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ネットを下げてでもやるべき練習

 なかなかネットを下げて練習をすることに抵抗感がある指導者も多いような気がします。しかし、バレーボール初心者だからこそ、今すぐにでもネットを下げてでも練習をした方がいいこともあると思います。

① オーバー ザ ネット ペッパー ドリル

 いわゆる2人や3人が向き合ってボールをつなぐドリルも、なるべくネットを介して行う工夫が必要です。常にネットを挟んでボールが往来することを当たり前にしたいところです。単調なパスドリルでも、ネットを挟むとよいです。 

② キャッチを入れたゲームライク ドリル

 初心者にとって、バレーボールでボールを落とさずにコンタクトをつなぐのがとても大きなハードルです。しかし、一つ一つのスキルを身につけてからゲームライクとなると、もう時間が間に合いません。
 ファーストコンタクトをボールキャッチ、セカンドタッチのみボールキャッチ、アタックの直前にキャッチしてリリースする・・・など子供たちのレベルに応じて設定することで、自然とゲームライクを覚えていくと思います。

③ 一連のスパイク動作を覚えるまでのスパイク練習

 低いネットで打たせると、高いネットで打てなくなる・・・そんなこと言う人もいますが、初心者にとって重要なのは、ボールに合わせて、助走・踏切・空中でスイング・ボールヒット・・・という一連の動作を身につけることです。少なくとも、初心者がスパイク動作の一連の動きが身につくまでは、ネットを下げて行う方が練習効果は高いです。

④ ブロック練習(シー&リアクト)

 「リードブロック」は現代バレーの基本です。まずは初心者からリードブロックの要素を習得させると、その後のさまざまなブロックスキルやブロック戦術への応用に対応できる選手になっていきます。
 手が出ないからブロックをさせない・・・そんな小中学校バレー指導者が多いです。それでは日本は強くなりません。どんな子にもブロック練習を日常化させるためにも、ネットを下げてブロック練習を行うことは重要です。

⑤ ブロック練習(生きたボールを止める)

 ネットを下げてブロック練習を行うとしても、コーチの定位置からのステーショナルな練習ばかりでは、ブロック力は身につきません。セット軌道があり、相手スパイカーのモーションがあり、それらにブロッカーが合わせるという練習は、ネットを下げてでも行う必要があると思います。 

⑥ ブロックとフロアディフェンスの守備練習

 ディグなどのフロアディフェンスの練習は、ブロックがある状態で行う必要があります。またブロックの手に当たるイレギュラーなボールというのは、コーチのノックだけではなかなか再現できにくいものです。
 ブロック練習を日常で少しでも確保し、しかもディグというのは必ずブロックとの関係性で行うということを初心者に当たり前のこととするためにもネットを下げて行うことは必要です。

(2018年)