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フューチャーされた記事(注目記事)

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ブログ記事のアーカイブの中で反響やアクセスが多かった記事を紹介してあります。
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記事一覧

イン・システムがあるからアウト・オブ・システムがある(当たり前)

(写真FIVB) 情報の共有は重要であるバレーボールは、複数人で構成するチームで行うスポーツです。ですから、チーム内でのディシプリン(規律)やガイドライン(指針)といった、メンバーの共通理解や自己組織化を図られるような仕組みが必要になってきます。 自チームのプレー、そして対戦相手のプレー、それぞれ予測がしにくい不確実な(ある程度は限定できるが)状況が続き、試合展開や局面の推移も複雑多岐にわたります。プレーや場面、ゲームの展開は、事後の完全再現が困難なものが多いです。 そうい

新たな「歴史の扉が開く一戦」~オルレアンの歓喜(Week2) #VNL2023

(写真FIVB) FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)第2週3日目はフランスのオルレランでの試合。バレーボール男子日本代表は、ブラジルと対戦しセットカウント3ー2(①25-23, ②25-21, ③18-25, ④22-25, ⑤18-16)のフルセットで勝利しました。 公式戦でのブラジルからの勝利は1993年7月4日のワールドリーグ(現VNLの前身)予選1次リーグで3-2で勝って以来29連敗を喫してきた中の、実に30

バレーボール男子日本代表~強さの源は、思考の共有と浸透(Week1) #VNL2023

(写真FIVB) バレーボールネーションズリーグ2023 日本代表男子登録選手 FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)は、FIVB(国際バレーボール連盟)が2018年から開催しているバレーボール国際大会です。 かつての国際大会、男子の「バレーボール・ワールドリーグ」と女子の「バレーボール・ワールドグランプリ」を発展的に統合した大会となります。 毎年行われ、男女共通の競技方式で、男女それぞれ16チームが参加します。202

「教える」「指導する」「してあげる」という概念を一度手放してみればいい件について

 今年はまだ、日本国内はコロナウイルス感染症の拡大が止まらない情勢下でありますが、それまであった様々な制約や行動制限による縛りはさほどなく、日本国内のバレーボールの各種大会も実施されています。2~3年越しの”ようやく”という思いの方も多いのではないでしょうか。どの種目でも、この夏、各種「全国大会」にも熱い視線が注がれていました。バレーボールでも、(小学バレー)全日本バレーボール小学生大会、(中学バレー)全日本中学校バレーボール選手権大会「全中」、(高校バレー)全国高等学校総合

結局「ニッポン・オリジナル」とは何だったのか?

(写真FIVB) 30年かかったことがわずか3~4年で動いた 今思えば、1990年代後期以降、日本の男子バレーボールは女子に比べ、オリンピックに出場できない大会が長く続いてきました。国際大会における結果と同じように、試合内容も何か観ている人には、世界との圧倒的な力の差を感じさせてしまうものが繰り返されてきました。そのたびに、悲喜こもごもいろんな感想やオピニオンが出てきたわけです。  昨年の東京2020オリンピックでは、29年ぶりに決勝トーナメントに進みベスト8(7位)に。今

シンガポールでバレーボール(2017)

2017年12月末。北海道ヤングクラブ連盟の国際交流事業として、北海道内のヤングクラブ選手の中学生たちとシンガポールに行く機会を得ました。シンガポールには長年バレーボールの国際交流に尽力されている、成田明彦先生がいらっしゃって、今回の国際交流が実現しました。成田先生はシンガポールでバレーボールの普及と指導にあたっておられました。  こうして、日本を出て、海外のバレーボールの風を直に感じる機会を得ました。ナショナルチームクラスの試合は、むしろ日本でも国際大会が開かれることもあ

ネットを下げてでもやるべき練習

 なかなかネットを下げて練習をすることに抵抗感がある指導者も多いような気がします。しかし、バレーボール初心者だからこそ、今すぐにでもネットを下げてでも練習をした方がいいこともあると思います。 ① オーバー ザ ネット ペッパー ドリル いわゆる2人や3人が向き合ってボールをつなぐドリルも、なるべくネットを介して行う工夫が必要です。常にネットを挟んでボールが往来することを当たり前にしたいところです。単調なパスドリルでも、ネットを挟むとよいです。  ② キャッチを入れたゲーム

バレーボール「戦い方」ポイント➁(ゆるーい戦術論中級編)

(2019年記事) 東京五輪を翌年に控えたワールドカップが開幕しました。 女子の試合から開幕です。 男子は、10月1日からスタートです。 来年やってくる2020年東京オリンピックでは、 開催地であるがゆえに出場が決まっているとはいえ、 前年のこのワールドカップは、五輪の結果を占う試金石となる重要な大会。 また、地上波のテレビ中継でバレーボールの試合が放送されるという点でも 貴重な機会だと思っています。 過去に、バレーボールに少しでも関心をもってもらえたらいいなという思いで

なぜ「怒ってはいけない」なのか?を考える

 益子直美さんからお話を聞く機会が何度かあり、最近メディアでも取り上げられている、「怒ってはいけない」というものについて考えてみました。  スポーツ界、特に子供たち世代のアンダーカテゴリにおいて、大人である指導者からの過剰に強い指導、それがハラスメントや暴言、そして体罰とエスカレートしている現状が、昔も今も変わっていないことへの警鐘となっています。  その根本要因の一つであるとも考えられるのが、指導をする大人が、選手である子どもたちへ向けてしまっている「怒り」という心理と「

Left-handed Pleyers(左利き)とバレーボール

 いろいろな意味で注目を集めている東京オリンピックの開催が予定されている中の直前に開催されているネイションズ・リーグ。  久しぶりの国際大会であり、東京五輪への最終調整やアフター東京五輪を見越した育成など、現状の「バレーボールの今」がどうなってるかに注目しています。  バレーボールの戦い方は、男子でアップデートが先行し、後を追いかけるように女子でそのエッセンスが取り入れられていく、という流れの中で、男子に注目しつつ、 ・MBが明確に得点源としてのオフェンス機能になってきた

質の良い刺激、質の良い対話

(写真FIVB)  問われるコーチング力、問われるコーチの資質 (公財)全国高体連バレーボール専門部から、今年、2021年10月7日付で、「高等学校バレーボールの適切な指導の在り方について」という文書が、高校バレーの部活顧問、コーチ、スタッフ向けに出されています。  内容は、高校バレーに限らず、日本のバレーボール界、とりわけ高校以下の小学バレー、中学バレーのカテゴリでも重要なものなので、みなさんとシェアしたいです。内容がとても具体的で、みんなで起こっている事象を評価するのに

倍返しだ!スカッとジャパン!~男子バレー日本VSカナダ戦(東京2020オリンピック)

 東京オリンピック2020、バレーボール男子のDAY2、日本男子代表の2戦目はカナダ戦でした。  初戦ベネズエラ戦を29年ぶりの五輪一勝に続き、今大会日本代表が予選を突破するためには、2戦目のカナダ戦も「絶対負けられない戦い」となりました。 試合結果 日本 vs カナダ  3-1 (25-23, 23-25 25-23, 25-20)  日本の男子バレーのブレイクスルーしたあとの成長曲線というべきか、生みの苦しみを乗り越えた後のセカンドウィンドというべきか・・・。  第

日本男子バレー、眼に見えにくい「大きな差」という次のステージへ

(写真FIVB)   世界の男子バレーの強豪、イタリア、ポーランドそれぞれを相手に、日本の男子バレーは勝てませんでした。日本の男子バレーに新しい風と明るい光を感じ心躍っているだけに、世界の強豪と戦えるという期待感をもたずにはいられませんでした。  それはなぜか。確かに石川選手や西田選手が繰り出すハイパフォーマンスなスパイクやサーブで得点をもぎとる光景は、観る私たちに明らかに世界の中で勝てるという光明が見えます。その他の選手のがんばりも光る。何よりもブロックやオフェンスシステ

メイド・イン・ジャパンのエキサイティングなバレーボール空間(ネーションズリーグ2022)

(写真FIVB)  世界の強豪16チームが参戦しているバレーボールネーションズリーグ。男子日本代表は、東京2020オリンピックでは29年ぶりに決勝トーナメント進出を果たし、その躍進を見事にマネジメントした中垣内監督から引き継いだ、フィリップ・ブランが新監督に就任。史上初のファイナルラウンド進出を果たしました。2024年のパリ五輪出場へ向けても世界ランキングが重要となることから、今大会で少しでも世界ランキングを上げておきたい日本にとっても、また一つ成果を挙げたことになります。