変もったいないと思います。ぜひ読んでみてください。


指導の中でやみくもに「気持ち」「気合い」「心」「集中」を言う前に・・・

バレーボールの指導現場にいると、(他競技もそうかもですが)とにかく「気持ち」だの「気合い」だの「心」だの「集中」だの言う場面を多く見ます。
でも、それら「メンタル」的な要素は、どのように良い状態になるのか、どういう要因が働いているのか、分かっている人は多くないはずです。
選手がエラーやミスをしたとき、セットや試合を落としてしまったとき、「気持ちが足りない」、「心で負けた」、「集中力が欠けていた」という言葉を持ち出すことが多い方は、ぜひ読んでいただきたいです。


技術指導は、指導よりもコーチングであるべき理由

手をこうして、脚をこうして、手首をこう使って、足首をこう動かして・・・こういう手取り足取りの指導、しかもその多くが指導者自身の経験や感覚、自分が教わった内容をそのまま言語化してやらせていることが多いのではないでしょうか?
しかし、その伝達にヒットする選手もいれば、言う通りにならない選手もいるはずです。指導者の言語化自体も、人によって様々です。イメージもニュアンスも伝わり方は千差万別。
バレーボールのスキルやテクニックは、「暗黙知」とか「身体知」と言われるように、本人でしか分からない世界観の中で本人でしかたどれないプロセスを通して本人が獲得するもの。
だから、コーチ(指導者)は、「やらせる」のではなく、試行錯誤の中で本人に気付きやコツを「引き出す」「導く」ことが役割になることがわかってくるはずです。


「教える」前に「知っている」か?指導者としてバレーボールの性質や構造を理解する必要性

「バレーボール・コーチ」(指導者)を自認するのであれば、
・バレーボールを理解しようと探究している
・バレーボールについてアップデートを絶やさない
ということは必須な姿勢だと思います。

バレーボール・コーチとして選手に関わるのであれば、まず自分の経験や感覚を伝える前に、クリアしておかねばならない大切なことがたくさんあります。
「バレーボールとは何か?」
「バレーボールの性質」
「バレーボールの構造」
こういったものへの理解なくして、どうして指導ができるのでしょうか?
そこへの理解がないまま指導するので、指導者自身にとって自分の思い通りにいかないことや分からない状況が次々と降りかかって、ストレスに堪え切れず、短絡的な指導となってしまうのです。

以下、サッカーの書籍を紹介しています。
1個のボールを、複数人で構成されるチームどうしが対戦し、得点の攻防を行う。
こういったバレーボールにも通ずることが多々ある特徴のある競技をどのように考え、どのようにアプローチするか。そういった視点は、バレーボールの理解にも大いに役立ちます。そして、そこから戦術の立て方や、チームの強化や調整、練習のアプローチへと視点が広がりコネクトしていきます。


旧来の伝統的な指導をアップデートする必要性を具現化した他競技の事例を知る

バレーボールに先駆けて、他競技であるサッカーやバスケットボールでは、それまでの伝統的な「個人の言語化ハウツー論」に依存した書籍ではない、その競技の特性や構造をとらえるところから、合理的に指導理論を構築しているものが出てくるようになりました。
次こそは、「バレーボール」が、続いてほしいと願いつつ。


「練習」とは何か?得た知見をどう練習で具現化しコーディネートするかを学ぶ

ここから、理論から実践へとシフトしていくわけですが、とにかく安易に「ハウツー論」には飛びつかないということを忘れてはいけません。
むしろ、どんな練習メニューやドリルがいいか、そこには絶対的な正解があるわけでもなく、同じ内容でも指導者によって伝わり方やその効果も違えば、対象となる選手やチームの実態によってフィットするかどうかもわかりません。
「誰が正しいか?」は論外。「何が正しいか」だけではキケン。
「何をどのような考えをもってやるのがいいのか?」
そういったことを学び続けながら、どんな練習をするのがいいのかを、目の前にいる選手やスタッフと協働し、対話し、試行錯誤しながら、「あなたしかできない」指導を実現させるべきだと思います。

当ブログでは、超絶個人的な考察ですが、これらの資料から学んだことなどを、バレーボールの指導の側面からもまとめています。新しくバレーボールを知り、興味を持ってくださる方々の参考になれば幸いです。今後ともよろしくお願いします。

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・選手、指導者のオンコートレクチャー
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#バレーボール
#volleyball

(2024年)