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【J-TECH STARTUP2020受賞】アーリー枠で受賞した5社を紹介

TEP Deep Tech Journal

グローバルな成長が期待される技術系ベンチャーを選定する「J-TECH STARTUP SUMMIT」。第5回目の開催を迎え、新たな認定企業が決定しました。

「シード枠」で選ばれた5社に続き、今回は「アーリー枠」で認定企業となった5社をご紹介します。

J-TECH2020では、認定企業10社が確定

J-TECH認定企業となると、メディアの掲載や投資家とのネットワーキング、専門家によるメンターやグローバル展開へのサポート支援などを受けることができます。

選考の結果、「J-TECH STARTUP2020」では、合計10社が認定企業として選出されました。今回はシード枠・アーリー枠からそれぞれ5社が選ばれています。

・シード枠
ベンチャーキャピタル等から出資前の企業が対象。エンジェル出資、クラウドファンディングからの資金調達を受けている企業、および起業予定者も含まれます。

・アーリー枠

ベンチャーキャピタル等から出資を受けていて、以下3つの要件を満たす未公開企業が対象です。
(1)資本金額:1億円以下
(2)従業員数:50名以下
(3)大企業の子会社ではないこと ※法人の設立年は問いません。第二創業も対象。

アーリー枠5社の紹介

ここからは、アーリー枠として選ばれた5社をまとめてご紹介します。

(1)株式会社LexxPluss

【LexxPluss】ロゴ3

同社では、物流倉庫や製造事業者が管理する既存システムに合わせてカスタマイズできる「自動搬送ロボット」を開発。​自動搬送ソフトウェアシステムである「LexxAuto」とロボットハードウェア「LexxHard」をオープンソース化し、自動搬送ロボットの導入を検討している事業者へ製造価格でロボットを提供しています。

物流倉庫では人手に頼った作業が多いのが現状です。特に搬送作業は出荷業務の中で最も労働者の負荷がかかるため、ロボットの導入が期待されています。同社のシステムとハードウェアを用いることによって、ロボットは現場ごとに合わせた対応が可能になるのです。

ロボット導入から運用・管理まで一気通貫でサポートし、物流倉庫の問題を解消することで、安定的に収益化できる物流倉庫の実現を目指しています。

・TEPからの評価コメント
オンラインストアの急激な普及によって物流の効率化に注目が集まっています。この状況で多くの自動搬送ロボットを開発するベンチャーが誕生しています。同社は物流倉庫の実情を把握し、実使用に適した走行モードや導入の容易性なども考慮したソリューションとしてビジネスを進めている点が評価されました。

(2)建ロボテック株式会社

【建ロボテック】ロゴ3

建設業労働における人口の推移は15年間で45%減、さらに建設職人は深刻な人手不足という状況に陥っています。そこで同社では、建設現場にロボットを導入することで、人手不足の解消に向けてアプローチしています。

同社の鉄筋結束ロボット「トモロボ」は、土間・スラブなどの単純な結束作業を行い、より高度な作業への注力を可能にした“職人力発揮ツール”です。市販の手持ち電動工具をセットするだけで、鉄筋工事における単純作業である結束作業をロボットに任せることができます。トモロボの導入によって、建設現場の生産性向上や作業者の負担軽減が可能になるのです。

鉄筋結束のほか、建設現場では単純作業が多くあります。今後も実用的なロボットの開発を進めていく予定です。

・TEPからの評価コメント
建設現場でも高齢化が進んでおり、技能者の確保が難しくなって来ています。また、大手ゼネコンも含めロボットを活用した取り組みが始まっていますが、先端ロボット技術をどう使うかといった技術先行で開発されたロボットが多い中、同社は機能を必要最小限に絞り、かつ現場で安定して使えるロボットを第一に製品を開発したことが評価されました。

(3)株式会社Pale Blue

【PaleBlue】ロゴ3

水を推進剤とした推進機により、小型衛星の研究・産業・市場ポテンシャルの開放を行う同社。

大型衛星と比べ、小型衛星は「小さい・軽い・安い」といったメリットがあります。2020年10月の段階で、170社以上の企業が複数機の小型衛星を前提とした事業(小型衛星コンステレーションビジネス)を計画しており、総計画打上げ数は28000機を超えています。ただし、小型衛星の多くは推進系(宇宙空間で能動的に動かすための装置)が搭載されていないのが課題です。

そこで、同社では水を推進剤とした小型推進系に着目。同社のプロダクトである「水レジストスラスタ」(水蒸気式推進機)は2019年に国際宇宙ステーションから放出された小型衛星に搭載され、国際宇宙ステーションへの水推進機搭載衛星の持ち込みは世界初となりました。

・TEPからの評価コメント
小型衛星の登場によって企業が自前で衛星を持つことが可能となりました。これからは衛星からもたらされる情報の民間活用が一層進み、新たな産業が生まれることが期待されています。同社の水推進機は小型衛星に推進機構を搭載する事を可能とするだけではなく、将来的には月や水を蓄えている惑星への探査機に搭載する推進機としての活用の可能性が評価されました。

(4)株式会社Pyrenee

【Pyrenee】ロゴ3

あらゆる場面で遭遇する危険から人を守るためのプロダクトを生み出している同社。主力のプロダクトとなる「Pyrenee Drive」(ピレニードライブ) は、既存の車に付けられるAIドライバーアシスタントです。交通事故の多くは、ドライバーのヒューマンエラー(車や歩行者の見落とし)によるもの。そこで、Pyrenee Driveはドライバーの有能なアシスタントとして安全運転を支援し、交通事故を防止します。

具体的には、カメラ映像や多数のセンサーの情報からAIが運転状況をリアルタイムに判断してドライバーをサポート。また、Pyrenee DriveのAIドライバーアシスタントは機体ごとに個別のIDを持ち、ドライバーの好みや行動を学習しながら成長していくのも大きな特長です。

ただの機械ではなく、ユーザーの良きパートナーになるようなプロダクトの提供を目指しています。

・TEPからの評価コメント
自動車メーカーにおける自動運転実現に向けた取り組みの強化や運転免許証の自主返納に伴う買い物難民問題など、自動車の自動・安全運転に対するニーズは高まっています。同社はAIを活用した画像解析技術を用い、後付け出来る運転アシストの製品開発を進めている点や商業車の需要に対応する取り組みが評価されました。

(5)MoBiol Holdings Pte Ltd

【moBiol】ロゴ3

世界が抱えている環境問題のひとつに、パームオイル生産工場廃液(POME; Palm Oil Mill Effluent)が挙げられます。パームオイルとは、安さや加工の容易さから世界で最も消費されている植物油です。しかし、生産国であるインドネシアとマレーシアでは、パームオイルから生まれたPalm廃液が引き起こす水質汚染やメタンガスの発生が大きな問題に。この問題を解決できる手段として、同社では藻類に着目しました。Palm廃液を藻で浄化し、Omega3を抽出する取り組みを実施しています。

Omega3(EPA&DHA)は、96%が魚由来と言われています。多くの会社がサプリメントとしてOmega3を販売していますが、「魚由来のものは、いずれ調達できなくなる」という見解です。つまり、魚油に代わるOmega3の供給源が必要になります。Palm廃液を藻で浄化することによって、魚油に代わるOmega3となるDHA oilを抽出できます。

同社のビジネスモデルではプラントを管理し、藻とDHAを販売していきます。Palm廃液の問題とともに、Omega3を生み出すことが期待できます。

・TEPからの評価コメント
サステーナブルな社会の実現から経済活動においても低炭素社会の実現や低環境負荷が重要な指針となっています。同社は藻を利用することで価値のない廃液から価値に高い成分を抽出して販売することで、経済合理性と環境負荷の低減を両立させてことが評価されました。

「第5回 J-TECH STARTUP SUMMIT」で認定証を授与

今回ご紹介したアーリー枠5社、そしてシード枠で選出された5社については2月に行われる「第5回 J-TECH STARTUP SUMMIT」にて認定証を授与します。

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イベントでは「大学や研究所が抱える技術シーズの事業化」にフォーカスし、大学や研究機関との連携、大企業とのオープンイノベーション等のテーマでパネルディスカッションを実施予定です。

技術系スタートアップの方や、起業を志す研究者の方はもちろん、有望な投資先・提携先を探したい大企業の方にとっても有益な機会となります。興味のある方はぜひご参加ください。

■イベント概要
「第5回 J-TECH STARTUP SUMMIT」
・開催日 2021年2月24日(水)14:00~18:00
・オンライン配信

■当日プログラム(予定)
14:00 開会挨拶、概要説明
14:15-15:00 基調講演 登壇者:調整中
15:00-16:00 認定企業によるピッチ(事業紹介)
16:00-16:10 表彰式
16:10-16:55 パネルディスカッション① 登壇者:調整中
17:00-17:45 パネルディスカッション② 登壇者:調整中
17:45     閉会挨拶
TEPはディープテック・スタートアップのエコシステムビルダーです。技術をビジネスへブーストさせるため、さまざまな研究機関や企業、行政と連携しています。
お問い合わせはこちらから。 https://www.tepweb.jp/contact/


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