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着付けと三味線。「学び」のコツが「学び直し」を後押しする。

湯島天神への初詣で始まった令和五年。半年が過ぎ、趣味の長唄三味線の発表会だけでなく、歌舞伎座やホテルのお食事会に和服でお出掛けし、十年前に一度、断念した着付けは地味ながら、ステップアップしている。

「学び直し」が上手に進んでいるのはいくつか、理由があるが、大きく関わっているのは三味線のお稽古だ。着付けを始めたんだ、三味線も習っているんだ、同じ和の稽古事だもんねと、意外性はゼロだが、そう、簡単ではない。私は三味線を通じて身についた「学び方のコツ」を着付けにも、応用しているのだ。

楽器演奏の発表会というのは、気持ちの揺さぶられ方が並大抵ではない。ミスしたら、隠れる場所がない。そのショックが尾をひくと、今度こそはと思う。辛い気持ちの分だけ、稽古に熱が入る。本当は逃げたい。だから、撥を置いて、スマホで執筆しているのだ。

だけれど、三味線のお稽古は、私に練習のやり方を教えた。具体的に説明してみると

①イメージ→アクション
②とことん、真似る
③反省し過ぎない

①は、イメージトレーニング。例えば二上がりの調子変え(演奏中の転調のこと)だったら、仮に開放弦のファをソまで上げるのに、糸巻きを握って、ソの音を思い出して、イメージしたソの音に引き寄せるように、糸巻きを回転させて、音を上げる。着付けなら、理想の着姿か?

②は、細々した動作の習得。ゴルフのスウィングに近い作業だ。バーンと大きな音を出したい時と、超絶技巧のノリで素早く弾きたい時では、撥を握る強さを変えてみたり。

③は、演奏中に、苦手な箇所ができなかったとか、つい、頭の隅で考えてしまうと、つまずいて、曲が流れない。着付けも、テンポが大事。できないけど。

そして、④何度も繰り返して、体に覚えさせる。

人前で恥をかくと、良く身につく。

脳の中でアドレナリンが出まくって、神経回路がバシバシ繋がって、海馬の奥にしまってあった先生の根気強いアドバイスが、ようやく、演奏の音に生かされる。先生、ありがとう。「学び直し」も教える人の熱があってこそ。

思いがけない結論になった。

#私の学び直し

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