見出し画像

[KARATE] でスイッチ入ることがあるから気を付けて

「その時は突然やってくる」

まさにこの表現がちょうどいい。


その時、車に乗っていた。

いつも車に乗る時は、
決まって自分が好きな曲を聴く。
だいたいプレイリストはできていて、
ドライブ用のがあるし
限られたひとり時間を充実させる
とても良いツールなのだ。


その昔、アナログレコードを集めて
足しげく音源集めに勤しんでいたころに蓄積された
音楽に紐づいた風景や気持ち、その日の空気が
今の平和を邪魔をするような気がして
それとも、別世界にとっておかないといけないような気がして
いつの間にか、音楽に没頭することから距離を置いていた。


だから今ある音楽には
ある意味思い入れがなくて、
何も考えなくていい。とても楽なのだ。



でも、それは本来の楽しみ方だとは思わないけど。
作った人が見た景色を少しでもわかりたいと思う、
そのかけらを自分と重ねて想う、
それが音楽に向かう人々の素敵な姿だと思うから。


ただ、今はこんなことを考えているほど
時間はないのだ。

あるとき。
たまたま、車内で普段聴かないラジオをつけていた。
たまたま、急いでいただけ。
たまたま、その局になっていただけ。

かかったのは、
BABYMETALの「KARATE」。


既にリリースからも時間が経っていた。
話題になっていたので知ってはいたけど、
全然聴いたことはなかった。

なぜそのタイミングでかかっていたのかも
今となっては全然分からない。


だけど、これが効いた。
たまらなく効いた。
腹の奥底に効いた。

思考を経由することなく、
予告なんてもちろんなく


涙が

どばーーーーっと

とめどなく、ただただ流れる。

運転してるし
予定だってあるし
一応化粧だってしてる。

勿論化粧ポーチなぞ
持ち歩ている訳もなく
流れていっても分からないくらいの
適当な化粧だけれど
無残に流れていくばかりで
どうすることもできない。


学生の頃メタルも好きだったなぁ
なんて、
ぼんやり吉祥寺のライブハウスを思い出していたわたしは馬鹿だった。


「たたかえ」
「たちあがれ」
「はしれ」


急に可愛い声でそんなこと言われたからか
何が引き金になったのかは分からないけれど


それは私の心に
とてもとても深く響いて
腹の底から湧き上がっては流れる涙を
止めることができなかった。


結局、
道端で車を停め
顔をハンドルに突っ伏して
嗚咽。嗚咽。
笑っちゃうくらい、汚い。
SU-METALに申し訳ない。

だがこうなってしまうと
もうどうにもならない。
よりにもよって朝の9時。
時間だってもうちょっと選んで欲しい。

この人大丈夫?
気が違ってる。
通りすがりの人はそう思ったかもしれない。


それでも、10分間
この波に抵抗することは無意味だった。


少しすると、いつものわたしが顔を出し始める。
大きくひと息を吐いて
普通に息が吸えることを確認したら
通常運行に戻る準備。

声が震えないかどうか、
ひとりでちょっとしゃべってみる。

ヨシ、なんとか大丈夫。

化粧については、まぁいいや。
多分わかんないし。

そして
何事もなかったかのように、
いつものように車を走らせる。


こうやって、
誰とも知れず
年1回、どこからともなく
突如やってくるこの大波を
毎年乗りこなしていくのである。


大切なのは、
こころの声をそのまま聴くこと。
そうできる環境を作っておくこと。
何よりも、
どんな方法であっても
納得できるやり方で
納得できる時間をかけて
ひとつずつ
何度でも、やってみたらいい。


いいんです。
さ、明日もややこしくいきましょう。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。 頂いたサポートは、また別の方をサポートするのに使わせて頂きますね♡ サポートの輪っかをぐるっと作りましょう^^